飼い猫はご主人を食べる

紫蘇

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箱庭でのせいかつ

ご主人と一緒 sideボタン

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俺たちは縁側で転がるご主人の体をつつく。

結構際どい所をつついているのに、反応が薄い…
大丈夫かなぁ。

あまりに反応が薄いので悪戯心が湧いたのか、フクは大胆にもご主人の右の胸のを服の上から噛んだ。

「あっ、フク!」

うひゃ、と言ってご主人は正気に戻った。

「ご主人、混乱しているのか」
「うん、すごすぎてすごい」
「何だそれ!」
「ねえ嬉しい?ここに住めるの嬉しい?」

俺たちの言葉に、ご主人は言った。

「嬉しいに決まってるよ!
 フクやボタンやスミと暮らせるだけでも嬉しいのに、ずっと憧れてた畑に、田んぼに、里山…。
 素敵なお屋敷にお庭に、露天風呂まで…!」

ご主人も、俺らと一緒ならどこだって良いみたいだ。
やっぱ俺たちとご主人は相思相愛だな!
俺はとても気分が良くなった。

「今日の晩飯は豪華だぞ、期待してろよご主人!」

そう言ってご主人の唇にキスをした。
キスしたついでにペロペロ舐めた。
こら、ボタン!って言いながら嬉しそうにするご主人にテンションが上がった。

普通の猫なら、飼い主とこんな風にコミュニケーションをとったりすることは稀だろう。
変わった猫だなとご主人も思っていただろうが、俺たちにはこれが必要なのだ。

今から飯も作らなきゃだし!

もうちょっとだけキスしとこ。

「なあに、ボタンったら、甘えてるの?」
「うん、ご主人から元気もらってる」
「そうなの?僕もとっても癒されるよ」

そういって、今度はご主人からキスしてくれる。
やっぱり俺とご主人は相思相愛なんだな。


「お前ばかりずるいのではないか?」
「そーだそーだ!」

フクとスミが抗議する。

「どしたの、フクとスミもチューしたいの?」
「したい」
「したーい!」
「ダメー」

俺はご主人にしがみついてもう一度キスをした。
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