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第2章 二十歳のキス、その先は…
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かなり泥酔してるっぽい。私はため息をつくとゆっくりと立ちあがり、
「大丈夫ですってば。ちょっと拭いてきますね」
先輩の肩を優しく叩いて、私は宴会場を出て洗面所に向かった。私は軽く2杯飲んだだけ。あまり、酔っていないと思う。少し足取りがふらつくけど。
洗面所がある角を曲がると、突然誰かが勢いよくぶつかってきて、
「いったぁい…」
と鼻を押さえた。まじで痛かった。鼻が真横に倒れるくらい折れたかと思った!文句の一つでも言ってやろうと思って顔を上げて、
「ちょっとどこ見て…」
と言いかけて、言葉を飲んだ。
「あれ?雪子?」
懐かしい、声。
少しダミ声だけど、その低いトーンは、私の耳の中にスーッと入ってきた。トロンと解けるような眼差しで、虚ろに揺れている。そして、かなり酒くさい。この懐かしい感じは…。
「坂井さん?なんでここに…!」
坂井理…!
そうだ。あいつだ。
私の心をかき乱して、キスして逃亡したあいつだ!(なんか、違う?)
「いつこっちに帰ってきてたの?!てか、なんでここで」
「雪子か!大人っぽくなったな!うおおぉ、肌、スベスベ!」
ガサツに笑って、熱を帯びた大きな掌で私の頬を撫で回す。
「ち、ちょっと!やめてよ!」
「かーわいいぃなぁ。雪子か!俺の可愛い雪子じゃん!」
「へ?」
なんか、普通なら絶対に(死んでも)言わなそうな言葉を吐いて、私の肩に顎を乗せて抱きついてくる。
な、なに?
完全に酔っ払ってるよね、こいつ。
「大丈夫ですってば。ちょっと拭いてきますね」
先輩の肩を優しく叩いて、私は宴会場を出て洗面所に向かった。私は軽く2杯飲んだだけ。あまり、酔っていないと思う。少し足取りがふらつくけど。
洗面所がある角を曲がると、突然誰かが勢いよくぶつかってきて、
「いったぁい…」
と鼻を押さえた。まじで痛かった。鼻が真横に倒れるくらい折れたかと思った!文句の一つでも言ってやろうと思って顔を上げて、
「ちょっとどこ見て…」
と言いかけて、言葉を飲んだ。
「あれ?雪子?」
懐かしい、声。
少しダミ声だけど、その低いトーンは、私の耳の中にスーッと入ってきた。トロンと解けるような眼差しで、虚ろに揺れている。そして、かなり酒くさい。この懐かしい感じは…。
「坂井さん?なんでここに…!」
坂井理…!
そうだ。あいつだ。
私の心をかき乱して、キスして逃亡したあいつだ!(なんか、違う?)
「いつこっちに帰ってきてたの?!てか、なんでここで」
「雪子か!大人っぽくなったな!うおおぉ、肌、スベスベ!」
ガサツに笑って、熱を帯びた大きな掌で私の頬を撫で回す。
「ち、ちょっと!やめてよ!」
「かーわいいぃなぁ。雪子か!俺の可愛い雪子じゃん!」
「へ?」
なんか、普通なら絶対に(死んでも)言わなそうな言葉を吐いて、私の肩に顎を乗せて抱きついてくる。
な、なに?
完全に酔っ払ってるよね、こいつ。
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