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冷遇妻編
姫の涙と拳
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Side メニラ
「嘘、でしょう…?まさかそんな事態なるわけ…嘘だと言って…?ねぇ………」
「姫様、嘘では御座いません…これは先日我が兄から実際に事実確認を終えて伝えられた事実です
姫様を苦しめた人族を許せないと…皇帝始め重鎮全てが荒れ狂っております
レラージェ国の人間に姫様の受けた屈辱を味あわせ、更に滅ぼす開戦の狼煙として…姫様が言うあの方が選ばれ、鮮血の人狼閣下と呼ばれるフリード辺境伯と婚姻し…現在も冷遇生活を強要されております」
な、なんてことなの…?
あまりにもショックで、手に持っていた紅茶の入った茶器を落としそうになり、侍女が素早く受け取ってくれる
嘘、うそ…あの日、私は確かに人は全員が獣人を蔑む訳じゃないと、心が綺麗な人もいると言ったはずなのに?あの方のような優しい人を国ごと消させない為に必死に…必死何を言ったの?どうしよう…全てを思い出せない………
ドラレイド帝国の皇帝であるお父様が、その重鎮の皆さんがそこまでしてレラージェ国を見極め、滅ぼそうとするのは…私があの日、第二王子殿下に捨てられてショックで事実をちゃんと伝えて行動しなかったからだわ……
「ねぇ…………ちょっと私を殴って下さらない…?」
「お断りします、私まで皇帝に食われる可能性に繋がりますゆえ…」
急に込み上げてきた罪悪感に、殴ってとお願いするけど、真顔の侍女に断られてしまったわ…
駄目ね、やっぱり私にもドラレイド帝国らしい血が流れている…私が許せない…恩人を放置し酷い仕打ちをしてしまった事の罰が欲しい…
先程まで悲しみに枕を濡らしていたことが嘘のように、心がスッキリとしている、今は泣いている場合じゃないと心が叫ぶの…私のせいで唯一あの場で助けてくれたあの方が酷い目に合ってるなんておかしいもの…
私も勿論悪い、でも脳筋なお父様も重鎮の皆も人の話聞かないわ勝手に妄想するわ、直に肉体言語に走るのが悪い…何より一番悪いのは第二王子殿下と聖女って女なのよ…!!
国同士の繋がりを、政略結婚をなんだと思ってるの?なんで私はあんな男好きだったの??
段々とイライラしてきた、私も悪いけどこの気持ちを抑えられなくなる…
とりあえず拳で語り合って誤解を解かなければ…
…………………
……………
………
ドラレイド帝国は周囲の国々を飲み込み、そのカリスマで統治する巨大な国、その城すらも大きい…早く、早くお父様に誤解を解いて、あの方を救い出してほしいのにどうしてこんなにも廊下が長く、扉多いのでしょうか…!
私を愛するあまり物理的に箱入りにしているように思えてならないこの面倒な扉を全て破壊して進みたい、そんな気持ちを胸にひたすらに走る…走る…
姫である私が全力で走っているのだから使用人は皆驚いた顔をしているが、そんな事を気にしている場合じゃ無いの…!
必死に走り、獣化してドレスが脱げることだけはなんとか耐え、扉を何枚も開けて皇帝であるお父様とその部下の皆さんが居る部屋へとたどり着く
「お父様!」
扉を蹴破らずに姫としての最低限美しい振る舞いを保ちつつ、部屋に入った
私の父上であり我が国の皇帝ヴァイゼルは獅子の獣人、2mを軽く超える身長と、全身を包む筋肉は拳一振りで壁を5枚ほど吹き飛ばす、私の母を含め、複数の妃を持ち一夫多妻制の頂点を表すかのような体格の持ち主
圧倒的な力、圧倒的なカリスマ力、そして…
「おお!メニラ!傷付いた心は穏やかになったか?お前を苦しめたレラージェ国の人間は今、耐え難い冷遇の中でお前の受けた苦しみを骨の髄まで痛感している所だ!
安心しなさい、たっぷりと苦しめた上で、政略結婚すらわからない知能の国など我が更地となるまで打ち滅ぼしてあげよう
ん?どうした?呆けた顔をして可愛いなメニラよ、おはようのキスでもパパとするか?ん?」
「「「「姫様が起きておられる!よかったぁ!!!」」」」
どうしようもない程、母にもおバカと言われるお父様は、同じような性格をした重鎮と一緒に、私が恐れていた事を本当に全て実施していた………
「…………っ………………私も馬鹿ですわ、本当に救いようのない愚か者…でも、でも……………っ!!!!お父様の馬鹿ーーー!!!!!」
「へぶぅ!!!!!!」
「「「「ヴァイゼル様!?!」」」」
ドレスのスカート部分を切り裂き、大きく足を踏み込み力任せに拳を振り上げた
猫科である私のパンチ、猫パンチは男前なお父様の頬に適度に食い込む…間抜けな顔なのに男前なのが腹ただしい…
お父様は私の拳を避けない、それは私に殴られても痛くないほど、愛された末の姫だから…
愛されてるのは嬉しい…でもそれが原因で今回の冷遇事件は起きてしまった、私も悪いけどお馬鹿で脳筋なお父様も悪い…だから殴り合って語り合わなきゃいけないの…!!!
………………
…………
……
Side チュウリル
わたしはチュウタグルの妹、チュウリル…ドラレイド帝国のメニラ姫に使える侍女
今回の悲しい事件は何処から始まってしまったのでしょう…メニラ姫断罪からの婚約破棄、愚かなレラージェ国への報復を行うと初めてその話しを噂で聞いたとき、人とはなんと酷い生き物なのでしょうと受け入れておりました…
しかし、わたしの兄から聞いた人質の存在は余りにも被害者で、聞いていた話と違いすぎていて、可哀想で…
だからこそ、なんとかして欲しくて姫様に話したのですが…それが目の前で繰り広げられる地獄絵図に繋がると誰が想像したでしょうか…
繰り広げられる肉弾戦
ドレスなど破れ下着まで見えそうで見えない姫様と、逞しい胸筋を曝け出し拳を振るうヴァイゼル様…そして姫の猫パンチを受けたくて並ぶ重鎮達…
拳と拳で語り合う事で過去、ドラレイド帝国は平和に統治されたと伝説が残っていますが…これは…なんという状況なのでしょう…
言葉よりも拳で語る、可憐な姫様もやはりドラレイド帝国の姫だと納得する光景…
レラージェ国、第二王子殿下に嫁いでこの肉体言語を隠しきれたのか…今となってはわかりませんが、目の前で繰り広げられる拳の語り合いは状況は2時間ほど続き…
そしてレラージェ国から連れてこられた人質、リデン様が冷遇を受けるべき存在ではない被害者だと皆理解されたのです
「嘘、でしょう…?まさかそんな事態なるわけ…嘘だと言って…?ねぇ………」
「姫様、嘘では御座いません…これは先日我が兄から実際に事実確認を終えて伝えられた事実です
姫様を苦しめた人族を許せないと…皇帝始め重鎮全てが荒れ狂っております
レラージェ国の人間に姫様の受けた屈辱を味あわせ、更に滅ぼす開戦の狼煙として…姫様が言うあの方が選ばれ、鮮血の人狼閣下と呼ばれるフリード辺境伯と婚姻し…現在も冷遇生活を強要されております」
な、なんてことなの…?
あまりにもショックで、手に持っていた紅茶の入った茶器を落としそうになり、侍女が素早く受け取ってくれる
嘘、うそ…あの日、私は確かに人は全員が獣人を蔑む訳じゃないと、心が綺麗な人もいると言ったはずなのに?あの方のような優しい人を国ごと消させない為に必死に…必死何を言ったの?どうしよう…全てを思い出せない………
ドラレイド帝国の皇帝であるお父様が、その重鎮の皆さんがそこまでしてレラージェ国を見極め、滅ぼそうとするのは…私があの日、第二王子殿下に捨てられてショックで事実をちゃんと伝えて行動しなかったからだわ……
「ねぇ…………ちょっと私を殴って下さらない…?」
「お断りします、私まで皇帝に食われる可能性に繋がりますゆえ…」
急に込み上げてきた罪悪感に、殴ってとお願いするけど、真顔の侍女に断られてしまったわ…
駄目ね、やっぱり私にもドラレイド帝国らしい血が流れている…私が許せない…恩人を放置し酷い仕打ちをしてしまった事の罰が欲しい…
先程まで悲しみに枕を濡らしていたことが嘘のように、心がスッキリとしている、今は泣いている場合じゃないと心が叫ぶの…私のせいで唯一あの場で助けてくれたあの方が酷い目に合ってるなんておかしいもの…
私も勿論悪い、でも脳筋なお父様も重鎮の皆も人の話聞かないわ勝手に妄想するわ、直に肉体言語に走るのが悪い…何より一番悪いのは第二王子殿下と聖女って女なのよ…!!
国同士の繋がりを、政略結婚をなんだと思ってるの?なんで私はあんな男好きだったの??
段々とイライラしてきた、私も悪いけどこの気持ちを抑えられなくなる…
とりあえず拳で語り合って誤解を解かなければ…
…………………
……………
………
ドラレイド帝国は周囲の国々を飲み込み、そのカリスマで統治する巨大な国、その城すらも大きい…早く、早くお父様に誤解を解いて、あの方を救い出してほしいのにどうしてこんなにも廊下が長く、扉多いのでしょうか…!
私を愛するあまり物理的に箱入りにしているように思えてならないこの面倒な扉を全て破壊して進みたい、そんな気持ちを胸にひたすらに走る…走る…
姫である私が全力で走っているのだから使用人は皆驚いた顔をしているが、そんな事を気にしている場合じゃ無いの…!
必死に走り、獣化してドレスが脱げることだけはなんとか耐え、扉を何枚も開けて皇帝であるお父様とその部下の皆さんが居る部屋へとたどり着く
「お父様!」
扉を蹴破らずに姫としての最低限美しい振る舞いを保ちつつ、部屋に入った
私の父上であり我が国の皇帝ヴァイゼルは獅子の獣人、2mを軽く超える身長と、全身を包む筋肉は拳一振りで壁を5枚ほど吹き飛ばす、私の母を含め、複数の妃を持ち一夫多妻制の頂点を表すかのような体格の持ち主
圧倒的な力、圧倒的なカリスマ力、そして…
「おお!メニラ!傷付いた心は穏やかになったか?お前を苦しめたレラージェ国の人間は今、耐え難い冷遇の中でお前の受けた苦しみを骨の髄まで痛感している所だ!
安心しなさい、たっぷりと苦しめた上で、政略結婚すらわからない知能の国など我が更地となるまで打ち滅ぼしてあげよう
ん?どうした?呆けた顔をして可愛いなメニラよ、おはようのキスでもパパとするか?ん?」
「「「「姫様が起きておられる!よかったぁ!!!」」」」
どうしようもない程、母にもおバカと言われるお父様は、同じような性格をした重鎮と一緒に、私が恐れていた事を本当に全て実施していた………
「…………っ………………私も馬鹿ですわ、本当に救いようのない愚か者…でも、でも……………っ!!!!お父様の馬鹿ーーー!!!!!」
「へぶぅ!!!!!!」
「「「「ヴァイゼル様!?!」」」」
ドレスのスカート部分を切り裂き、大きく足を踏み込み力任せに拳を振り上げた
猫科である私のパンチ、猫パンチは男前なお父様の頬に適度に食い込む…間抜けな顔なのに男前なのが腹ただしい…
お父様は私の拳を避けない、それは私に殴られても痛くないほど、愛された末の姫だから…
愛されてるのは嬉しい…でもそれが原因で今回の冷遇事件は起きてしまった、私も悪いけどお馬鹿で脳筋なお父様も悪い…だから殴り合って語り合わなきゃいけないの…!!!
………………
…………
……
Side チュウリル
わたしはチュウタグルの妹、チュウリル…ドラレイド帝国のメニラ姫に使える侍女
今回の悲しい事件は何処から始まってしまったのでしょう…メニラ姫断罪からの婚約破棄、愚かなレラージェ国への報復を行うと初めてその話しを噂で聞いたとき、人とはなんと酷い生き物なのでしょうと受け入れておりました…
しかし、わたしの兄から聞いた人質の存在は余りにも被害者で、聞いていた話と違いすぎていて、可哀想で…
だからこそ、なんとかして欲しくて姫様に話したのですが…それが目の前で繰り広げられる地獄絵図に繋がると誰が想像したでしょうか…
繰り広げられる肉弾戦
ドレスなど破れ下着まで見えそうで見えない姫様と、逞しい胸筋を曝け出し拳を振るうヴァイゼル様…そして姫の猫パンチを受けたくて並ぶ重鎮達…
拳と拳で語り合う事で過去、ドラレイド帝国は平和に統治されたと伝説が残っていますが…これは…なんという状況なのでしょう…
言葉よりも拳で語る、可憐な姫様もやはりドラレイド帝国の姫だと納得する光景…
レラージェ国、第二王子殿下に嫁いでこの肉体言語を隠しきれたのか…今となってはわかりませんが、目の前で繰り広げられる拳の語り合いは状況は2時間ほど続き…
そしてレラージェ国から連れてこられた人質、リデン様が冷遇を受けるべき存在ではない被害者だと皆理解されたのです
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