嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第五章 ハタチ

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「はぁ~きもちいい」
きっちり16時30分に入浴となり、背中を押されて三人で部屋についている露天風呂に入った。
二人ともすっかり温泉の気持ちよさにとろけている。
「廉くんはあんまり長風呂しすぎないようにね。痩せてるからのぼせるのも早いから」
そんなのあんまり聞かないけどね。と思いながら目を瞑って入浴していた。

気づいたら寝ていたようで・・・・
「廉くん出ようね。」
と翔さんに言われてふらふらしながら脱衣場へ。
「嫌な予感はしたけど寝ちゃってたの気づいたときは冷や汗出たよ。」
「ほら、スポーツドリンク飲んで。首冷たいタオルで冷やすよ」
どこに行っても結局迷惑をかけてしまうのが俺。
シュンとしていると、「次気を付けたらいいんだよ」と言ってお風呂から出ると布団に横になるように言われる。
「軽いのぼせだから大丈夫だよ。30分くらいで戻るはず。」
冷たいタオルは冷たすぎない温度で気持ちいって感じるくらい。
「寝てるから・・・。露天風呂もう一回入ってきてだいじょうぶだよ。」
「気にしなくていいんだよ?露天風呂は部屋についているから夜でも入れるし。」
「・・・・。」
「気になる?」
「・・・・うん」
「じゃぁ、僕が露天風呂入ってくるから翔にその間見てもらってて?交代で入るよ。」
「一緒に入ってきて・・・。」
親子水入らずでたまには楽しむのもいいと思うんだ。
「わかったよ」
「翔?」
「廉くん気になっちゃうもんね。じゃぁその間ちゃんと寝ててね?」
「うん」
「ってことで、親父入るぞ。ゆっくり。」
「ほー。翔にしては珍しい判断だな。廉くん、水分ちゃんと取るんだよ?」
「うん」
一人になり、目を瞑る。
少し体が暑くて寝苦しいけど、目を瞑って19年間を振り返ってみた。
いろんなことがあったなと改めて思うけど、母親はずっとあのままだったな。となんだか思いだしても笑える。
母親の突拍子もない思い付きや行動で色々と目まぐるしく日常が変わって、でもなんか苦じゃなかったかもな。
直人さんと翔さんという新しい父親と兄と出会えて何だかんだうれしかったし。
色々思いだしてたらウトウトしてきた。
「おやすみなさい・・・」


そのころ、翔と直人はそわそわしながら露天風呂に入浴していた。
「あー、大丈夫かな!?」
「翔、気になるなら出ればいいだろ?」
「だって早く出たら廉くん気にするじゃん。」
「廉くんは気にしいな性格だからね。」
「そうそう。気にしなくていいこと気にするんだもん。」
「いい子だよね。」
「だから心が弱い面もあるんだけどね。」
「確かに。」
「1時間たったら上がろう。」
「うん。廉くん、今日お酒いけるかな?」
「うーん一口だけならいいんじゃないか?」
「ビール?」
「日本酒もありだけど・・・。まずは3%のチューハイでいいんじゃないか?」
「ビールもいいけどなぁ~」
「ワインは今日は辞めたほうがいいな。」
「親父たちじゃないんだから」
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