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第二章
今更ではありますが
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二人きりで話をしたくて、エマに修道院に来て貰えないかお願いした。殿下達がいたので、理由は話せなかったが――何か感じてくれたのかエマは頷いて週末、学園の休みの日に来てくれると約束してくれた。
そして、週末。エマが寄り添い部屋に来てくれて二人きりになったところで、いつものように日本語で私は話を切り出した。
……エマに聞きたかったのは、この世界にミサンガがあるかどうかだ。
「ありませんね……そうなると、やっぱり私達と同じ転生者ですよね」
「そうね……そして、赤ってことは」
「ええ」
私がそこで言葉を切り、エマを見ると――エマも私が言いたいことが解ったのか、真っ直ぐに見返してきて頷いた。
(アリアは、脳筋を推している)
だが、今の一年生の女生徒は脳筋とアリアをそれぞれ推し、表立ってではないが自分の推しが一番と対立している。その旗頭であるアリアが、脳筋に好意を持っているとなると。
「……女生徒達の対立が、悪化しそうですよね」
「そうよね……多分、彼女が推し色グッズを隠して使っているのは、バレて面倒なことにならないようによね」
エマと私はそう言って、ため息をついた。救いはアリアが、ネット小説のキャラのように空気を読まない脳内お花畑ではなかったことだが――推しとの対立に、心を痛めているのではないだろうか?
「どうしましょう。すでにユリウス様の婚約者なので、私は彼女とは接点がないですし」
「……私が、次の出勤の時に話をしてみるわ。信用して貰うのに、場合によっては転生者だってことを話すつもり」
「そうですか……あ、もし聞かれたらわたしも転生者だって伝えていいですよ?」
「いいの?」
「ええ。エドガー様を推してるのなら、わたしと同じようにとぅるらぶをやってたと思いますし」
言われてみれば、私と違って乙女ゲームのプレイヤーの可能性が高い。だとしたら、エマが学園入学前にすでに殿下と婚約していることと、悪役令嬢である筈の私が修道院にいることで、私達と同じように転生者だと疑っているだろう。
(と言うか逆に、どうしてプレイヤーでも何でもない私が、この異世界に転生したのかしら?)
エマだけではなくアリアまでプレイヤーとなると、理由を考えずにはいられない。神から何か使命を下されるようなことは、私もなかったしエマに聞いてもなかったそうだ。
(きっと、私と会う為よ)
(イザベル……)
そんな私に、現世の私はそう言ってくれた。
初めて会った時は、前世の私に怒って、拒絶しようとしたくらいなのに――だからこそ嬉しくて、私は現世の私にお礼を言った。
(ええ、そうね……ありがとう、イザベル!)
そして、週末。エマが寄り添い部屋に来てくれて二人きりになったところで、いつものように日本語で私は話を切り出した。
……エマに聞きたかったのは、この世界にミサンガがあるかどうかだ。
「ありませんね……そうなると、やっぱり私達と同じ転生者ですよね」
「そうね……そして、赤ってことは」
「ええ」
私がそこで言葉を切り、エマを見ると――エマも私が言いたいことが解ったのか、真っ直ぐに見返してきて頷いた。
(アリアは、脳筋を推している)
だが、今の一年生の女生徒は脳筋とアリアをそれぞれ推し、表立ってではないが自分の推しが一番と対立している。その旗頭であるアリアが、脳筋に好意を持っているとなると。
「……女生徒達の対立が、悪化しそうですよね」
「そうよね……多分、彼女が推し色グッズを隠して使っているのは、バレて面倒なことにならないようによね」
エマと私はそう言って、ため息をついた。救いはアリアが、ネット小説のキャラのように空気を読まない脳内お花畑ではなかったことだが――推しとの対立に、心を痛めているのではないだろうか?
「どうしましょう。すでにユリウス様の婚約者なので、私は彼女とは接点がないですし」
「……私が、次の出勤の時に話をしてみるわ。信用して貰うのに、場合によっては転生者だってことを話すつもり」
「そうですか……あ、もし聞かれたらわたしも転生者だって伝えていいですよ?」
「いいの?」
「ええ。エドガー様を推してるのなら、わたしと同じようにとぅるらぶをやってたと思いますし」
言われてみれば、私と違って乙女ゲームのプレイヤーの可能性が高い。だとしたら、エマが学園入学前にすでに殿下と婚約していることと、悪役令嬢である筈の私が修道院にいることで、私達と同じように転生者だと疑っているだろう。
(と言うか逆に、どうしてプレイヤーでも何でもない私が、この異世界に転生したのかしら?)
エマだけではなくアリアまでプレイヤーとなると、理由を考えずにはいられない。神から何か使命を下されるようなことは、私もなかったしエマに聞いてもなかったそうだ。
(きっと、私と会う為よ)
(イザベル……)
そんな私に、現世の私はそう言ってくれた。
初めて会った時は、前世の私に怒って、拒絶しようとしたくらいなのに――だからこそ嬉しくて、私は現世の私にお礼を言った。
(ええ、そうね……ありがとう、イザベル!)
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