備後の神の縁結び

茜琉ぴーたん

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大人編

50

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 家では場所が無いし会社でなんてもってのほか…渉は島をぐるりと半周して橋で繋がった小さな島へと渡り、日中でも人気ひとけの無い海岸沿いの神社の駐車場へと車を入れた。
「チィ、胸元開けてくれ、おっぱい見して」
「やだよ、公然猥褻わいせつ
「誰もおらんわ」
「誰か来たら捕まっちゃうよ」
「竹やぶじゃ、誰も来ん…」
 確かにフロントガラスいっぱいぼうぼうの竹林で埋まっていてそこから人に見られるということはないだろう。しかし昼間にお天道てんとうさまの下で肌を露出させるなど千鶴にはできない。
 頑なに動こうとしない千鶴を見かねて渉がブラウスのボタンに手を掛けるも、
「やだってば」
とハエ叩きのようにぺちんと拒まれる。
「誘っといてそれはねぇど、チィ…ふっ…そう、んー…見えんかったらええか?脱がんかったら」
「…どうやって?」
「服の上から…ねぶるわ」
「えー…え?」
 背広を開いて乳房の上のブラウスへ口をつける、唾が浸透して下のインナーキャミソールが透けて、まだじわじわ広がって…よくよく目を凝らせばピンクの花模様がうっすら滲む。
「冷たい…やだ、そんなことするなら…」
「なんじゃ」
「…直接…シて、」
 やはりされたがってたんじゃないか、渉は舌舐めずりをしてほくそ笑み、
「ふん……花山さん、自分で開けて、おっぱい見して」
と初めて千鶴を苗字で呼んだ。
「なに、」
「花山さん、会社の先輩の言うことは聞くもんじゃ…ここ開けて、おっぱいだけ見して」
「だけって…何ですか…」
「舐めて欲しいとこだけ出せ、な、公然猥褻は嫌なんじゃろ」
「……はい、」
かしこまって他人行儀、その命令は意地悪というより冷酷で、それでも千鶴はきゅんとハートが狭くなる。
 なのでブラウスのボタンを更に外してキャミソールの肩紐をずらし、ブラジャーのストラップも外してぺろんと…突先とっさき周辺だけ露出して渉へと捧げた。
「なぁ、ワシのこともそれらしゅう呼んでみてくれ」
「……刈田、さん、」
「ふふっ…ええのう、エロい♡花山さん、ねぶり易いように…持ち上げて、そう…花山さん、ええんか?舐めるど?」
「っ…は、い、」
「ん」
「……ふ…ぁ…」
ちゅいちゅいと吸い付くウエットでファニーな音が車内に響いて、千鶴は体が倒れないよう腰に力を入れて吸われる体勢を健気に維持する。
 やっとお望みの照れる表情が見られたと渉は内心躍るほどに喜んで、しかし珍しいシチュエーションを崩させまいとクールに千鶴の乳頭をしつこく責めた。
「アんっ…あ、ッふゥ…あ、噛ん、でゃあ…」
「花山、彼氏はおるんか?ん?」
「いる、います、」
「ほんなら…ん、会社の先輩にこぎゃなことさせよったらいけんわなぁ♡」
「…ッいじわる」
 背徳、罪の意識、全くそのような謂れも無くただのごっこ遊びなのにひどく千鶴は感じてしまって、いつもより強気に描いていた眉毛が弱気になったところで渉は口を離す。
 ぐにぐにと口の代わりに指で乳頭を摘んでねじって、
「ひひっ♡…花山、ン♡」
とキスを催促すれば千鶴はまた健気に首を伸ばして迎えに行く。
 口先だけ、少し開いて、み合って、舌を絡めて、歯茎をなぞって。悩ましげな吐息が生温かく渉を潤してたかぶらせて、もう胸なんてどうでもいいと彼は千鶴をキツく抱き締めてその唇に全神経を集中した。
「チィ、絶対帰って来いよ、また…お前大学受験の時に騙し討ちしたろうが、あんなんやめぇよ、絶対ウチに来いよ、」
「うん…責任持って雇ってね」
「まだ責任者は父ちゃんじゃけど…お、男ばっかりじゃけど浮気すなよ」
「渉くんもね」
「せん、チィだけじゃ」

 二人はたまに訪れる参拝客にチラチラ見られながらも車内でハグとキスを繰り返し、陽が沈む前にやっとそこから車を出す。
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