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旅路〜デザリア・ダンジョン〜
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潜り抜けると、明るい輝きがパッと顔に当たった。
「あれ?ここは・・・。」
イオリとゼン、そして頭に乗っていたソルが出てきたのは、最終の部屋の前の渓谷だった。
違うと言えば、キラキラと輝く清流が流れていた事だ。
「綺麗だね~。
さっきは川が枯れていたのに、今は川に反射する光が宝石みたいだ。」
『見て!イオリ!
魚がいる!
あっちにはウサギやリス・・・鹿もいるよ!』
キラキラした清流の周りには青々とした緑が生い茂り、美しく煌めいていた。
その中から小さな動物達や空を飛ぶ鳥達がイオリ達を観察していた。
ゼンが興奮するのも無理はない。
どうやら・・・森だと言うのに、魔獣でない動物達が落ち着いて生活しているようだ。
「さっきの場所と違うのかな?」
御伽噺のような世界でイオリが呟くとクスクスと笑い声が聞こえた。
『違うよ。』
『違くないよ。』
声がした真上に視線を向けると、イオリ達を目掛けて大きな鳥が2匹降り立った。
空にも負けない真っ青な鳥と太陽のように美しい黄色い鳥・・・。
2匹はイオリの瞳を覗くようにジッと見つめて、再びくすくすと笑った。
「こんにちわ。
やっと会えたね。」
イオリが微笑んで声をかけると、歌うような2匹の声が聞こえた。
『愛し子、ようこそ。』
『愛し子、会えて嬉しい。』
そんな会話にゼンはキョトンとしてイオリを見上げた。
『ねー。何の事?』
イオリはニッコリ笑うとゼンの頭を撫でた。
「ほらっ、言ったろう?
グダスクを出発してから、時々彼らの声が聞こえたてたんだ。」
『あー!
あれって、鳥さん達だったの?』
楽しげに見上げるゼンに応えるように2匹の鳥は輝く翼を広げた。
『愛し子。ようこそ。』
『愛し子。ゼン。ソル。待ってた。』
2匹の歓迎の言葉が合図だったかのように、覗いていた動物達が嬉しそうにイオリ達に近づいてきた。
ウサギはピョンピョンと飛び跳ね、リスは花や実を加えてやってきた。
鹿はイオリに頭を擦り付け挨拶し、清流で泳ぐ魚は口から水を出し、まるで噴水のようだった。
『わぁぁぁぁ!』
喜ぶゼンは動物達と戯れ始め、ソルは空を飛ぶ鳥達に混ざりに行った。
「歓迎してくれてありがとう。」
イオリが声を掛けると、2匹の鳥はクスクスと笑った。
『愛し子、驚いた?』
『愛し子、嬉しい?』
頷くイオリに2匹の鳥は顔を近づける。
『助けてくれた、お礼。』
『ダンジョンが消滅するところだった。』
『ダンジョン、消滅したら動物達も生きていけない。』
『ダンジョンと共に砂漠の国も消滅してた。』
国難だった事は確かだったのだ。
そんな2匹にイオリはニッコリと笑った。
「間に合って、良かったよ。
君たちが“エルフの里の戦士”の足止めをしてくれていたんでしょ?
国の騎士や冒険者達の命も守ってくれていた。」
2匹は嬉しそうにブンブンと頷いた。
『この国はダンジョンと一緒。』
『護るってリュオン様と約束した。』
何百年、何千年経とうと絶対神との約束を守ると微笑む2匹の鳥。
そんな彼らの顔をイオリはギュッと抱きしめたのだった。
「あれ?ここは・・・。」
イオリとゼン、そして頭に乗っていたソルが出てきたのは、最終の部屋の前の渓谷だった。
違うと言えば、キラキラと輝く清流が流れていた事だ。
「綺麗だね~。
さっきは川が枯れていたのに、今は川に反射する光が宝石みたいだ。」
『見て!イオリ!
魚がいる!
あっちにはウサギやリス・・・鹿もいるよ!』
キラキラした清流の周りには青々とした緑が生い茂り、美しく煌めいていた。
その中から小さな動物達や空を飛ぶ鳥達がイオリ達を観察していた。
ゼンが興奮するのも無理はない。
どうやら・・・森だと言うのに、魔獣でない動物達が落ち着いて生活しているようだ。
「さっきの場所と違うのかな?」
御伽噺のような世界でイオリが呟くとクスクスと笑い声が聞こえた。
『違うよ。』
『違くないよ。』
声がした真上に視線を向けると、イオリ達を目掛けて大きな鳥が2匹降り立った。
空にも負けない真っ青な鳥と太陽のように美しい黄色い鳥・・・。
2匹はイオリの瞳を覗くようにジッと見つめて、再びくすくすと笑った。
「こんにちわ。
やっと会えたね。」
イオリが微笑んで声をかけると、歌うような2匹の声が聞こえた。
『愛し子、ようこそ。』
『愛し子、会えて嬉しい。』
そんな会話にゼンはキョトンとしてイオリを見上げた。
『ねー。何の事?』
イオリはニッコリ笑うとゼンの頭を撫でた。
「ほらっ、言ったろう?
グダスクを出発してから、時々彼らの声が聞こえたてたんだ。」
『あー!
あれって、鳥さん達だったの?』
楽しげに見上げるゼンに応えるように2匹の鳥は輝く翼を広げた。
『愛し子。ようこそ。』
『愛し子。ゼン。ソル。待ってた。』
2匹の歓迎の言葉が合図だったかのように、覗いていた動物達が嬉しそうにイオリ達に近づいてきた。
ウサギはピョンピョンと飛び跳ね、リスは花や実を加えてやってきた。
鹿はイオリに頭を擦り付け挨拶し、清流で泳ぐ魚は口から水を出し、まるで噴水のようだった。
『わぁぁぁぁ!』
喜ぶゼンは動物達と戯れ始め、ソルは空を飛ぶ鳥達に混ざりに行った。
「歓迎してくれてありがとう。」
イオリが声を掛けると、2匹の鳥はクスクスと笑った。
『愛し子、驚いた?』
『愛し子、嬉しい?』
頷くイオリに2匹の鳥は顔を近づける。
『助けてくれた、お礼。』
『ダンジョンが消滅するところだった。』
『ダンジョン、消滅したら動物達も生きていけない。』
『ダンジョンと共に砂漠の国も消滅してた。』
国難だった事は確かだったのだ。
そんな2匹にイオリはニッコリと笑った。
「間に合って、良かったよ。
君たちが“エルフの里の戦士”の足止めをしてくれていたんでしょ?
国の騎士や冒険者達の命も守ってくれていた。」
2匹は嬉しそうにブンブンと頷いた。
『この国はダンジョンと一緒。』
『護るってリュオン様と約束した。』
何百年、何千年経とうと絶対神との約束を守ると微笑む2匹の鳥。
そんな彼らの顔をイオリはギュッと抱きしめたのだった。
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