56 / 79
56 勝てない
しおりを挟む
大きなため息をついたアザリアは、アルフォードの首元に狙いをつけてナイフを振るう。
そのナイフの刃が彼に届くことは決してないのだが、なんとなくムカついたために武器を手に取った。
案の定、彼はアザリアの攻撃を軽く止め、その挙句アザリアの手から武器を握り取り、アザリアのくちびるを奪った。
あまりの早技に、もう二の句を継ぐことさえもできない。
「今日もキレッキレだな、アザリア。もうこれなら並の相手では敵うまい」
「………元々、わたくしはそれなりに強かったですわ。というか、組織でナンバー2でしたのよ?」
「へー、《ブラックローズ》ってそんなに弱い組織だったんだ」
「っ、」
「アレ?気づいてないと思ってたのか?」
「………いいえ。
あなたさまならご存知の可能性はあると思っていたのですが、ここまでさらっと言われるとは思っても見ていませんでしたので………………、」
少し罰が悪そうな表情をしたアザリアに、アルフォードは苦笑した。
「さて、わたくしは組織の方に定期報告に行ってこなくてはならないので、さっさと部屋から出ていってください。というか、なぜ今日もわたくしのお部屋で寝ているのです?」
「いや、この部屋元はといえば俺のだから」
「それはそうですが、今はわたくしのお部屋です。乙女の聖域です」
「君、乙女の意味知ってる?」
アルフォードの言葉を完璧に無視したアザリアは、意地でも出ていかないと言いたげなアルフォードを無視して、ベッドを抜け出して、着替えを開始する。
彼で着替えることが嫌だだのなんだの言うのが、心底面倒くさくなってきてしまったのだ。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
そのナイフの刃が彼に届くことは決してないのだが、なんとなくムカついたために武器を手に取った。
案の定、彼はアザリアの攻撃を軽く止め、その挙句アザリアの手から武器を握り取り、アザリアのくちびるを奪った。
あまりの早技に、もう二の句を継ぐことさえもできない。
「今日もキレッキレだな、アザリア。もうこれなら並の相手では敵うまい」
「………元々、わたくしはそれなりに強かったですわ。というか、組織でナンバー2でしたのよ?」
「へー、《ブラックローズ》ってそんなに弱い組織だったんだ」
「っ、」
「アレ?気づいてないと思ってたのか?」
「………いいえ。
あなたさまならご存知の可能性はあると思っていたのですが、ここまでさらっと言われるとは思っても見ていませんでしたので………………、」
少し罰が悪そうな表情をしたアザリアに、アルフォードは苦笑した。
「さて、わたくしは組織の方に定期報告に行ってこなくてはならないので、さっさと部屋から出ていってください。というか、なぜ今日もわたくしのお部屋で寝ているのです?」
「いや、この部屋元はといえば俺のだから」
「それはそうですが、今はわたくしのお部屋です。乙女の聖域です」
「君、乙女の意味知ってる?」
アルフォードの言葉を完璧に無視したアザリアは、意地でも出ていかないと言いたげなアルフォードを無視して、ベッドを抜け出して、着替えを開始する。
彼で着替えることが嫌だだのなんだの言うのが、心底面倒くさくなってきてしまったのだ。
*************************
読んでいただきありがとうございます🐈🐈🐈
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
37
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる