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15話目 荷解きのハプニング
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学食で夕食を食べたあと、教室に戻る。
神代先生が教室内に入ってきて檀上に上がったところで――、「今日は、先生に急用が出来ましたので休校になりました」と、宣言してきた。
「え? 授業は?」
「まだ、1学期は、始まったばかりだから、そんなに急がなくて大丈夫よ! ――と、言う事で早めに下校するようにね」
神代先生は、それだけ言うと教室から出ていく。
色々と特典があり文部科学省と農林水産省の肝入りの学校という前評判であったが、本当に、この高校は大丈夫なのだろうか? と、いう疑問が、湧き上がってくる。
「ね! 星空君」
「ん?」
「何だか不機嫌ね」
「――いや、普通、登校日初日から、授業が途中で忙しいという理由で無くなるのは、些かおかしいと思っているんだが……」
「ふーん」
意味深な表情で上目遣いで、横の席に座っていたステラさんが視線を向けてくると、
「ねね! 早く帰れるのなら早く帰りましょうよ!」
「何か用事でもあるのか?」
「だって、ほら! 届いた荷物とか荷解きしないといけないから。暗くなると出来ないし……」
「そういえば、ステラさんの部屋は電気がつかなかったんだよな……」
「うん。ライフラインが開通してないから」
「それなら、早く帰って荷解きでもするか」
少なくとも荷解きが出来て寝るスペースが出来たのなら、寝る場所だけは俺の部屋でなくてもいいわけだし、改善するからな。
「それじゃ早く帰りましょう! 青空君」
「お、おう」
随分と乗り気だな。
やはり男女で同じ部屋で寝るのは彼女としても宜しくないと思っているのかも知れない。
アパートに戻ったあとは、俺は自室で部屋着に。
着替えたあとは、アパートのベランダを経由し向かおうとベランダに出て窓に近づきノックしようとしたところで、ステラさんの室内がガラス越しに見えた。
そして見えた光景に俺はノックする形で止まってしまった。
――そこには、赤い下着をつけて姿見の前で何かチェックしている様子の銀髪赤眼の美少女が立っていて――、後ろ姿が見えていたから。
「……こ、これは……」
――下着姿。
しかも赤い! レッド! しかもワインレッド!
「スタイルはいいな……」
――ちがーうっ!
ま、まずい!
――と、とりあえず! この状況は不味いっ! 違う! 食べ物の不味いじゃなくて! マズイの方だ!
ここは慌てて回れ右をして一度、戦略撤退をするしかない。
俺は、ガラスをノックする手を下ろし、回れ右をし、自室へと戻ろうとしたところで――、パキッ! と、言う乾いた音がありえないくらいな音が鳴る。
もちろん、足元を見れば、俺の足は小さな枝を踏み砕いていた。
「なんて……べたな……」
自分の運の無さが羨ましくない。
「ま、まずい――」
音が聞こえてなければ――。
そういう希望的観測を思いながら、視線をステラさんが居るであろう室内に向けると、此方へと視線を向けてきていたステラさんと目が合った。
神代先生が教室内に入ってきて檀上に上がったところで――、「今日は、先生に急用が出来ましたので休校になりました」と、宣言してきた。
「え? 授業は?」
「まだ、1学期は、始まったばかりだから、そんなに急がなくて大丈夫よ! ――と、言う事で早めに下校するようにね」
神代先生は、それだけ言うと教室から出ていく。
色々と特典があり文部科学省と農林水産省の肝入りの学校という前評判であったが、本当に、この高校は大丈夫なのだろうか? と、いう疑問が、湧き上がってくる。
「ね! 星空君」
「ん?」
「何だか不機嫌ね」
「――いや、普通、登校日初日から、授業が途中で忙しいという理由で無くなるのは、些かおかしいと思っているんだが……」
「ふーん」
意味深な表情で上目遣いで、横の席に座っていたステラさんが視線を向けてくると、
「ねね! 早く帰れるのなら早く帰りましょうよ!」
「何か用事でもあるのか?」
「だって、ほら! 届いた荷物とか荷解きしないといけないから。暗くなると出来ないし……」
「そういえば、ステラさんの部屋は電気がつかなかったんだよな……」
「うん。ライフラインが開通してないから」
「それなら、早く帰って荷解きでもするか」
少なくとも荷解きが出来て寝るスペースが出来たのなら、寝る場所だけは俺の部屋でなくてもいいわけだし、改善するからな。
「それじゃ早く帰りましょう! 青空君」
「お、おう」
随分と乗り気だな。
やはり男女で同じ部屋で寝るのは彼女としても宜しくないと思っているのかも知れない。
アパートに戻ったあとは、俺は自室で部屋着に。
着替えたあとは、アパートのベランダを経由し向かおうとベランダに出て窓に近づきノックしようとしたところで、ステラさんの室内がガラス越しに見えた。
そして見えた光景に俺はノックする形で止まってしまった。
――そこには、赤い下着をつけて姿見の前で何かチェックしている様子の銀髪赤眼の美少女が立っていて――、後ろ姿が見えていたから。
「……こ、これは……」
――下着姿。
しかも赤い! レッド! しかもワインレッド!
「スタイルはいいな……」
――ちがーうっ!
ま、まずい!
――と、とりあえず! この状況は不味いっ! 違う! 食べ物の不味いじゃなくて! マズイの方だ!
ここは慌てて回れ右をして一度、戦略撤退をするしかない。
俺は、ガラスをノックする手を下ろし、回れ右をし、自室へと戻ろうとしたところで――、パキッ! と、言う乾いた音がありえないくらいな音が鳴る。
もちろん、足元を見れば、俺の足は小さな枝を踏み砕いていた。
「なんて……べたな……」
自分の運の無さが羨ましくない。
「ま、まずい――」
音が聞こえてなければ――。
そういう希望的観測を思いながら、視線をステラさんが居るであろう室内に向けると、此方へと視線を向けてきていたステラさんと目が合った。
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