嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第五章 ハタチ

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「廉くん、少しゆっくりしたら露天風呂入るよ~」
百々と母親は我慢できず早速駅に向かったらしい。
ついでに観光もしてくるんだってさ。
俺はベッドでまったりコロコロ。
さっき買ってもらったお土産を見たりスマホで動画見たり、本読んだりしてる。
京都に着てまで何してるんだろう、とは自覚してるんだけどね。
お土産は京都のお菓子が中心なんだけど、振ったらできるお抹茶とか言うのも買ってもらった。
振ったらおいしいお抹茶できるのかな・・・と興味深げに見ていると「作ってみる?」と直人さんに声をかけられた。
顔をあげるとニコッと笑ってる。
「・・・・」
「手洗いせっけんだけどチャチャッとゆすげば使えるよ。」
「・・・・いいの?」
「うん、ほら向こうに行こう。」
翔さんは少し寝てるみたいで微動だにせず。
「はい。粉入れて振ってごらん」
少しだけ粉を入れてお湯を注いで振ってみる。
「お、お抹茶みたいになってきたんじゃない?」
おぉ!!!確かに振ればふるほどお抹茶みたいになってきた!
「もういいかもよ。飲んでごらん?」
一口飲むと、お抹茶の味がした。直人さんにもカップを渡して、飲んでみて?と首をかしげると一口飲んでおいしいといっていた。
「これいいね。隣のおばあちゃんに買って帰ろうかな。」
抹茶を飲んでまた布団に戻る。
結局良い部屋に泊まってもこれなんだよね。
ベッドの住人。
今のところ人にあまり出会ってないので、怖さもない。
「廉くん、お風呂のグッズ出しとくよ。」
直人さんがすべて身の回りの世話をしてくれてるんだけど、ほっといてくれてもやるんだけどなと思いながら、小さい声でありがとうを伝えた。
「翔~?そろそろ起きときなさい?お風呂一緒に入るんだろ?」
「ん・・・」
翔さんが起こされてる声が聞こえた。
「廉くん起きてるよ。もう16時だし、16時半には入るよ。」
「うん。もうそんな時間か。」
「翔、お前も疲れてるな」
そう言って直人さんが翔さんに笑いかける。
「まぁね。一応社会人なんでいろいろあるんです。」
「あらそ。そういえば、文くんたちにお土産買わなくていいのか?」
「あー、今夜か明日買っとくよ。あいつらは定番でいいんだよ。」
「車の中荷物だらけになりそうだな。」
「だね。」
「廉くん、どうする?もう入る?」
まだ10分だよ。まだ・・・と思いを込めて首を振る。
「百々ちゃんたちが帰るまでには入ってたいから30分には入ろうね。」
「うん・・・。」
直人さん、旅行に来てから顔緩みっぱなしだけど大丈夫かな?
ずーっとニコニコしてる。
翔さんと直人さんにとっても家族旅行って久々だろうからうれしいのかもな。
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