嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第五章 ハタチ

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「あー、これ。京都と言ったら八つ橋は買わなきゃね!!」
「チョコかかってるやつあるよ!」
「へー。今はこんなバリエーション増えたんだね。」
「廉くん、なんかほしいのあった?」
翔さんに言われてぼーっとしてた視線をお土産たちに移す。
「・・・あ。」
バウムクーヘンの有名なお菓子が目に入った。
「ん?これ?これおいしいらしいね。今日のおやつに食べる?」
「・・・」
今日のお菓子かぁ・・・。バウムクーヘン今入らないな。
「今は入らなくても、少し時間が経てば入るかもだし、お家に帰ってから食べてもいいんだから買っておこうか。」
そう言って翔さんがカゴに三つ入れた。
何で三つ何だろう?
「あはは。気になった?一つはお隣のじいちゃんとばあちゃんに。この前もだけど助けてもらってること結構あるからさ。もう一つは百々ちゃんと百合さん。二人とも好きそうだから廉くん食べる前に食べられちゃうよ。最後が俺達男三人の。」
そういうことか。確かに百々と母親はこういうの好きだな。
「これは?」
そう言ってお香を見せてきた。
「お部屋でこういうのたくとリラックスするとか言うよ。」
・・・・。火事が心配だから却下。
首を振るとそっか。と元の場所に戻す。
「翔、お漬物明日買うかい?」
「そうだね。廉くんの調子が安定してたら少しだけ近所回ってみるつもりだからそこで買うよ。」
「わかった。父さん大根のお漬物がほしいな。」
「買っとく。後は買うものある?」
「百々、化粧品買いに行きたい!」
「化粧品か。駅とかにありそう?」
「うん、たぶんあったはず。」
「なら今夜京都タワー行こうと思ってるから、その前に買いに行く?」
「京都タワー行くの!?」
「廉くんは体調見て決めようね。人はあんまりいない時間に行くつもりだけど。」
京都タワーか・・・行ったことないなぁ。
メンタルとは言わずに体調って言ってくれる直人さんと翔さん。
さすが医師免許あるだけあるな。
「百々ちゃん、駅はママと行く?ママもほしいものがあるから。」
「うん!」
「じゃぁ男三人ゆっくりしようか。」
「だね。」
翔さんたちは他に回りたいところはないのだろうか。
俺は一人でここに留守番できるし・・・。
「廉くん、温泉楽しもうね。」
「旅館でゆっくり露天風呂なんて贅沢だなぁ」
そう言って二人は俺が気にしないように言ってくれる。
「三人で入るのは初めてだな。」
うげ。三人で入るのか。なんだか気まずいな。
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