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041:ゴブリンキング

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 ゲーネッツが雄叫びを上げる。

「逃げるという選択肢はない。やるぞ!」

 カイトとアヤさんも頷く。

「おう!」

 とりあえず俺が前に出る。

「一番手。行っていいかな?」

 ゲーネッツが頷く。

「おう。やってやれ!」
「了解!」

 魔力切れが近い。もう2、3発が限度だろう。

「行きます!」

 魔法の発動キーを発する

『炎よ風よ。渦巻き踊り我が敵を消滅せよ。ファイアトルネード!』

 ゴブリンキングを起点に魔法が発動した。すると中心にいたゴブリンキングが悲鳴を上げる。

「ぎぃやあああああああ!」

 おぞましい悲鳴が辺りに響き渡る。アヤさんがドン引きだ。

「ずいぶんとエグい魔法ね」

 ゲーネッツが高笑い。

「だーはっはっは。よし。逃げ延びて散った雑魚どもは俺たちに任せろ。ゴブリンキングは足止めしといてくれ!」

 そう叫んで三人が、前に出て散り散りになったゴブリンを狩り始めた。俺はゴブリンキングの様子を見ていたが、どうやらまだ生きているらしい。魔法の効果が終わりかけの頃に更にもう一度。発動キーを詠唱する。

『炎よ風よ。渦巻き踊り我が敵を消滅せよ。ファイアトルネード!』

 さらなる悲鳴。えげつないにも程がある。でもまぁ安全にいきたいしね。

 魔法の効果が終わり、熱風の中から出てきたのは大ダメージを負ったゴブリンキングだ。

 というかこれだけの魔法を2回くらっても生きてるって、どんだけ魔法抵抗値が高いんだよ。

 それでもゴブリンキングのダメージは大きかったようだ。もうヨロヨロのフラフラだ。そして俺も魔力切れで頭がふらふらする。

 ゲーネッツの方へ叫ぶ。

「魔力が切れたよゲーネッツ。これ以上は無理だ!」

 するとゲーネッツ。

「充分だ! あとは任せろ!」

 そう言ってカイトとアヤさんを連れて瀕死のゴブリンキングに向かっていったのだった。だがゴブリンキングも生存本能かプライドか。最後の抵抗を始めたようだ。

 3人の冒険者を相手に大立ち回りをしている。

 まだあれだけ動けたのか……

 凄いな。

 しかし、やはりダメージは大きかったようで次第に動きが鈍りだして、最後はカイトさんに首を切られてゴブリンキングは大の字で後ろに倒れ地に伏せたのだった。
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