【完結】いせてつ 〜TS転生令嬢レティシアの異世界鉄道開拓記〜

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レティシア15歳 輝く未来へ

【番外編】レティの鉄道講座 そのじゅう!

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「は~い、またまたやってきましたこのコーナー!鉄道講座の第10回です!!」

「はじめまして。アシスタント代理のLですわ」

「あ、あれ……?ルシェー「Lですわ」……Lちゃん、なんで……」

「Kさんは今回、都合がつかず、私が代理を任されたのですわ。あ、これは【番外編】ですから……本編の私とは違う存在と思って下さいまし。『地球』や『日本』の話しをしてくださっても大丈夫ですわ」

「りょ、りょーかいだよ(カティアはもうイニシャルトークやめてるんだけど)……まあ、メタ発言は今更だね」

「でも、私は鉄道のことはさっぱり分からないので、役に立つのか……」

「大丈夫大丈夫!そーゆう人のために説明するコーナーだから!それじゃあ、気を取り直して……今回のテーマは『駅』です!」

「駅……と言うと、列車に乗降するための場所の事ですわね」

「そう、Lちゃんもイスパルナ北駅から乗って、トゥージス駅で降りたよね」

「はい、たいへん素晴らしい体験でしたわ」

「うんうん、そう言ってもらえると嬉しいな。それで……駅というのは列車に乗り降りする場所というのはもちろんその通りなんだけど、他にも色々な役割があるんだよ」

「他の役割……ですの?」

「うん。例えば……いま私達が開業に向けて敷設を進めているイスパルナ~アクサレナ間は、列車同士がすれ違えるように複線で作ってるんだ。だけど、一本の線路を両方向で共用する『単線』という方法もあるんだ」

「それだと……途中で衝突してしまいますわ」

「うん。だからそうならないように、駅ですれ違い……列車交換が出来るようにしておくんだ」

「なるほど、それが駅の役割の一つ……ということですのね」

「乗降設備を持たない『信号場』というのもあるんだけど。日本の歴史的には信号場から駅に昇格したケースが結構あるね」


「あとはどんな役割があるんですの?」

「運行上の拠点となる駅には車両基地が併設されてるケースが多いね。あとは乗務員の交代が行われたりとか、貨物の積み下ろしを行う貨物駅なんてのもある」

「旅客、物流、運行管理上の重要拠点である……と、理解しましたわ」

「うんうん。さすがLちゃん、理解が早いね。……で、そんな重要拠点には人やモノが集まるわけで」

「あ、分かりましたわ。人や物が集まれば、その周辺は発展していく。つまり、都市計画的にも大きな影響を及ぼす……と仰りたいのでしょう?」

「そう!それこそが鉄道がもたらす大きな恩恵の一つなんだよ!……まあ、もちろん様々な要因が絡むので、必ずしも発展するわけじゃないけどね。でも、かつての『日本』では、鉄道駅を中心として市街が形成されるケースが多かったのは確かだよ」

「イスパルナもアクサレナも、駅ができるのは外れの方ですけど……将来的には中心地が移っていく可能性もあるということですわね」




「それじゃあ次に……駅の構造について」

「乗るところは少し高くなった足場になってましたわ」

「そうだね。あれは日本だと『プラットホーム』とか、略して『ホーム』とか言うんだけど……語源は『platform』だから本当は『~フォーム』なんだろね」

「?」

「まあ、とりあえずモーリス商会ウチでも『ホーム』って呼んでるから、それで覚えてもらって構わないよ」

「先駆者のレティシアさんが決めれば良いと思いますわ」

「そだね。で、このホームが線路に沿って配置されていて、数え方は『面』になる。線路の数『線』と合わせて『◯面△線』という風に、その駅のざっくりした配線が分かるんだ。例えば、一面二線ならホームを挟んで両側に線路が、二面二線なら複線を挟む形でホームが二つ。……って感じ。前者は島式ホーム、後者は対向式ホームとも言う」

「ふむふむ……ですわ」

「ホーム上には、屋根やベンチ、駅名標とか時刻表なんかの各種案内みたいな旅客向けの様々な設備のほかに、信号、標識なんかの鉄道員向けの設備があるよ」

「これからそういう設備が充実していくのですわね」

「そういうこと。あとは駅舎も重要。これもイスパルナ北駅はまだ只の作業小屋なんだけど、これから立派なものを作る予定だよ。何と言ってもその街の玄関口、『顔』とも言える大事な存在だからね」

「どんな物が出来るのか楽しみですわ」

「駅舎には駅員の事務所、切符の販売所、待合室、売店、トイレ……などなど。その駅の規模にもよるけど、様々な設備や施設があるんだ。それこそ『地球』の大都市の駅なんかだと、それ自体が街と呼べるくらいのものもあるんだよ」

「想像もつきませんわ……未来にはそんな光景が見られるのでしょうか」

「アクサレナとかなら十分に可能性はあるね。……で、日本の駅だと列車に乗るためのホームには、基本的に駅舎から『改札』を経由して行くことになる」

「改札?」

「切符……乗車券を確認するところだね。日本だと自動化されてるところが多いけど、昔は駅員さんが一人ひとり確認してたんだ。でも、ヨーロッパなんかだと改札が無かったりもするんだ」

「え?どうやって確認するんですの?」

「『信用乗車方式』って言うんだけど、基本的にはチェックされない。でも、ときどき抜き打ちで車内改札があって、有効な乗車券を持ってないと多額の罰金を取られるんだ」

「なるほど……そんなやり方もあるのですね」

「実はイスパルの鉄道もそっちにする予定。将来的にはどうなってるか分からないけどね。……ぶっちゃけ、このお話の世界観ってヨーロッパ風なんで、鉄道もそれに倣ってる事が多いかも」







「というわけで今回はここまでまだよ!」

「駅というのが、列車に乗り降りするだけでなく、様々な観点において重要な拠点ということが良く分かりましたわ。これからどんなふうに街の景色が変わるのか……楽しみですわ」

「だね!……それでは、また次回お会いしましょう!!」

「失礼いたしますわ~」

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