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生徒会長
しおりを挟む翌日、俺はいつも通り3人に挨拶をして回る。
「おっは!!!」
「はよ~田中」
「はよ。調子はいいのか?」
「…おはよう。」
黒木は微妙な空気感だが、キチンと挨拶を返してくれた。
「え、なになに。田中調子悪かったの?」
「もう治った!」
「…」
黒木は相変わらず淀んだ目でこちらを見ている。
そんな黒木に俺は笑いかけた。
黒木とは普通に接することに決めていた。
避けたりすると、逆に黒木の病みを刺激しそうだったからだ。
「今日は初部活なんだよな~!」
毎週金曜日は部活の日だ。
運動部とは違い、文化部は活動日数も様々だ。
美術部は週に1回の活動を行なっている。
「そういえば美術部の部長、生徒会長だったよ。」
「え、マジか。会長って部活もやってんだな。」
「…会長?」
黒木は思いっきり『誰だっけ?』という顔をしていた。
まあ、一般生徒の評価ってそんなもんだよな。
「今年はえらい顔の良い人がやってるんだよ。それこそハイブランドのモデルって感じだよな。」
「あー、確かに!近くで見てもイケメンだったわ」
里田も会長の顔くらいは覚えている様だ。
見学中はずっと紙飛行機作ってたくせに!!!
「そういうことで、今日は授業終わったらすぐ教室でるわ」
「うう~!俺も田中と帰りたい~!」
里田は駄々を捏ねながらも、大人しく席に座った。
俺は久しぶりに会う秀先輩に、ワクワクしっぱなしだった。
授業中までニヤニヤしていたら担任に頭を叩かれたのは言うまでもない。
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