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ざまぁしやがれください!
おねだりの方向性
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あれから色々考えた。
思いっきり高くて、それでいて個人の所有物にするわけにいかない場所。
まずは王宮…
いや、いくら何でもアホすぎない?
『結婚すればお前のものでもあるな』って言われたら終わりじゃん。
飛んで火にいる夏の虫じゃん。
何かもうちょっと、こう…あるだろ。
そう思ってもうちょっと色々考えた。
でも、どこの公的機関の建物を貰っても困る。
おねだりする理由が無さすぎるだろ。
んで、思った。
不動産って難しい。
「…俺には縁遠い話だよな…」
そもそも、立派な実家がある。
ついでに広い領地もある。
おまけに夢はバックパッカー。
住む場所について深く考えた事が無いのだ。
「土地買って、家建てて…そうだ!」
それこそ前世で、親父は家を建てた。
俺もそれをやってみたらいいんじゃないか?
「まずは土地を調べて…どんな場所がいいかなぁ」
荷物一つで旅をして、帰って来て寛げる家。
旅先で仲良くなった旅人を、招いて泊めてあげられる家。
「ゲストハウス…的な?」
一階がカフェで、二階は素泊まり、風呂は共有。
シェアハウスならぬシェアホテル…
そんな場所がいろんな場所にあったら、俺のバックパッカー人生も楽しくなるだろう。
「…まずは一軒、建ててみて…それから、各領地に、一つずつ…それを隣の国、その隣の国へと広げて」
バックパッカーが何か分からないから、みんな反対するんだ。
ゲストハウスがあれば、その街の人たちとの交流ができて、理解も進む…多分。
だからまずは一軒…一軒目が大事だ。
それを成功させて、どんどんネットワークを広げて…
「…外国の土地を買うって、出来るのかな」
でもそれって、また国際問題になるよな。
俺、自分の立ち位置がいまいち理解出来てないんだよな…
普通の学生のつもりだったけど、よく考えたら貴族だし。
「何もしてないのに、俺って偉いのか…」
親父みたいに魔物から国を守ったわけでもないし、ドラゴンを倒したわけでもない。
平和にただ生きてるだけで、何も…。
これで何の自覚を持てというんだ。
無理だろ。
「せめて何か功績が無いと…偉いって言えないよな」
うーん。
うーーーーーん。
そうだ!
「何か功績が欲しいって、言ってみよう…」
そうしたら少しは、俺も貴族って思えるかもしれない。
よし!
「でも取り敢えず、どっかにゲストハウス作ろう」
旅に出られなくても、せめて旅をする人を応援する人にはなれる。
よし、早速親父に相談だ!
***
「…ゲストハウスを建てる?」
「うん、快適なバックパッカー人生の為に、どうかなと思って」
学園に登校して早々、授業をサボって魔術塔に来た事を咎めるでもなく、親父は普通に対応してくれた。
こういうところの柔軟さは前世と変わらない。
有難いよな親って。
親父は俺にも茶を勧め、自分もそれを啜りながら言う。
「ふーん、つまり冒険者の宿、みたいなやつ?」
「そうそう、そんな感じのやつ。
できれば街の中に欲しいんだけど」
「街の中、か…。
今父さんも、ちょっと土地探してるんだ」
「えっ、親父もおねだりすんの?誰に?」
それにしても親子で土地欲しいって、それって家ごと嫌われないか?
…なんてちょっと不安になったけど、どうやら親父のはもっとちゃんとした理由があるらしい。
「おねだりじゃないぞ、普通に申請するんだ。
多分国有地の中になる…と、思うから」
「へえ…何で?」
「転移陣置きたいから」
「転移陣!?転移魔法、出来たの!?」
さすが親父、天才!
「いや、もうちょっとかかる…物の転移はもう好きなとこへ出来るんだけど、生き物はな…
転移陣を置く場所が限定されちゃうんだよ、地脈の関係で」
「え、もしかして縮地法?
仙人ってお伽噺じゃないん?」
「魔法がある世界だからな」
親父はそう前置きして、転移魔法について説明してくれた。
「縮地法ってのは、地面自体を縮めることで距離を接近させる方法だろ?
だから魔法で他次元を使って地面を縮めて、短時間で目的地に到着できるようにならないかなって…最終的に仙術からSFになったけど。
簡単に言うと多次元空間を使ったワープだな」
「つまり、ワームホールの出口と入口を人為的に作るってこと?」
「そうそう、さすが、理解が早くて助かる。
それがしやすい場所っていうのがあるんだよ。ワームホール開くのに安定して大きな魔力が使える場所、つまり魔力が多い土地。
それって、大体近くに泉があるんだ」
「あー…水源が…そりゃ国の管理する土地だなぁ」
そうなると申請も難しそう…そうだ!
「それ、俺がおねだりしてみる」
「…まさかお前、まだ『悪役令嬢作戦』やってるのか?」
「うん、でも、これで最後にする」
「…そうか、そうしてくれ。
お前が辛そうで見てられないから」
…親父が言うのも尤もだ。
前世の俺は、悪役の真逆…
いじめられっ子だったから。
思いっきり高くて、それでいて個人の所有物にするわけにいかない場所。
まずは王宮…
いや、いくら何でもアホすぎない?
『結婚すればお前のものでもあるな』って言われたら終わりじゃん。
飛んで火にいる夏の虫じゃん。
何かもうちょっと、こう…あるだろ。
そう思ってもうちょっと色々考えた。
でも、どこの公的機関の建物を貰っても困る。
おねだりする理由が無さすぎるだろ。
んで、思った。
不動産って難しい。
「…俺には縁遠い話だよな…」
そもそも、立派な実家がある。
ついでに広い領地もある。
おまけに夢はバックパッカー。
住む場所について深く考えた事が無いのだ。
「土地買って、家建てて…そうだ!」
それこそ前世で、親父は家を建てた。
俺もそれをやってみたらいいんじゃないか?
「まずは土地を調べて…どんな場所がいいかなぁ」
荷物一つで旅をして、帰って来て寛げる家。
旅先で仲良くなった旅人を、招いて泊めてあげられる家。
「ゲストハウス…的な?」
一階がカフェで、二階は素泊まり、風呂は共有。
シェアハウスならぬシェアホテル…
そんな場所がいろんな場所にあったら、俺のバックパッカー人生も楽しくなるだろう。
「…まずは一軒、建ててみて…それから、各領地に、一つずつ…それを隣の国、その隣の国へと広げて」
バックパッカーが何か分からないから、みんな反対するんだ。
ゲストハウスがあれば、その街の人たちとの交流ができて、理解も進む…多分。
だからまずは一軒…一軒目が大事だ。
それを成功させて、どんどんネットワークを広げて…
「…外国の土地を買うって、出来るのかな」
でもそれって、また国際問題になるよな。
俺、自分の立ち位置がいまいち理解出来てないんだよな…
普通の学生のつもりだったけど、よく考えたら貴族だし。
「何もしてないのに、俺って偉いのか…」
親父みたいに魔物から国を守ったわけでもないし、ドラゴンを倒したわけでもない。
平和にただ生きてるだけで、何も…。
これで何の自覚を持てというんだ。
無理だろ。
「せめて何か功績が無いと…偉いって言えないよな」
うーん。
うーーーーーん。
そうだ!
「何か功績が欲しいって、言ってみよう…」
そうしたら少しは、俺も貴族って思えるかもしれない。
よし!
「でも取り敢えず、どっかにゲストハウス作ろう」
旅に出られなくても、せめて旅をする人を応援する人にはなれる。
よし、早速親父に相談だ!
***
「…ゲストハウスを建てる?」
「うん、快適なバックパッカー人生の為に、どうかなと思って」
学園に登校して早々、授業をサボって魔術塔に来た事を咎めるでもなく、親父は普通に対応してくれた。
こういうところの柔軟さは前世と変わらない。
有難いよな親って。
親父は俺にも茶を勧め、自分もそれを啜りながら言う。
「ふーん、つまり冒険者の宿、みたいなやつ?」
「そうそう、そんな感じのやつ。
できれば街の中に欲しいんだけど」
「街の中、か…。
今父さんも、ちょっと土地探してるんだ」
「えっ、親父もおねだりすんの?誰に?」
それにしても親子で土地欲しいって、それって家ごと嫌われないか?
…なんてちょっと不安になったけど、どうやら親父のはもっとちゃんとした理由があるらしい。
「おねだりじゃないぞ、普通に申請するんだ。
多分国有地の中になる…と、思うから」
「へえ…何で?」
「転移陣置きたいから」
「転移陣!?転移魔法、出来たの!?」
さすが親父、天才!
「いや、もうちょっとかかる…物の転移はもう好きなとこへ出来るんだけど、生き物はな…
転移陣を置く場所が限定されちゃうんだよ、地脈の関係で」
「え、もしかして縮地法?
仙人ってお伽噺じゃないん?」
「魔法がある世界だからな」
親父はそう前置きして、転移魔法について説明してくれた。
「縮地法ってのは、地面自体を縮めることで距離を接近させる方法だろ?
だから魔法で他次元を使って地面を縮めて、短時間で目的地に到着できるようにならないかなって…最終的に仙術からSFになったけど。
簡単に言うと多次元空間を使ったワープだな」
「つまり、ワームホールの出口と入口を人為的に作るってこと?」
「そうそう、さすが、理解が早くて助かる。
それがしやすい場所っていうのがあるんだよ。ワームホール開くのに安定して大きな魔力が使える場所、つまり魔力が多い土地。
それって、大体近くに泉があるんだ」
「あー…水源が…そりゃ国の管理する土地だなぁ」
そうなると申請も難しそう…そうだ!
「それ、俺がおねだりしてみる」
「…まさかお前、まだ『悪役令嬢作戦』やってるのか?」
「うん、でも、これで最後にする」
「…そうか、そうしてくれ。
お前が辛そうで見てられないから」
…親父が言うのも尤もだ。
前世の俺は、悪役の真逆…
いじめられっ子だったから。
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