嵐は突然やってくる

白うさぎ

文字の大きさ
上 下
15 / 312
第1章 はじめまして。家族になった日

しおりを挟む
リビングは部屋とは違いモダンなグレーにダウンライト、床は大理石...
次元がいきなり違いすぎなんだよ...
「さ、始めましょう」
「廉くん百々ちゃん、白山家へようこそ。乾杯」
「「かんぱーい」」
「「...」」
「もぉ~。廉ちゃん、百々ちゃん?」
「「...」」
「大丈夫だよ、百合さん。二人にいきなり家族に認めて仲良くしろなんて酷なことは言わないし思ってないよ。再婚はあくまで私たちの勝手だし。だから、廉くんも百々ちゃんも無理しなくていいんだからね。無理してストレスで倒れたら大変だ。」
「俺は早く仲良くしたいけどな~」
「翔くんは二人に興味津々ね!」
「もちろん!こんな可愛い弟と妹ができて、俺は二人に感謝しかないよ!」
お寿司を食べながら百々とため息をついた。
母親と直人さんから婚姻届の証人にサインしてほしいと言われ、これは仕方なくサインした。
フルーツがたくさん乗ったケーキを食べ、
百々と二人で部屋に戻った。

「廉ちゃん、夜ふかしといえばお菓子がないとね!」
「それは、コンビニ行こうよって事?」
「話が早い!!さすが!」
「でも、今22時だよ?」
「こっそり出たら大丈夫だよ」
「鍵は?」
「ママから入手した!」
「母さんは知ってるの?」
「ううん」
「嫌な予感するけどなー」
「でも、コンビニ徒歩5分だし、すぐ戻れば大丈夫だよ!」
「はぁ」
「お願い」
「もー。」
結局可愛い妹には勝てず...

二人で息を殺して階段を降りて、玄関を出る。
鍵をカチャリと最低限の音に留めて抜け出しに成功。


コンビニについて、百々がお菓子を選ぶのを隣でスマホを見ながら待つ。
「百々、選んだ?」
「廉ちゃんアイスは?」
「えー、お風呂先入らなきゃだから溶けちゃうじゃん。」
「そっか...じゃあ、プリンにしよ!」
「はい、カゴに入れて。」
「ありがとう!」
「あと、炭酸と廉ちゃんお水?」
「水はなんか部屋にウォーターサーバーの小さいのあったからいいや。」
「百々の部屋にはなかったから、廉ちゃん脱水対策されてるね」
苦笑いしながら会計へ向かい、支払いを済ませて外へ出た。

「こんな時間に二人でコソコソどこ行ってんの?」
「「あ...」」
そこには車に寄りかかりながらこちらを見る翔さんがいた。
「べ、別に勝手でしょ、俺たちの。」
「誰かに言って出た?」
「「...」」
「とりあえず乗って。家帰るよ。」
怒気を含んだ声にびくつく俺と、腕にしがみつく百々。
これ以上怒らせるのはヤバそうだと判断し後部座席に乗った。
てかたった5分くらい徒歩で...
黙っておくけど。


家について、車を降りて家に今度は堂々と鍵を開けて入る。
母親が誰かしらくらいのテンションでヒョコっと覗いた。
「あら?出かけてたの?おかえりなさい」
「...ただいま」
靴を揃えてスリッパを履くと後ろから来た翔さんに腕を掴まれ2階の俺の部屋に百々と二人で入れられた。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

『 ゆりかご 』  ◉諸事情で非公開予定ですが読んでくださる方がいらっしゃるのでもう少しこのままにしておきます。

設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。 最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。 古い作品ですが、有難いことです。😇       - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - " 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始 の加筆修正有版になります。 2022.7.30 再掲載          ・・・・・・・・・・・  夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・  その後で私に残されたものは・・。            ・・・・・・・・・・ 💛イラストはAI生成画像自作  

荒川ハツコイ物語~宇宙から来た少女と過ごした小学生最後の夏休み~

釈 余白(しやく)
ライト文芸
 今より少し前の時代には、子供らが荒川土手に集まって遊ぶのは当たり前だったらしい。野球をしたり凧揚げをしたり釣りをしたり、時には決闘したり下級生の自転車練習に付き合ったりと様々だ。  そんな話を親から聞かされながら育ったせいなのか、僕らの遊び場はもっぱら荒川土手だった。もちろん小学生最後となる六年生の夏休みもいつもと変わらず、いつものように幼馴染で集まってありきたりの遊びに精を出す毎日である。  そして今日は鯉釣りの予定だ。今まで一度も釣り上げたことのない鯉を小学生のうちに釣り上げるのが僕、田口暦(たぐち こよみ)の目標だった。  今日こそはと強い意気込みで釣りを始めた僕だったが、初めての鯉と出会う前に自分を宇宙人だと言う女子、ミクに出会い一目で恋に落ちてしまった。だが夏休みが終わるころには自分の星へ帰ってしまうと言う。  かくして小学生最後の夏休みは、彼女が帰る前に何でもいいから忘れられないくらいの思い出を作り、特別なものにするという目的が最優先となったのだった。  はたして初めての鯉と初めての恋の両方を成就させることができるのだろうか。

「今日でやめます」

悠里
ライト文芸
ウエブデザイン会社勤務。二十七才。 ある日突然届いた、祖母からのメッセージは。 「もうすぐ死ぬみたい」 ――――幼い頃に過ごした田舎に、戻ることを決めた。

十年目の結婚記念日

あさの紅茶
ライト文芸
結婚して十年目。 特別なことはなにもしない。 だけどふと思い立った妻は手紙をしたためることに……。 妻と夫の愛する気持ち。 短編です。 ********** このお話は他のサイトにも掲載しています

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

処理中です...