嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第1章 はじめまして。家族になった日

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「百々はわかってるよ、廉ちゃんにとっては急な再婚だったし、バイトだって勝手に辞めさせられたし、モデルの話だって急だし、いきなりたくさんのことが嵐のように巻き起こってついていけないでしょ?」
「うん...」
「ママの幸せのために直人さんや翔さんと仲良くしなきゃって思いもある。でも、男性の家族になると廉ちゃんにとってはトラウマ蘇ってしまうからどう接していいかわかんないよね。」
「うん...」
「お話してみよ?過去のことも。」
「え...」
「廉ちゃんの事知ってもらった方がさ、お互いに変な壁無くせるから。廉ちゃん、頑張ってみよ?もう再婚しちゃったらどの道家族になる。そうなったら、仲良くしといた方が楽だよ。」
「...百々、俺さ、もし話してもトラウマに勝てなかったらここ出て行こうかな...。
俺がいたら、みんなが新しいスタートきれない…。」
「廉ちゃん、たぶん残念だけどそれはあの2人が許さないと思う。廉ちゃんがこの家を出て行く日は結婚しかないと思うよ。」
百々って時々、変に悟りが良い時があるからそうなのかもしれない。
「どうして?」
「んー、空くんを失った事が関係してると思うよ。家族と離れるって事が2人にはトラウマなんだよ。あと百々もママも廉ちゃんに一人暮らしは無理だと思う。」
「それはやってみなきゃわかんないじゃん。」
「わかるよ。」
「...今日の百々はなんか意地悪。」
「意地悪ねー。じゃあ、廉ちゃん1人になってもいいの?百々が翔さんたちと先に仲良くなったら1人だよ?」
「...嫌い。今日の百々。」
「はぁ...。どうするの?話すの?話さないの?」
「...。」
「百々、外出してくるね。廉ちゃん熱下がったし。」
「...。」
食べたものを持って部屋を出て行った百々。

「1人にしないで...」


男性が苦手というより、怒る男性が苦手な俺。
一度怒鳴られてしまったから、体が覚えてしまってきっと会ったらまた発作になる。
「やっぱり出て行くしかないのかな...」
百々は直人さんと母親が再婚したから看護師目指す事は可能だから、俺がバイトしなくても看護大学には勉強さえ頑張れば入れるだろう。
俺はきっと直人さんにも翔さんにも馴染むことは厳しいと思う。
年齢だってもうすぐ20歳だ。
自立しても当たり前の年齢。
今俺がここにいてプラスになる要素がわからなかった。
「こうするしかないよな。またバイト、自分のために頑張ろう。」
俺は少し重たい体でスマホも持たずに大学のものと、服を少しと通帳をキャリーバッグ にいれて家を出た。


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