Butterfly

花森 雲空

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零という人

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零とは、昼から夕方のデートにつきあうだけという仕事だった。

待ち合わせ場所につくと、後ろからいきなり抱きしめられ、ひどく驚いた!



「白雪だよね?よろしく!勉強教えてよ!」

零は19歳の大学生だった。

近くのファーストフード店に行き、昼から夕方まで、教えられることは教えた。

一応、勉強だけはしてきたというより、友達みたいなものだからだ。

「ありがとう!先払いしてるから、これは白雪の報酬ね!」

渡された茶封筒は薄く、手を振り別れた。

これで良かったのかな?

中身は一万円かななんて、淡い期待を持ちながら開けてみた。

「えっ!?500万円の小切手!!」

嘘!こんなにももらえない!

私は零を追いかけて掴まえた。

「零!これはもらいすぎる!千円に変えて?」

笑いながら零は答えた。

「試験合格!ようこそ、Butterflyへ」

私は何がなんだかわからなかった。

「そのまま帰ったら、一生タダ働きだったんだよ。それに、契約書もサインしてないのに、よく来たね。そこは俺がカバーしてあげるよ」

そう言うと、茶封筒を胸に押し付けられた。

「ほら、行くよ?契約書を書きに行こう」

零は私の手を握り、歩き出した。

男の子と手を握るなんて、小学生以来かも?

運動会のダンスの時だけ。

「白雪って処女だったりする?」

私は歩きながら赤面した。

「俺は契約上、最初は奪えないんだ。今から連れて行くから彼氏にしたい人を選びなよ。Butterflyの社員だけどね。売られたから分かるよね?」

零の握る手が強くなり痛かった。

私は連れられるがまま、マンションの一室に連れて行かれた。

「5人から1人選んで。契約あるから早くね」

真っ裸の男の人達の視線は、私を見つめた。

「わ、わからないけど、あの人を」

すると、零は手を引っ張り、外に出て歩き出した。

私は不安にかられながら夕日を見つめ歩いた。

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