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陽動編

動き出す

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ルディヴィスとなる前、前世の話、前世の妹話…今代の聖女だと思う事をシャルティやレオンハルト殿下達以外…第三者であるラッジ先生や保険医の先生にも伝えた

おれが話し終えたあと、分かってはいたが保健室に沈黙が流れる…
全部を信じてくれとは言わない…けど、自分が愛される為ならなんでもやるあの゙クソ妹が本当に聖女だったら…それだけはなんとかしないといけないんだ



「あー…えっと、ちなみになんですけど、ルディヴィス様は昔から人の事ばかり考えてしまうとても素敵な方でしたので…
信じるかどうかはその人の感じ方ですが、今話されてた言葉に嘘はありません…それはルディヴィス様がこんなに小さい頃から知ってる自分が保証します

ついでに聖女様が少なからずやばい女であることは自分も体験済みです…あの聖女様…おじさんにまで色目を使ってくるんですよ…?ううっ、恐ろしいっ…、」


「………ぁ、はい!おれも!聖女様はやべー女だと思います!香水臭いだけじゃないとんでもないクレーマーみたいな気配を感じるんですよ!?!
先生達もアノ匂い、間近で吸ってきてください!苦しみますから…!
あの聖女様と、ルディヴィスとどっち信じるって確定でルディヴィスです!」



しばしの沈黙の後、最初に口を開いたのはまさかのマイケルとイグニスだった
先生達が何も答えないから誰も話せなかった、そんな雰囲気をぶち壊すように元気に二人は聖女様はやばい女だって連呼し始める
そして、比べるのもおかしいくらい、おれの事を信じられると………



「…………ははっ、先生の反応を待ってたとはいえ、俺たちが言いたかったんだけどな…ルディヴィス安心しろ…乙女ゲームって話も信じるし、今回の話も俺は、俺たちは疑うなんてしない
なぁ、マイズ?」

「ええ、もちろんですよ」



………どうしよう、嬉しい
正直怖かった
妄想や空想だと言われてもおかしくない話だからこそ、いくら仲良しでも何いってんだよっていつか言われてしまうんじゃないかって思ってたから…
でも、みんなルディヴィスをおれを信じてくれるって事が改めて嬉しい…
おれが昔からしてきた行動が、みんなを本当の意味で救って、仲良しになって…今の゙信頼関係作ってるって…シャルティが言ってくれるから余計に嬉しかった

先生たちは、こんな俺たちをじっと見つめてから口を開く…ちょっとだけ眉間にシワを寄せながら




「説明ありがとうなルディヴィス………まぁ、うん………なんとも、本来なら夢でも見てるんじゃないのかって内容の話ではあるんだが…
これまで起きた事、さっきの聖女様の言葉…シャルティとや殿下達の反応を見るに嘘をついていると言い切れない…な…

今すぐ疑わずに信じれるか、って考えると…前世とかゲームとか考えた事もなかったんだ…難しいのはわかってくれ…だが個人的にはルディヴィス、お前を信じたい

しかし、俺達は教師だ…これまでの件もだが…正確な証拠がない状態で生徒一人を特別扱いや非難はできない
何か…聖女様がお前の言う危険人物だと言える証拠は…あるか?」



証拠、確かにそうだ
妄想のような話を信じるのは難しい
現在の聖女が確実におれの妹だとするなら…危険人物だという証拠も無いのに非難する事は教師には出来ない…それはちゃんと分かってる
保険医の先生もラッジ先生に合わせ頷き、俺たちを見てくる…でも、その目は疑い等ではなく、個人的にはおれを信じたいって考えてくれている温かい眼差しだった

今はそれだけで十分だ



「……証拠…………それはありません
これまでの事も記録には全て取ってあるんです…けど足りない…奇跡を起こす聖女様を危険人物だと言うにはまだ到底足りない…

おれの前世の妹だと言うのもまだ憶測でしかないんです、まだ共通点があまりにもありすぎているという段階で…
だから、これから証明は集めます…いや、実際に見て欲しい!!先生達にもおれの前世の゙妹がどれだけやばい奴なのか…本当に妹なら、あの化けの皮を剥がせば色々見えてくるんで…」


「ルディヴィス…俺たちに見せる、それは具体的に何をするんだ…?実際に見ると言っても犯罪行動とかはお前にしてほしくないぞ?」



ラッジ先生は保険医の先生と顔を見合わせてから、おれを見て心配そうに話す
聖女がやばい存在だと証拠を集めるために危険な事をするかもと思われたのかもしれない…でも、そんな事はしませんから…



「野蛮な事は何一つしません、するのは一つ…乙女ゲームの世界線に沿って悪役令嬢サイドのおれが聖女様を触発します
そして、前世の兄であると間接的に気付かせて尻尾を出させる…もしも前世の妹じゃ無ければそれはそれで反応を見て対応、もしも…前世の妹であれば、シャルティ達が被害に合わないように先生達には守って欲しいんです…!

やる事は一つ、明日から聖女に対して陽動を掛けます…レオンハルト殿下と聖女に見せつけるみたいに凄くいちゃいちゃしたり…マイズ、イグニスとおれたち凄く仲良しを聖女にアピールしたり…」



今までは情報を集める程度だったから、勝手に転ぶ姿や笑顔に怯える変な姿しか映像も得られていないしおれから動くって事はなかった、でもそれじゃ足りないんだ


「そして…、前世の妹…桃香の兄であるおれでしか知り得ない昔の思い出を餌にします
前世の母が昔おれたち兄妹にくれたアクセサリーを復元し、常に身につける…それに気付いた聖女の行動を見てほしいです」



おれが考えた作戦、それは陽動だ
自分が愛されて当然と思い込んでいる妹なら目の前でこんな事をされれば何邪魔してくれてんのよって絶対に我慢できなくなってくるはず
特に攻略対象者と仲良くしているのが前世の兄とか、何も言わずに我慢なんて出来るはずかない



「とりあえず明日から、レオンハルト殿下……お、おれと聖女の視界で……き…キス、しよう!」








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