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第六章 国造り編

第18話 強化個体vs眷属

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 流石は蜥蜴人リザードマンの強化個体というべきか、エリカとアニエラの攻撃に余裕を持って対応した。

「あははっ、私の攻撃に耐えれるのかな~!」

 私と話す時とは全く違う口調のトラパーネが、大剣を思い切り振り下ろすと斬撃が発生して、蜥蜴人リザードマンに襲い掛かる。

『ズバァアアアアン!』
『ガキィーン!』
「ガァルルゥーーー!」

 蜥蜴人リザードマンは槍を横に向けて、歯を食いしばりながらトラパーネの斬撃を受け止めた。と思ったけど、斬撃は槍をへし折った後に蜥蜴人リザードマンを真っ二つ斬り裂いたのだった。

『ボキィン!』
「ガギャアアアア!」
「あーはっはっ!真っ二つじゃん!強化個体も大した事ないね~」

 トラパーネは狂気に近い笑い声をあげながら、エリカとアニエラに声をかけると、2人は悔しそう表情をしながら目の前の蜥蜴人リザードマンと対峙していた。

 確かにトラパーネは私の次に強いし、扱う武器の特性の違いもあるとしても、アニエラとエリカとの差がこれ程とは思ってなかった。

「パーネみたいな力任せの武器じゃないんだよ!これがあたいの戦い方だ!」

 エリカはそう言うと再び鞭を振って攻撃を仕掛ける。さっきと同じように鞭先が向かうと、同じく槍で鞭先。弾こうと合わせた瞬間、エリカは鞭を軽く引いて軌道を変えた。

『ビュッ、ブシュ!』
「ガッ!」

 軌道が変わった鞭先は槍を『スルリ』と躱してから蜥蜴人リザードマンの右肩に突き刺さると、手にしてた槍を落としてしまった。直ぐに鞭を引いて鞭先を引き抜き、手首のスナップを効かせて首を狙う。

『ビュッ』
『ブシュ……』

 首に刺さったのかと思ったけど、左手の掌で鞭を受け止めた後は、そのまま力比べと言わんばかり思い切り鞭を引っ張った。エリカも負けずに鞭を引くと『ピンッ』と鞭が張った状態になると、蜥蜴人リザードマンが口を開けて空波を放った。

「ちっ、避けれない!」
「〚反転リバース〛」

 直撃かと思った瞬間、トラパーネが空間魔法を唱えると、エリカに迫った空波は消えた瞬間に、放った蜥蜴人リザードマンの首を刎ねていた。

「エリカ、油断は禁物だよ」
「済まない……思った以上に厄介だね」

 もう一方のアニエラは、闘争本能で相手を強敵と認めて、本気の戦いを見せていた。

「悪いけど本気で行くよ〚血霧ブラッドフォグ〛!」

 血魔法で真っ赤な霧を発生させて相手の視界を奪うと、次は動きを完全に封じる為に土魔法を発動する。

「動きを封じる〚砂場サンドピット〛!」
「グルァ!」

 足元が『サラサラ』な砂になり、動けば動くほどに砂に沈んで動けなくなったところを、余裕を持って双剣で首を刎ね飛ばした。

 真っ赤な霧が晴れてくると、アニエラは私達へ顔を向けて笑顔で口を開いた。

「ざっと、こんなもんだよ!」
「えぇ、こんなものよ」

 トラパーネも最後の1体の首を刎ね飛ばしたところだったので、アニエラは流石に驚いていた。全ての蜥蜴人リザードマンを倒し切ると、トラパーネが私へ声をかける。

「ハルカ様、雑魚は全て片付けましたので、亜種の討伐をお願いします」
「うん、ありがとう!」

 私は3人に声をかけた後に、最後に残った蜥蜴リザードマン亜種と対峙する。

 



 
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