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向かえ!大団円
早朝、石碑まで
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昨日晩飯も食べずにセックスして、早朝。
「…自分で、食べられます」
「ああ。そうだな…あ~~ん」
「……」
朝から美形王子様に給餌される俺。
これがルームサービスじゃなかったら恥ずか死んでる…
「…はむ」
「ふふ、可愛い…あ~~ん」
「…はむ」
「ふふふっ…可愛い」
正面に座って蕩ける様な笑顔のダリル様に、最早反論する気も起きない…あっ、そうだ!
「ほら、ダリル様も!あ~~ん」
「…はむっ」
「ふふっ…確かに、癖になりそう…
はい、あ~~ん」
「…では、ロンバードも」
朝からお互いに謎の食べさせあい合戦。
早く食べて石碑に行かないといけないのに…
「ふふ」
「ふふふっ」
何だか、楽しくてやめられないまま…
最後のデザートまで、食べさせあいっこは続いてしまった。
・
・
・
そうしてちんたら朝飯を食っていた割には、ヨークさんとレドモンド君との集合時間に間に合い、ダリル様も一緒に馬車へ乗り込み石碑へ。
「そういえば、ここまではどうやってお越しに?」
「ああ、お祖父様が箒で送ってくれた」
「えっ、西の公爵様が!?」
「うむ、ギゼル殿の娘に会いに来ていたのでな、ついでに」
「いやついでの距離じゃなさすぎません…?」
カリーナ様のお父上である西の公爵様は、この国で2番目の権力者であり一流の魔術師…なんだけど、カリーナ様と孫2人には甘々なおじいちゃんだ。
だからダリル様が頼めば二つ返事で大抵の事をOKしてしまう…
「間違った事には拳骨が降って来るがな」
「そうでなきゃ国王陛下の次に偉い人なんか務まらんでしょう」
「ああ、カリーナ王妃陛下をあのように立派な方にお育てになられたのだから、相当の人格者でいらっしゃる事は間違いなかろう」
奥様が急逝され、男手ひとつでカリーナ様をお育てになられた西の公爵様。
人望が厚く、仁義に熱く…
「何で西の公爵様が王様じゃなかったんだろう」
「そもそも2代前の王の弟の子だからな…
お、あれが石碑か?」
「ええ、広域結界用魔力集積回路です」
話しているうちに森へ着いた。
遠目に見る石碑は、以前応急処置をした時とそれほど変わらないように見える…
だからこそ、念入りに調べないと!
「よし…やるぞ!」
***
「うーん…」
応急処置の仕方が悪かったのか…と思いつつ、微弱な魔力を回路盤に流す。
石はしっかりと地面に固定されているけど、蔦で角度がズレたのかもしれない…
「うーん…」
南の石碑方面へ広がる結界を展開している魔力に乱れがある。
その原因を探らないといけない。
「もしかしたら、問題は回路じゃない…?」
広域結界用魔力集積回路は土地の魔力を利用して「魔物除け」を展開している。
その魔力自体に何かがあったとしたら…。
卵を割られたグリフォンのつがい…
一羽は討伐され、もう一羽は東へ飛んだ。
東へ飛んだグリフォンは、結界を破ったグリフォンと同じ個体だろうか?
「いや、同じ個体かどうかは関係ない」
東の森へ飛んだ。
東の森には竜がいる。
羽根が生えていて空を飛ぶ、典型的な竜…
「ヨークさん、東の竜の話!覚えてます?」
「ん、ああ…確か、火を吐いたり、凍るほど冷たい息を吐いたり、風の塊を飛ばしてきたり…」
そう、東の竜は攻撃パターンが豊富だ。
「何よりこんなデカいのに空飛ぶのか、って」
そう、空を飛ぶ。
そして、東の竜と戦った魔術師は…
空を飛ぶ魔法を思いつく。
地竜のサンドブレスは、能力だ。
火竜のファイアブレスも、能力だ。
だけど…
「もしかして、東の竜は…魔法を使う?」
…この推測が正しいとするならば。
これがもう一つの推測と繋がるならば。
「…グリフォンと竜が、意思疎通できるとしたら」
そうだ、どうして小型魔物が先頭、大型魔物が後方になって攻めて来るんだ?
南の石碑の時だって、火竜の前に小型・中型の魔物がいて…。
南東の農場から一番近いあの村に飛んできた鳥も、小さなやつが先頭だった。
最後に卵を取りに来たのは、一番大きいグリフォンだった。
「魔物は種を越えて意思疎通ができる…と、したら…」
グリフォンが、東の竜に、結界を破りたいと相談できたとしたら。
竜はその魔力でもって、結界に干渉する…
…考えすぎか?
「いや、可能性が一つでもあるのなら、調べてみるべきだ」
土地の魔力とは別の魔力を感じ取れたら…
それを、手繰っていけたら…
「…そうだ、魔法のお手紙!」
「えっ?」
「魔法のお手紙に個人の魔力を覚えさせると、場所じゃなくその人に手紙が届くんです。
魔力って同じもの同士引き合う性質が…と、まあ、それは置いといて。
この石碑にこの土地以外の魔力が入ってるとして、この魔力を何枚かのお手紙に覚えさせて、飛ばす…
地面に張り付かないで飛んで行ったのがあれば、それを追いかける」
「ふむ…やってみる価値はある、か?」
ダリル様がヨークさんに意見を求める。
ヨークさんはやってみないと分からない、と言いながらも賛成してくれる。
そうだ、やってみない事には…
飛んで行くかどうかも分からないしな。
「ってことは、空を飛んで追いかけるって事だな?」
「そうなります」
「…分かった、箒を取り寄せるまで、待ってくれ」
「ええ、その前に…本当にこの石碑と回路に問題が無いのか、しっかり調べないといけませんしね」
最初のチェックから、一体何が起きたのか…。
まずは、調査だ!
「…自分で、食べられます」
「ああ。そうだな…あ~~ん」
「……」
朝から美形王子様に給餌される俺。
これがルームサービスじゃなかったら恥ずか死んでる…
「…はむ」
「ふふ、可愛い…あ~~ん」
「…はむ」
「ふふふっ…可愛い」
正面に座って蕩ける様な笑顔のダリル様に、最早反論する気も起きない…あっ、そうだ!
「ほら、ダリル様も!あ~~ん」
「…はむっ」
「ふふっ…確かに、癖になりそう…
はい、あ~~ん」
「…では、ロンバードも」
朝からお互いに謎の食べさせあい合戦。
早く食べて石碑に行かないといけないのに…
「ふふ」
「ふふふっ」
何だか、楽しくてやめられないまま…
最後のデザートまで、食べさせあいっこは続いてしまった。
・
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・
そうしてちんたら朝飯を食っていた割には、ヨークさんとレドモンド君との集合時間に間に合い、ダリル様も一緒に馬車へ乗り込み石碑へ。
「そういえば、ここまではどうやってお越しに?」
「ああ、お祖父様が箒で送ってくれた」
「えっ、西の公爵様が!?」
「うむ、ギゼル殿の娘に会いに来ていたのでな、ついでに」
「いやついでの距離じゃなさすぎません…?」
カリーナ様のお父上である西の公爵様は、この国で2番目の権力者であり一流の魔術師…なんだけど、カリーナ様と孫2人には甘々なおじいちゃんだ。
だからダリル様が頼めば二つ返事で大抵の事をOKしてしまう…
「間違った事には拳骨が降って来るがな」
「そうでなきゃ国王陛下の次に偉い人なんか務まらんでしょう」
「ああ、カリーナ王妃陛下をあのように立派な方にお育てになられたのだから、相当の人格者でいらっしゃる事は間違いなかろう」
奥様が急逝され、男手ひとつでカリーナ様をお育てになられた西の公爵様。
人望が厚く、仁義に熱く…
「何で西の公爵様が王様じゃなかったんだろう」
「そもそも2代前の王の弟の子だからな…
お、あれが石碑か?」
「ええ、広域結界用魔力集積回路です」
話しているうちに森へ着いた。
遠目に見る石碑は、以前応急処置をした時とそれほど変わらないように見える…
だからこそ、念入りに調べないと!
「よし…やるぞ!」
***
「うーん…」
応急処置の仕方が悪かったのか…と思いつつ、微弱な魔力を回路盤に流す。
石はしっかりと地面に固定されているけど、蔦で角度がズレたのかもしれない…
「うーん…」
南の石碑方面へ広がる結界を展開している魔力に乱れがある。
その原因を探らないといけない。
「もしかしたら、問題は回路じゃない…?」
広域結界用魔力集積回路は土地の魔力を利用して「魔物除け」を展開している。
その魔力自体に何かがあったとしたら…。
卵を割られたグリフォンのつがい…
一羽は討伐され、もう一羽は東へ飛んだ。
東へ飛んだグリフォンは、結界を破ったグリフォンと同じ個体だろうか?
「いや、同じ個体かどうかは関係ない」
東の森へ飛んだ。
東の森には竜がいる。
羽根が生えていて空を飛ぶ、典型的な竜…
「ヨークさん、東の竜の話!覚えてます?」
「ん、ああ…確か、火を吐いたり、凍るほど冷たい息を吐いたり、風の塊を飛ばしてきたり…」
そう、東の竜は攻撃パターンが豊富だ。
「何よりこんなデカいのに空飛ぶのか、って」
そう、空を飛ぶ。
そして、東の竜と戦った魔術師は…
空を飛ぶ魔法を思いつく。
地竜のサンドブレスは、能力だ。
火竜のファイアブレスも、能力だ。
だけど…
「もしかして、東の竜は…魔法を使う?」
…この推測が正しいとするならば。
これがもう一つの推測と繋がるならば。
「…グリフォンと竜が、意思疎通できるとしたら」
そうだ、どうして小型魔物が先頭、大型魔物が後方になって攻めて来るんだ?
南の石碑の時だって、火竜の前に小型・中型の魔物がいて…。
南東の農場から一番近いあの村に飛んできた鳥も、小さなやつが先頭だった。
最後に卵を取りに来たのは、一番大きいグリフォンだった。
「魔物は種を越えて意思疎通ができる…と、したら…」
グリフォンが、東の竜に、結界を破りたいと相談できたとしたら。
竜はその魔力でもって、結界に干渉する…
…考えすぎか?
「いや、可能性が一つでもあるのなら、調べてみるべきだ」
土地の魔力とは別の魔力を感じ取れたら…
それを、手繰っていけたら…
「…そうだ、魔法のお手紙!」
「えっ?」
「魔法のお手紙に個人の魔力を覚えさせると、場所じゃなくその人に手紙が届くんです。
魔力って同じもの同士引き合う性質が…と、まあ、それは置いといて。
この石碑にこの土地以外の魔力が入ってるとして、この魔力を何枚かのお手紙に覚えさせて、飛ばす…
地面に張り付かないで飛んで行ったのがあれば、それを追いかける」
「ふむ…やってみる価値はある、か?」
ダリル様がヨークさんに意見を求める。
ヨークさんはやってみないと分からない、と言いながらも賛成してくれる。
そうだ、やってみない事には…
飛んで行くかどうかも分からないしな。
「ってことは、空を飛んで追いかけるって事だな?」
「そうなります」
「…分かった、箒を取り寄せるまで、待ってくれ」
「ええ、その前に…本当にこの石碑と回路に問題が無いのか、しっかり調べないといけませんしね」
最初のチェックから、一体何が起きたのか…。
まずは、調査だ!
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