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旅路〜デザリア・ダンジョン〜
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「あ~ぁ。結局、“願いを叶える鳥”さんはいなかったね。」
「ニナ。楽しみだったのに残念だよ。」
やっぱり期待していた分、落胆が大きいのかパティとニナの2人は剥れていた。
「人々が期待する願いってのは叶わないから長い時間をかけて伝説になっていくんじゃないか?」
慰めるヒューゴに2人は頷いた。
「それにしても、おかしいな。
最終の部屋の主人が討伐されたのだ。
いつもだったら、帰還の魔法陣が現れてもいいはずなんだがな。」
シモン・ヤティムがキョロキョロと見渡すが、それらしき紋様は現れない。
入口の扉さえなくなった今、まるで最終の部屋に取り残された様だ。
「どうした事だ。
これでは外に出られぬではないか。」
焦り出したシモン・ヤティムに子供達も慌てて帰還の魔法陣を探し始めた。
チチチッ
そんな時だった。
ソルがイオリの髪を引っ張り始めた。
「イテテ。
ソル。
どうしたの?」
イオリが声をかけるがソルは力を緩める気がないのか必死に引っ張っている。
ソルの望むままに歩き出したイオリは1つの空間が変化している事に気が付いた。
イオリの青い目が光る。
なんでもない場所に手を添わせると、まるで水の波紋のように波が走った。
もう一度、恐々と手を突き出すと今度はイオリの腕が飲み込まれている。
「イオリ!!」
慌てて近づいたヒューゴだったが、彼は波紋に触れる事は出来かった。
「なっ・・・。」
何かに拒絶をされたのに気づくとヒューゴは戸惑っていた。
「はい!はい!
次、パティの番ね!」
気になったものを真っ先に挑むのはいつもパティだ。
好奇心が旺盛なのか、怖いもの知らずか、考えもせずにイオリが作り出していた波紋に手を伸ばした。
「・・・触れない。
なんでー。」
不貞腐れたパティが後に退くとスコル、ナギ、ニナも続々とチャレンジしていく。
「やはり、イオリ殿だけか・・・。」
最後のシモン・ヤティムまでが玉砕すると、イオリは一度手を引っ込めた。
「どうやら、これより先に進めるのはイオリ殿だけらしい。」
「「「「えー!!」」」」
膨れる子供達にシモン・ヤティムは眉を下げた。
「残念だが、ダンジョンが決めた事だ。
それに、我々もいつまでもここにいる事はできないだろう。
イオリ殿には前に進んでもらわねばならない。」
イオリは静かに頷くと、ヒューゴに子供達を託した。
「恐らく、無体な事は起こりません。
帰還の魔法陣が出たら一足先に戻って下さい。」
「・・・分かった。
お前・・・何が待ってるのか知っているのか?」
「あくまでも憶測です。
ここに来るまでに何度か会話をしているので。」
詳しい説明もせずにクルッと背を向けたイオリにヒューゴは驚いた顔をした。
「それじゃ、行ってくるね。
ゼン、行くよ!」
そう言ってイオリはゼンを連れて、迷いなく波紋の中に入って行った。
「ニナ。楽しみだったのに残念だよ。」
やっぱり期待していた分、落胆が大きいのかパティとニナの2人は剥れていた。
「人々が期待する願いってのは叶わないから長い時間をかけて伝説になっていくんじゃないか?」
慰めるヒューゴに2人は頷いた。
「それにしても、おかしいな。
最終の部屋の主人が討伐されたのだ。
いつもだったら、帰還の魔法陣が現れてもいいはずなんだがな。」
シモン・ヤティムがキョロキョロと見渡すが、それらしき紋様は現れない。
入口の扉さえなくなった今、まるで最終の部屋に取り残された様だ。
「どうした事だ。
これでは外に出られぬではないか。」
焦り出したシモン・ヤティムに子供達も慌てて帰還の魔法陣を探し始めた。
チチチッ
そんな時だった。
ソルがイオリの髪を引っ張り始めた。
「イテテ。
ソル。
どうしたの?」
イオリが声をかけるがソルは力を緩める気がないのか必死に引っ張っている。
ソルの望むままに歩き出したイオリは1つの空間が変化している事に気が付いた。
イオリの青い目が光る。
なんでもない場所に手を添わせると、まるで水の波紋のように波が走った。
もう一度、恐々と手を突き出すと今度はイオリの腕が飲み込まれている。
「イオリ!!」
慌てて近づいたヒューゴだったが、彼は波紋に触れる事は出来かった。
「なっ・・・。」
何かに拒絶をされたのに気づくとヒューゴは戸惑っていた。
「はい!はい!
次、パティの番ね!」
気になったものを真っ先に挑むのはいつもパティだ。
好奇心が旺盛なのか、怖いもの知らずか、考えもせずにイオリが作り出していた波紋に手を伸ばした。
「・・・触れない。
なんでー。」
不貞腐れたパティが後に退くとスコル、ナギ、ニナも続々とチャレンジしていく。
「やはり、イオリ殿だけか・・・。」
最後のシモン・ヤティムまでが玉砕すると、イオリは一度手を引っ込めた。
「どうやら、これより先に進めるのはイオリ殿だけらしい。」
「「「「えー!!」」」」
膨れる子供達にシモン・ヤティムは眉を下げた。
「残念だが、ダンジョンが決めた事だ。
それに、我々もいつまでもここにいる事はできないだろう。
イオリ殿には前に進んでもらわねばならない。」
イオリは静かに頷くと、ヒューゴに子供達を託した。
「恐らく、無体な事は起こりません。
帰還の魔法陣が出たら一足先に戻って下さい。」
「・・・分かった。
お前・・・何が待ってるのか知っているのか?」
「あくまでも憶測です。
ここに来るまでに何度か会話をしているので。」
詳しい説明もせずにクルッと背を向けたイオリにヒューゴは驚いた顔をした。
「それじゃ、行ってくるね。
ゼン、行くよ!」
そう言ってイオリはゼンを連れて、迷いなく波紋の中に入って行った。
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