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魔族と人国と僕ら
10.想い合う
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side 魔王様
聖魔法結界を張るための重役を勇者へ指示した、それはあいつを信頼していたから出来たこそだ
なぜ、そこまで他国の敵だった男を…この世界の住人ですらない男を信用できたのか…ちゃんとした理由もある
あの、呪物に犯され魔力が枯渇していた勇者を救ったあの日から、勇者はほぼ毎日俺に抱かれている
俺を信じ甘え…身を委ねてくるあいつに何か裏など全くない事は直ぐにわかった
治療が目的だとしても、何も知らなかった勇者の初めてを奪ったのは俺だ、その身に快楽を教え込んだのも…
だからこそ始めての快楽に溺れてしまった勇者を慰め、相手をしてやるのも俺の務めだと思っていた
勇者が俺を好いている事も知っている…あそこまで好意を向けられて気付かないほど馬鹿じゃない
勇者の好意が嫌な訳では無い、むしろ好ましい…俺に抱かれ喘ぎ、気を失うほど絶頂を見せてくれるあいつが…真っ直ぐに俺を好きだと伝えてくるその目が好きだ…
だが、俺は怖かった
この国で最も強い魔力を持つ者…だからこそ魔王と呼ばれこの国を統治できている
宰相のレベリアも魔力が多いが俺ほどじゃない、この国で俺が、俺だけが異様に強い魔力を持つ理由がある…それを知っているのは同時期に生まれたとされるレベリアくらいだ
俺達、この国に住む魔族は人を愛おしく思う、愛したい…番たいと、孕ませたいと本能が叫ぶ…それは止める事が出来ない感情があるからだ
相手の同意が合ったとしても強すぎる力は相手に無害という訳ではない…
俺の魔力を、治療としてではなく愛するために…孕ませる為に勇者に注ぎ込みたい…そうある日考えてしまい俺は恐怖した
相手は人間だ…この国の者ですらない…魔力は多いがだだの人である勇者、俺が愛してしまえば孕ませようと幾日も本当に抱くだろう…そんな事をすれば確実に人である勇者は死ぬとしても、本能を止められそうにない…
確実に死ぬまで愛し続けてしまう事が怖かった…だからこそ慰めているだけど割り切り、勇者の性的興奮を紛らわす治療だと思い込みこれまで来たんだ
心の内で勇者を愛しているからこそ、あいつを信用しているからこそ、この国で俺と共に平和に過ごしたい気持ちから聖魔法結界を張る重役に任命していた俺がいる
無論、失敗しても問題はなかった…なにより失敗は誰にでもある…膨大な魔力を消費する国土を守る結界が直ぐに必要な現状でも失敗したらしたで俺が戦闘で前に出ればいい事だ
それでも、俺は勇者に重要な命として重役を言い放った…宰相の嫁のサポートがあったとしてもかなりの心理的負荷になっている事など知らずに
好いた相手に俺と同じ他者を守るものになって欲しかったのかもしれない…
聖魔法結界を構築する作戦当日、俺は勇者の魔法が成功することを祈りながら各地点を渡り、状況の確認と司令を行い状況の調整を行う
巨大な魔力の気配が媒介を中継して国土に広がる
想像以上に勇者は優秀だった
空に浮かび上がる美しい魔力の紋様…
あと少しで術式が完全な物になり聖魔法結果が完成する、そう思った感じた時、俺の耳に入ったのはレベリアからの通信だった
勇者の心の異変、失敗すれば俺に嫌われると怯えていると言う…お前な…なんでそんなに可愛いかな…
そんな情報を届けてくれるあたり、宰相の嫁を側に付けておいて正解だったと思う
「お前は…俺がいれば不安じゃなくなるっていうのか?勇者……」
不安な勇者が泣いているかもしれないのにな…心が満たされるような気分になる、俺はお前がいない日を本当はもう想像できねぇんだよ…勇者
連絡を受け、直ぐに俺は勇者の元へ向かった…一言頑張れと言ってやればいいかもしれねぇ、軽い気持ちで向かったんだ
聖魔法結果を生み出す魔法陣の中心、そこで勇者は絶望と魔力欠乏で青褪め今にも死にそうな顔をしていた、辺りの術式はヒビが入り始めている…
隣にいる宰相の嫁も膝を着きそうになっている所をみると確実に魔力不足…そして精神的不安が術式を不安定にさせ崩壊を招いている
現れた俺を見て青褪めた顔を更に歪ませ、勇者は涙を溢す…言わなくてもわかる、失敗した、俺に嫌われてしまったと心のなかで泣き叫んでいるんだろう…
ふざけんなよ?勇者…
それは俺が直接伝えた事か?俺の顔を見てもそう思ってんのか…?……………違う、そうじゃない何も伝えずにお前の気持ちを一方的に受け取っていた俺のせいだ
迷うくらいならお前に言えばよかったんだな…
今にも気絶しそうな勇者の前に立ち、有無を言わせず唇を奪う…聖魔法結果に必要な足りない分の魔力を注ぎ込みながら勇者の口内を貪る
嫌われたと思っている勇者の舌は何時もと違い逃げ惑うが、知らねぇ…俺をここまで依存させたんだ今更逃げるなんて許さねぇよ
くちゅくちゅと舌を絡め扱く音と与えられる快楽に青褪めていた顔に赤みが僅かに戻る
ギリギリまで完成していた聖魔法結果は俺の魔力で事足りたのか直ぐに完成した
眩い光と共に空へと伸びる魔力の帯が国土を包む…偉いよ、お前は…ちゃんと成功させてんじゃねぇか結果魔法
唇を離し、勇者を見つめる…これからはちゃんと言葉にするからな、受け入れろよ勇者…
「勇者、俺もお前が好きだ…………一人にして悪かった…愛してる、どうしようもない程に俺はお前に依存してる」
そう伝えると目の絶望が驚きに変わったのがわかるが、そのまま魔力枯渇で勇者は結界魔法の光の中意識を失った
勇者を抱き抱え、再びキスを送る
起きたら嫌になるくらい褒めて、愛してやるからな………覚悟しろ
この日、帝魔国全土に悪意に反応し拒絶を示す巨大な聖魔法結果が生み出された
聖魔法結界を張るための重役を勇者へ指示した、それはあいつを信頼していたから出来たこそだ
なぜ、そこまで他国の敵だった男を…この世界の住人ですらない男を信用できたのか…ちゃんとした理由もある
あの、呪物に犯され魔力が枯渇していた勇者を救ったあの日から、勇者はほぼ毎日俺に抱かれている
俺を信じ甘え…身を委ねてくるあいつに何か裏など全くない事は直ぐにわかった
治療が目的だとしても、何も知らなかった勇者の初めてを奪ったのは俺だ、その身に快楽を教え込んだのも…
だからこそ始めての快楽に溺れてしまった勇者を慰め、相手をしてやるのも俺の務めだと思っていた
勇者が俺を好いている事も知っている…あそこまで好意を向けられて気付かないほど馬鹿じゃない
勇者の好意が嫌な訳では無い、むしろ好ましい…俺に抱かれ喘ぎ、気を失うほど絶頂を見せてくれるあいつが…真っ直ぐに俺を好きだと伝えてくるその目が好きだ…
だが、俺は怖かった
この国で最も強い魔力を持つ者…だからこそ魔王と呼ばれこの国を統治できている
宰相のレベリアも魔力が多いが俺ほどじゃない、この国で俺が、俺だけが異様に強い魔力を持つ理由がある…それを知っているのは同時期に生まれたとされるレベリアくらいだ
俺達、この国に住む魔族は人を愛おしく思う、愛したい…番たいと、孕ませたいと本能が叫ぶ…それは止める事が出来ない感情があるからだ
相手の同意が合ったとしても強すぎる力は相手に無害という訳ではない…
俺の魔力を、治療としてではなく愛するために…孕ませる為に勇者に注ぎ込みたい…そうある日考えてしまい俺は恐怖した
相手は人間だ…この国の者ですらない…魔力は多いがだだの人である勇者、俺が愛してしまえば孕ませようと幾日も本当に抱くだろう…そんな事をすれば確実に人である勇者は死ぬとしても、本能を止められそうにない…
確実に死ぬまで愛し続けてしまう事が怖かった…だからこそ慰めているだけど割り切り、勇者の性的興奮を紛らわす治療だと思い込みこれまで来たんだ
心の内で勇者を愛しているからこそ、あいつを信用しているからこそ、この国で俺と共に平和に過ごしたい気持ちから聖魔法結界を張る重役に任命していた俺がいる
無論、失敗しても問題はなかった…なにより失敗は誰にでもある…膨大な魔力を消費する国土を守る結界が直ぐに必要な現状でも失敗したらしたで俺が戦闘で前に出ればいい事だ
それでも、俺は勇者に重要な命として重役を言い放った…宰相の嫁のサポートがあったとしてもかなりの心理的負荷になっている事など知らずに
好いた相手に俺と同じ他者を守るものになって欲しかったのかもしれない…
聖魔法結界を構築する作戦当日、俺は勇者の魔法が成功することを祈りながら各地点を渡り、状況の確認と司令を行い状況の調整を行う
巨大な魔力の気配が媒介を中継して国土に広がる
想像以上に勇者は優秀だった
空に浮かび上がる美しい魔力の紋様…
あと少しで術式が完全な物になり聖魔法結果が完成する、そう思った感じた時、俺の耳に入ったのはレベリアからの通信だった
勇者の心の異変、失敗すれば俺に嫌われると怯えていると言う…お前な…なんでそんなに可愛いかな…
そんな情報を届けてくれるあたり、宰相の嫁を側に付けておいて正解だったと思う
「お前は…俺がいれば不安じゃなくなるっていうのか?勇者……」
不安な勇者が泣いているかもしれないのにな…心が満たされるような気分になる、俺はお前がいない日を本当はもう想像できねぇんだよ…勇者
連絡を受け、直ぐに俺は勇者の元へ向かった…一言頑張れと言ってやればいいかもしれねぇ、軽い気持ちで向かったんだ
聖魔法結果を生み出す魔法陣の中心、そこで勇者は絶望と魔力欠乏で青褪め今にも死にそうな顔をしていた、辺りの術式はヒビが入り始めている…
隣にいる宰相の嫁も膝を着きそうになっている所をみると確実に魔力不足…そして精神的不安が術式を不安定にさせ崩壊を招いている
現れた俺を見て青褪めた顔を更に歪ませ、勇者は涙を溢す…言わなくてもわかる、失敗した、俺に嫌われてしまったと心のなかで泣き叫んでいるんだろう…
ふざけんなよ?勇者…
それは俺が直接伝えた事か?俺の顔を見てもそう思ってんのか…?……………違う、そうじゃない何も伝えずにお前の気持ちを一方的に受け取っていた俺のせいだ
迷うくらいならお前に言えばよかったんだな…
今にも気絶しそうな勇者の前に立ち、有無を言わせず唇を奪う…聖魔法結果に必要な足りない分の魔力を注ぎ込みながら勇者の口内を貪る
嫌われたと思っている勇者の舌は何時もと違い逃げ惑うが、知らねぇ…俺をここまで依存させたんだ今更逃げるなんて許さねぇよ
くちゅくちゅと舌を絡め扱く音と与えられる快楽に青褪めていた顔に赤みが僅かに戻る
ギリギリまで完成していた聖魔法結果は俺の魔力で事足りたのか直ぐに完成した
眩い光と共に空へと伸びる魔力の帯が国土を包む…偉いよ、お前は…ちゃんと成功させてんじゃねぇか結果魔法
唇を離し、勇者を見つめる…これからはちゃんと言葉にするからな、受け入れろよ勇者…
「勇者、俺もお前が好きだ…………一人にして悪かった…愛してる、どうしようもない程に俺はお前に依存してる」
そう伝えると目の絶望が驚きに変わったのがわかるが、そのまま魔力枯渇で勇者は結界魔法の光の中意識を失った
勇者を抱き抱え、再びキスを送る
起きたら嫌になるくらい褒めて、愛してやるからな………覚悟しろ
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