236 / 304
第8章 彼女と空
・
しおりを挟む
「あれ?廉くんと百々ちゃんまた不思議な距離感だね」
お風呂から上がってきた直人さんが突っ込んでくれたんだけど、百々は離れてくれない。
それどころか腕にしがみついてきて、俺は直人さんに空君が夢で伝えてくれたぬいぐるみあったよ!って伝えたいのに伝えられなくてもどかしい。
「廉ちゃん。直人さんにお話ししたいことがあるんでしょ?」
「うん!」
「あれ?珍しいね!元気な声だ。」
そんなにいつもと違うのかな?
「これ!!」
「あれ・・・?それ、昔翔が空からもらってなくしてたぬいぐるみ・・・。」
「あら翔君なくしてたの?」
「うん、空が小学校の時の修学旅行でお揃いで買ってきたみたいで。空の分は空がなくなった後に翔が部屋に持っていったのは知ってるけど、何年か前になくしたって言ってたんだよね。あんまり物なくすことない翔が珍しいとは思ってたんだけど・・・。それにしても廉くんの部屋ってリフォームしたのにそんなことあるんだね。」
確かに・・・。俺と百々の部屋は俺たちが引っ越してくる前に確かにリフォームされてた。
ってことは、この人形は空君が移動させたのかな?
「不思議だね・・・。」
百々が俺の握っている人形をじっと見つめる。
心なしか気まずそうに見える人形。
「廉ちゃんぬいぐるみがいっぱいね。」
そう言って何も疑わない母親。
「そうだ!空君の代わりならお洋服とかあったほうがいいよね!たくさん買う!」
「百々は勉強があるでしょ。」
「それくらい息抜き中にできるもん・・・。」
「百々ちゃん、文が作れるからどんなのがいいか案だけくれる?」
2階から降りてきた翔さんが途中から聞いていたのか百々がはぶてないようにしてくれた。
「わかった。」
「で、なんのお洋服なの?」
あ、そこは聞こえてなかったんだ。
「廉くんが夢で空が言っていたぬいぐるみを見つけたらしいんだ。」
「まじで!?どこにあったの?」
「クローゼットの中の隅っこ。」
「あれ?でもリフォームしたよね。それにそのぬいぐるみ。」
「だろ?だからきっと空が本当に廉くんに渡したかったんだろうね。そのぬいぐるみ。」
「俺が廉くんたちが引っ越す前に掃除した時はなかったのに・・・。」
「翔さん・・・これ俺がもらっちゃダメ?」
「ううん、いいよ。これは空が廉くんにあげたかったんだろうからね。お洋服、文に作ってもらうように頼んでおくね。」
「うん。」
「廉くんよかったね。」
「うん!!」
「さ、おせち食べましょ。」
「百々頑張ったよ!」
「伊達巻たまご初めて作ったのよね。」
百々は伊達巻たまごと紅白かまぼこを切ったりしたらしい。
あとはお雑煮。
「百々、ありがとう。」
「ママ・・・。やっぱり今日の廉ちゃん変・・・。」
「百々ちゃん、変って廉ちゃんが可愛そうよ。」
お風呂から上がってきた直人さんが突っ込んでくれたんだけど、百々は離れてくれない。
それどころか腕にしがみついてきて、俺は直人さんに空君が夢で伝えてくれたぬいぐるみあったよ!って伝えたいのに伝えられなくてもどかしい。
「廉ちゃん。直人さんにお話ししたいことがあるんでしょ?」
「うん!」
「あれ?珍しいね!元気な声だ。」
そんなにいつもと違うのかな?
「これ!!」
「あれ・・・?それ、昔翔が空からもらってなくしてたぬいぐるみ・・・。」
「あら翔君なくしてたの?」
「うん、空が小学校の時の修学旅行でお揃いで買ってきたみたいで。空の分は空がなくなった後に翔が部屋に持っていったのは知ってるけど、何年か前になくしたって言ってたんだよね。あんまり物なくすことない翔が珍しいとは思ってたんだけど・・・。それにしても廉くんの部屋ってリフォームしたのにそんなことあるんだね。」
確かに・・・。俺と百々の部屋は俺たちが引っ越してくる前に確かにリフォームされてた。
ってことは、この人形は空君が移動させたのかな?
「不思議だね・・・。」
百々が俺の握っている人形をじっと見つめる。
心なしか気まずそうに見える人形。
「廉ちゃんぬいぐるみがいっぱいね。」
そう言って何も疑わない母親。
「そうだ!空君の代わりならお洋服とかあったほうがいいよね!たくさん買う!」
「百々は勉強があるでしょ。」
「それくらい息抜き中にできるもん・・・。」
「百々ちゃん、文が作れるからどんなのがいいか案だけくれる?」
2階から降りてきた翔さんが途中から聞いていたのか百々がはぶてないようにしてくれた。
「わかった。」
「で、なんのお洋服なの?」
あ、そこは聞こえてなかったんだ。
「廉くんが夢で空が言っていたぬいぐるみを見つけたらしいんだ。」
「まじで!?どこにあったの?」
「クローゼットの中の隅っこ。」
「あれ?でもリフォームしたよね。それにそのぬいぐるみ。」
「だろ?だからきっと空が本当に廉くんに渡したかったんだろうね。そのぬいぐるみ。」
「俺が廉くんたちが引っ越す前に掃除した時はなかったのに・・・。」
「翔さん・・・これ俺がもらっちゃダメ?」
「ううん、いいよ。これは空が廉くんにあげたかったんだろうからね。お洋服、文に作ってもらうように頼んでおくね。」
「うん。」
「廉くんよかったね。」
「うん!!」
「さ、おせち食べましょ。」
「百々頑張ったよ!」
「伊達巻たまご初めて作ったのよね。」
百々は伊達巻たまごと紅白かまぼこを切ったりしたらしい。
あとはお雑煮。
「百々、ありがとう。」
「ママ・・・。やっぱり今日の廉ちゃん変・・・。」
「百々ちゃん、変って廉ちゃんが可愛そうよ。」
11
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ご飯を食べて異世界に行こう
compo
ライト文芸
会社が潰れた…
僅かばかりの退職金を貰ったけど、独身寮を追い出される事になった僕は、貯金と失業手当を片手に新たな旅に出る事にしよう。
僕には生まれつき、物理的にあり得ない異能を身につけている。
異能を持って、旅する先は…。
「異世界」じゃないよ。
日本だよ。日本には変わりないよ。
『 ゆりかご 』 ◉諸事情で非公開予定ですが読んでくださる方がいらっしゃるのでもう少しこのままにしておきます。
設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。
最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで
くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。
古い作品ですが、有難いことです。😇
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
・・・・・・・・・・
💛イラストはAI生成画像自作

推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

転生したら弟がブラコン重傷者でした!!!
Lynne
BL
俺の名前は佐々木塁、元高校生だ。俺は、ある日学校に行く途中、トラックに轢かれて死んでしまった...。
pixivの方でも、作品投稿始めました!
名前やアイコンは変わりません
主にアルファポリスで投稿するため、更新はアルファポリスのほうが早いと思います!
希望が丘駅前商店街~透明人間の憂鬱~
白い黒猫
ライト文芸
ここは東京郊外松平市にある希望が丘駅前商店街、通称【ゆうYOU ミラーじゅ希望ヶ丘】。
国会議員の重光幸太郎先生の膝元であるこの土地にある商店街は、パワフルで個性的な人が多く明るく元気な街。就職浪人になりJazzBarを経営する伯父の元で就職活動をしながら働く事になった東明(とうめい)透(ゆき)は、商店街のある仕事を担当する事になり……。
※ 鏡野ゆうさんの『政治家の嫁は秘書様』に出てくる商店街が物語を飛び出し、仲良し作家さんの活動スポットとなってしまいました。その為に同じ商店街に住む他の作家さんのキャラクターが数多く物語の中で登場して活躍しています。鏡野ゆうさん及び、登場する作家さんの許可を得て創作させて頂いております。
コラボ作品はコチラとなっています。
【政治家の嫁は秘書様】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/210140744/354151981
【希望が丘駅前商店街 in 『居酒屋とうてつ』とその周辺の人々 】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/274274583/188152339
【日々是好日、希望が丘駅前商店街-神神飯店エソ、オソオセヨ(にいらっしゃいませ)】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/177101198/505152232
【希望が丘駅前商店街~看板娘は招き猫?喫茶トムトム元気に開店中~】
https://ncode.syosetu.com/n7423cb/
【希望が丘駅前商店街 ―姉さん。篠宮酒店は、今日も平常運転です。―】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/172101828/491152376
【Blue Mallowへようこそ~希望が丘駅前商店街】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/265100205/427152271
【希望が丘駅前商店街~透明人間の憂鬱~】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/265100205/427152271
【希望が丘駅前商店街~黒猫のスキャット~】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/265100205/813152283
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる