131 / 781
旅路〜王都〜
139
しおりを挟む
「でね。魔の森をお散歩してたらイオリが仕留めたコカトリスがね。
私達の頭に降ってきたんだよー。」
「あの時はビックリしたよね。
パティなんか『ぎゃー!』って逃げてたもん。」
「そうか、魔の森を散歩な・・・。」
「僕はね。
色んな花や植物と友達になったよ。
旅の時も手を貸してくれるんだ。」
「それは素敵ね。」
「ニナ、大きい亀さんに会ったの初めて!」
「私も会った事ないぞ。ニナは運が良い。」
今や、食卓は笑い声に包まれていた。
運ばれてきた料理を楽しむと同時に子供達がヤンヤヤンヤとお喋りしどうしだ。
「パティ。
食べてる時は喋らないよ。
ナギ。
口にソースがついてるよ。
スコル。ニナにサラダとってあげて。」
イオリが世話を焼くのも微笑ましい。
「良いわね。賑やかでー。
やっぱり、早く子供が欲しいわ。
4人とも頑張りさないね。」
王妃シシリアの激励に若き王族と婚約者達は顔を赤らめた。
「母上!
我々はまだ婚姻を結んでいませんよ!」
王太子ギルバートが苦笑するとシシリアはしたり顔でニヤッとした。
「ご結婚の時期はいつですか?」
イオリの首を傾げるとギルバートが肩を竦めた。
「王族の結婚とは、面倒なものなんだ。
『します』と言って直ぐに出来るものではない。
各方面の根回しや、妃を向かい入れる準備の期間が必要だ。」
「妃の方も王室に入る為に学ぶ事が多いの。
オーブリーはこの3年間、頑張ってくれたのよ。
軍を辞めたわけではないから、とても忙しくしていたの。
私もオーブリーが娘になる事が楽しみよ。」
シシリアが誉めるとオーブリーは微笑みながら頭を下げた。
「しかし、そろそろ時期も考えねばならんな。
ディビットも王城を離れ、新たな公爵になるべく、ココとの婚姻の準備も進めている。
そうだな。
イオリが旅から帰ってきたら、それぞれ婚姻の儀式を行うとしよう。」
国王アルフレッドの宣言に一同が驚きながらも微笑んだ。
「ありがとうございます。
それならば、まずはディビットとココからですね。」
ギルバートが代表して礼を言うとオーブリーとココは顔を合わせると嬉しそうに頷き合った。
「分かりました。
私達も準備を進めます。」
ディビットは念願叶うと決意の顔で頷いた。
しかし、1人ドキドキしたように手を挙げる者がいた。
「・・・あの~。
俺達が帰って来たらって・・・いつになるか分かりませんよ?」
それはプレッシャーだとイオリは申し訳なさそうに眉を下げた。
「分かっている。
天空のドラゴンを探しに行くのだろう。
時間がかかる事も分かっている。
言ったであろう。王家の結婚には時間がかかると。
私とシシリアの結婚も決まってから婚姻まで5年もかかったのだ。
そうだな。2年だ。
それよりは早く帰ってまいれ。」
アルフレッドの言葉にイオリは肩を落とした。
しかし、期待に満ちた婚約者達の顔に否定する言葉がない。
「・・・・はーい。」
渋々といったように返事をするとヒューゴに小突かれた。
イオリは気分を変えようと壁沿いに立っていたハミルトンに視線を向けた。
「なんでございましょう。」
「これ、お土産なんです。
道中で作りました。
デザートに皆さんに出して下さい。」
イオリが腰バックから木箱を取り出すと、シシリアが嬉しそうに立ち上がった。
「まぁ!イオリちゃんのお菓子?
何かしら!?
楽しみだわ。」
ハミルトンは頭を下げるとメイドに指示を出し皿の用意を始めた。
「飴菓子なんです。
フルーツに飴を絡ませだけですが、美味しいですよ。
外は飴がカリカリとして、噛むとフルーツの果肉がジュワッとしています。
みんなにも新しい飴をあげるって言ったろ?」
シシリアだけでなく子供達も大喜びだ。
さぁ、出せ、やれ出せと騒がしい。
キラキラと輝くフルーツ飴は一目で気に入られる事になる。
私達の頭に降ってきたんだよー。」
「あの時はビックリしたよね。
パティなんか『ぎゃー!』って逃げてたもん。」
「そうか、魔の森を散歩な・・・。」
「僕はね。
色んな花や植物と友達になったよ。
旅の時も手を貸してくれるんだ。」
「それは素敵ね。」
「ニナ、大きい亀さんに会ったの初めて!」
「私も会った事ないぞ。ニナは運が良い。」
今や、食卓は笑い声に包まれていた。
運ばれてきた料理を楽しむと同時に子供達がヤンヤヤンヤとお喋りしどうしだ。
「パティ。
食べてる時は喋らないよ。
ナギ。
口にソースがついてるよ。
スコル。ニナにサラダとってあげて。」
イオリが世話を焼くのも微笑ましい。
「良いわね。賑やかでー。
やっぱり、早く子供が欲しいわ。
4人とも頑張りさないね。」
王妃シシリアの激励に若き王族と婚約者達は顔を赤らめた。
「母上!
我々はまだ婚姻を結んでいませんよ!」
王太子ギルバートが苦笑するとシシリアはしたり顔でニヤッとした。
「ご結婚の時期はいつですか?」
イオリの首を傾げるとギルバートが肩を竦めた。
「王族の結婚とは、面倒なものなんだ。
『します』と言って直ぐに出来るものではない。
各方面の根回しや、妃を向かい入れる準備の期間が必要だ。」
「妃の方も王室に入る為に学ぶ事が多いの。
オーブリーはこの3年間、頑張ってくれたのよ。
軍を辞めたわけではないから、とても忙しくしていたの。
私もオーブリーが娘になる事が楽しみよ。」
シシリアが誉めるとオーブリーは微笑みながら頭を下げた。
「しかし、そろそろ時期も考えねばならんな。
ディビットも王城を離れ、新たな公爵になるべく、ココとの婚姻の準備も進めている。
そうだな。
イオリが旅から帰ってきたら、それぞれ婚姻の儀式を行うとしよう。」
国王アルフレッドの宣言に一同が驚きながらも微笑んだ。
「ありがとうございます。
それならば、まずはディビットとココからですね。」
ギルバートが代表して礼を言うとオーブリーとココは顔を合わせると嬉しそうに頷き合った。
「分かりました。
私達も準備を進めます。」
ディビットは念願叶うと決意の顔で頷いた。
しかし、1人ドキドキしたように手を挙げる者がいた。
「・・・あの~。
俺達が帰って来たらって・・・いつになるか分かりませんよ?」
それはプレッシャーだとイオリは申し訳なさそうに眉を下げた。
「分かっている。
天空のドラゴンを探しに行くのだろう。
時間がかかる事も分かっている。
言ったであろう。王家の結婚には時間がかかると。
私とシシリアの結婚も決まってから婚姻まで5年もかかったのだ。
そうだな。2年だ。
それよりは早く帰ってまいれ。」
アルフレッドの言葉にイオリは肩を落とした。
しかし、期待に満ちた婚約者達の顔に否定する言葉がない。
「・・・・はーい。」
渋々といったように返事をするとヒューゴに小突かれた。
イオリは気分を変えようと壁沿いに立っていたハミルトンに視線を向けた。
「なんでございましょう。」
「これ、お土産なんです。
道中で作りました。
デザートに皆さんに出して下さい。」
イオリが腰バックから木箱を取り出すと、シシリアが嬉しそうに立ち上がった。
「まぁ!イオリちゃんのお菓子?
何かしら!?
楽しみだわ。」
ハミルトンは頭を下げるとメイドに指示を出し皿の用意を始めた。
「飴菓子なんです。
フルーツに飴を絡ませだけですが、美味しいですよ。
外は飴がカリカリとして、噛むとフルーツの果肉がジュワッとしています。
みんなにも新しい飴をあげるって言ったろ?」
シシリアだけでなく子供達も大喜びだ。
さぁ、出せ、やれ出せと騒がしい。
キラキラと輝くフルーツ飴は一目で気に入られる事になる。
応援ありがとうございます!
228
お気に入りに追加
9,849
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる