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向かえ!大団円
実家ダンジョン 3
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最後の2つのうち、1つ…
その扉のノブをシドさんが握って、小声で一言。
「…開かないな」
「えっ、何で…って、そっか」
倉庫だから、鍵は外側からしか掛からない。
人間相手に立て籠もる事なんか想定してないから。
だから、内側から鍵がかかってるって事は…
「魔法ですね」
「…ああ、ロンバード、解除頼む」
「分かりました」
解錠の魔法は、まず相手の魔力を読むところから始める。
施錠の魔法は、魔力で見えないロープやつっかい棒を作って物理的に扉が開かない様に固定する魔法だ。
だから、穏便に解除するには魔法で作られたロープを魔力で動かして解けばいいんだけど…
これが少々時間が掛かる。
「吹っ飛ばしちゃ駄目なの?」
「修繕費が掛かるのはちょっと…」
俺はドアノブを握り、扉の向こう側に意識を集中し、魔力がどのように絡み合っているかを解析…
ふーん…ああ、でもそんな難しくないか…
ああ、なるほどね、ここをこうして、こう…
「……開きました」
「さすが早い」
「泥棒し放題だな~」
「しませんよ?」
さて、開けるぞ…とシドさん。
当然中には人がいるだろう…魔法結界ぐらい張って待ってるかもしれない。
「…ロンバードは、下がれ」
「はい」
入口にはブレックさんが控える。
一番に突入する気満々…元外交官なのにな。
「3、2、1、行け!」
身をかがめたブレックさんを先頭に、スミスさん、ヨークさんが突入…
「お前ら、大人しくしろ!」
「誰がするか!!」
ガキン、と剣が弾かれる音がする。
シドさんが入り、俺が入る。
部屋の中では数人の男がブレックさんとスミスさんと戦闘中…
「はは!効かねえな!」
「所詮剣じゃ魔法には勝てないんだよ!」
「下らん、魔法ごと吹っ飛ばす!」
相手の攻撃を余裕で躱し、ブレックさんが剣で突く。
だけど相手の身体に触れる直前ではじき返される。
「物理結界か…!」
「は、結界が切れるまで攻撃をし続けれはいいだけだ!」
ブレックさんとスミスさんは攻撃の手を緩めない。
天井が低い地下室で、突きを多用しながら相手を攻め立てる…!!
「魔法さえあれば無敵なんだよ!」
「お前たち魔法無しには分からんだろうがな!」
「黙れ…!!」
ブレックさんもスミスさんも強い。
突き、からの横薙ぎ、そしてその横から攻撃しようとする奴を牽制…
相手の動きは鈍い。
それでも多勢に無勢、少しずつ追い込まれて行く…
「…魔術師が魔法を使わない?」
「魔法無効の結界が張られてるんだ!」
すると、二人の後ろからヨークさんが飛び出す。
「こういう時には、ぜろ距離攻撃!」
「は!?」
「だりゃ!」
ヨークさんが杖で相手を突く。
もちろんそれは弾かれる…
「ぎゃぁ!!」
「次!」
「がぁっ!?」
「2人とも、下がって!」
ヨークさんの杖からは水滴が零れる。
どうやら杖の先から圧縮した水魔法を出しているらしい…
「そーゆー魔物と戦ってないとでも思ってんの?
脳味噌の緩い連中だぜ!」
「くそ…!」
敵の注目がヨークさんに集まる。
俺は敵とヨークさんを見比べる。
身体の鍛え方が全然違う。
最前線で戦うには、魔法だけ撃っていればいいわけじゃないんだ。
親父が剣も使える理由が良く分かる。
「ギゼル兄直伝の技、喰らいやがれ!」
「や、やめろ、うわぁあ!!」
…さて、俺の方も準備は出来た。
魔法結界も物理結界も、まとめて…
「…結界解除」
パキン…と、小さな音が響く。
それと同時に、スミスさんとブレックさんが床を蹴って前へ出る…!
「な、嘘だろ、そんな!」
「魔法だ、魔法で攻撃…」
「遅いですなぁ?」
スミスさんが右腕と左腕に敵の首を捕え、締め上げる。
ブレックさんは残った敵の首筋に一撃を加えて意識を刈り飛ばす。
「くそ、もう一度物理結界、」
「させるか馬鹿」
シドさんはいつの間にか、一番奥にいた敵の後ろに回り込んでいた。
そして…
「ふんっ!」
「ぎゃっ」
敵の頭を掴んで、一気に床へと叩きつけ…
「さて、次が最後だな」
…と言った。
その扉のノブをシドさんが握って、小声で一言。
「…開かないな」
「えっ、何で…って、そっか」
倉庫だから、鍵は外側からしか掛からない。
人間相手に立て籠もる事なんか想定してないから。
だから、内側から鍵がかかってるって事は…
「魔法ですね」
「…ああ、ロンバード、解除頼む」
「分かりました」
解錠の魔法は、まず相手の魔力を読むところから始める。
施錠の魔法は、魔力で見えないロープやつっかい棒を作って物理的に扉が開かない様に固定する魔法だ。
だから、穏便に解除するには魔法で作られたロープを魔力で動かして解けばいいんだけど…
これが少々時間が掛かる。
「吹っ飛ばしちゃ駄目なの?」
「修繕費が掛かるのはちょっと…」
俺はドアノブを握り、扉の向こう側に意識を集中し、魔力がどのように絡み合っているかを解析…
ふーん…ああ、でもそんな難しくないか…
ああ、なるほどね、ここをこうして、こう…
「……開きました」
「さすが早い」
「泥棒し放題だな~」
「しませんよ?」
さて、開けるぞ…とシドさん。
当然中には人がいるだろう…魔法結界ぐらい張って待ってるかもしれない。
「…ロンバードは、下がれ」
「はい」
入口にはブレックさんが控える。
一番に突入する気満々…元外交官なのにな。
「3、2、1、行け!」
身をかがめたブレックさんを先頭に、スミスさん、ヨークさんが突入…
「お前ら、大人しくしろ!」
「誰がするか!!」
ガキン、と剣が弾かれる音がする。
シドさんが入り、俺が入る。
部屋の中では数人の男がブレックさんとスミスさんと戦闘中…
「はは!効かねえな!」
「所詮剣じゃ魔法には勝てないんだよ!」
「下らん、魔法ごと吹っ飛ばす!」
相手の攻撃を余裕で躱し、ブレックさんが剣で突く。
だけど相手の身体に触れる直前ではじき返される。
「物理結界か…!」
「は、結界が切れるまで攻撃をし続けれはいいだけだ!」
ブレックさんとスミスさんは攻撃の手を緩めない。
天井が低い地下室で、突きを多用しながら相手を攻め立てる…!!
「魔法さえあれば無敵なんだよ!」
「お前たち魔法無しには分からんだろうがな!」
「黙れ…!!」
ブレックさんもスミスさんも強い。
突き、からの横薙ぎ、そしてその横から攻撃しようとする奴を牽制…
相手の動きは鈍い。
それでも多勢に無勢、少しずつ追い込まれて行く…
「…魔術師が魔法を使わない?」
「魔法無効の結界が張られてるんだ!」
すると、二人の後ろからヨークさんが飛び出す。
「こういう時には、ぜろ距離攻撃!」
「は!?」
「だりゃ!」
ヨークさんが杖で相手を突く。
もちろんそれは弾かれる…
「ぎゃぁ!!」
「次!」
「がぁっ!?」
「2人とも、下がって!」
ヨークさんの杖からは水滴が零れる。
どうやら杖の先から圧縮した水魔法を出しているらしい…
「そーゆー魔物と戦ってないとでも思ってんの?
脳味噌の緩い連中だぜ!」
「くそ…!」
敵の注目がヨークさんに集まる。
俺は敵とヨークさんを見比べる。
身体の鍛え方が全然違う。
最前線で戦うには、魔法だけ撃っていればいいわけじゃないんだ。
親父が剣も使える理由が良く分かる。
「ギゼル兄直伝の技、喰らいやがれ!」
「や、やめろ、うわぁあ!!」
…さて、俺の方も準備は出来た。
魔法結界も物理結界も、まとめて…
「…結界解除」
パキン…と、小さな音が響く。
それと同時に、スミスさんとブレックさんが床を蹴って前へ出る…!
「な、嘘だろ、そんな!」
「魔法だ、魔法で攻撃…」
「遅いですなぁ?」
スミスさんが右腕と左腕に敵の首を捕え、締め上げる。
ブレックさんは残った敵の首筋に一撃を加えて意識を刈り飛ばす。
「くそ、もう一度物理結界、」
「させるか馬鹿」
シドさんはいつの間にか、一番奥にいた敵の後ろに回り込んでいた。
そして…
「ふんっ!」
「ぎゃっ」
敵の頭を掴んで、一気に床へと叩きつけ…
「さて、次が最後だな」
…と言った。
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