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67 甘いお茶会

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「そのように畏まらずとも良い。さあ、楽にせい」


 国王の言葉を受けたアザリアは、緊張感を抜くように肩の力を抜くふりをしながら椅子に再び腰掛ける。
 にこにこ女好きの笑みを浮かべている国王に、にこにことアザリアは笑い返す。


「して、今日はアルフォードに対する愚痴があってきたのだろう?
 相談とはなんだね。これでも余は国王だから、可愛い義娘のために便宜を図ってあげよう」

「まあ!陛下。いけませんわ、そのようなこと。わたくし如きにそのようなお心遣いをするなど………。
 わたくしは恐れ多くも、陛下にお目にかかるという幸運を味わわせていただいているのですからっ!!」


 アザリアの言葉に、国王はほっほっほと嬉しそうに微笑んだ。
 人畜無害な微笑みには、嘘も害意もない。


(なんだ、全然平気じゃない。杞憂に終わりそうで何よりだわ)


 国王の合図でたくさんのお菓子や香り高い紅茶が用意され、至れり尽せりのお茶会準備が整った。
 お菓子にはアザリアの大好きなチョコレートがこれでもかというほどに用意されており、お茶もベルガモットの爽やかな香りがたまらないチョコレートにぴったりのアールグレイで、心が踊る。


(王宮最後の活動にぴったりね)


 贅を尽くしたおもてなしに、アザリアはふにゃっと頬が緩んでしまう。
 普段は香りや体型を気にして食べられないものばかりが並んでいるということもあってか、アザリアのテンションは止まるところを知らずに上がっていく。


「さて、では食べようか」

「はい」


 国王の言葉と合図を受けたアザリアは、香り高い紅茶をこくりと飲み込む。


 紅茶からは、とろりと甘い蜂蜜の味がした———。


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読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈

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