15 / 29
無敵
しおりを挟む
「一番有り得るのは、俺が篭絡されてそいつに教えたということだろうな」
ジャックが頭を掻きむしりながらそう言った。聖魔法と違って神聖魔法など誰もが学ぶ魔法ではない。神殿ならば、知識として聖女たちが覚えるのかもしれないが、魔力量からして普通の人間に使えるものではないからだ。
皆が青い顔をして俯いた。誰もがそう考えたからだろう。そのつもりがなかったとしても国の崩壊に加担したとなれば、ジャックは反逆者になってしまう。
神殿との確執を考えると、ますます魔力は悪とみなされるだろうな、とメリアンも考えつく。「おお、神よ!」と嬉々として言う教皇が目に浮かぶようだ。まあ、その前にみんな死んでるかも知れないが。初回では神殿が力を無くし、教皇がその地位から退いたのは胸のすく思いではあったが、そこで勤める聖女や神官たちまで連座させるのは心苦しい。
自分が死んだ後どうなったのか見たわけではないが、あれだけ大きな魔法陣だったのだから、無事で済むわけはないだろうし、何より女神自身が『やり直せ』とメリアンを甦らせたのだ。
つまり、あの地点で少なくともこの国は終わったと言うことで。
でも待てよ、とメリアンは首を傾げる。
それほど教皇が神に近しい存在だったのなら、なぜ教皇を不死にして甦らせなかったのか。自称神の僕《しもべ》を公に言って歩いているのだから、神様だってあの男を有意義に使ってやればいいのだ。
だけど神様は、教皇に不死の命を与えなかった。ティアレアを聖女にした教皇に対して怒りを覚えているのか、それともやはり、色々黒い事をやらかしてる教皇は女神と全く繋がっていないのか。大いにありうる。どちらかといえば、悪魔と交信していると言った方が頷けるくらいだ。
やっぱり神殿は信用ならない。
一度目の生の時に神殿、特に教皇への信用は遥か地中に埋めたから、元々信頼も信用もしていないが、女神の存在はメリアンの中で疑う余地のないものになっていた。何度も死に戻りを繰り返しているのだから、何かしら人智を超えた存在に翻弄されているのだ。それが『神』であろうと『魔』であろうと。
「ねえ、つまり、ジャックは神聖魔法である神々の雷の魔法陣の構築方法を知っているということ?」
「ああ。魔法陣自体は知識としてある。使えるかどうかは別にしてな」
「へえ。すごいのね」
「……知ってるだけで使えないがな」
「あんな複雑な魔法陣を理解できるだけすごいと思うわ。わたくし自身、魔石に妨害されて使える魔力にムラがあったから、どこまで行けるのか試したりして魔力枯渇でよく倒れたりしていたの。だからちょっと大きな魔法陣は怖くて使えなかったし、基本を理解するだけでいっぱいいっぱいだったわ。ジャックの書いた論文や魔法哲学書、研究百科をこっそり読み漁ってね。自分の魔力さえ安定していれば試すのに、と何度羨んだかわからなかったわ。それでも到底あなたの領域には達せなかったみたい。悔しいわ」
普通の人間では魔力が圧倒的に足りないため、誰も使える者がいないというわけだ。たとえ魔族ですら世紀末など望まないだろう。それこそ全てを諦めた神ぐらいが使える代物だ。
意外と脳筋タイプなんだなと王太子が呟くが、メリアンは気にしない。ジャックは視線を泳がせ、「ど、どうも」とボソボソと礼を言った。赤くなった顔が可愛いとメリアンは微笑ましく思って、にっこり微笑んだ。
すっかり二人の世界を作っているジャックとメリアンを、生温い目で皆が見守っているのを二人は気づいていない。
魔導士宮の中で、団長と副団長はジャックの両親であるものの、実質の長はジャックなのだそうだ。何せ国一番の魔力の持ち主で、魔道具の作成も魔法陣の製作や取り組みもジャックがやっているらしい。
ただ、ジャックはまだ(ぎりぎり)10代で魔法バカなせいで社交にも慣れていない。王宮魔導士団長ともなれば社交界にも顔を出さなければならず、他の魔導士や神殿から揚げ足を取られないよう、ジャックの両親が代理として携わっているのだそうだ。目下の目標は婚約者を立てる、ということなのだがジャックは興味がなくその話も暗礁に乗り上げている状態。最も神殿と相反する立場にあるということで、なかなか後ろ盾になるような人物(貴族)が見つからないということもあるのだが。
例の暗黒結界も現在研究中なのだとか。ただし、魔力量は個人差があるため、ジャックが扱う魔法陣が全ての人間に安全に扱えるわけでもなく、新しい魔法はなかなか遅々として進まないのが現状だ。
それは、構築された魔法陣を魔力ごと飲み込んでしまう闇結界なのだが、そこに居合わせた人の魔力も全て吸引し飲み込んでしまう為、下手をすれば神々の雷同様に恐ろしい魔法だった。下手すれば、ゾンビ王国の出来上がりである。
魔力を全て抜き取られた後に残るのは、乾涸びたミイラだけ。しかしその体も飲み込まれてしまった場合、魂ごと暗黒の中で迷子になる。つまり魂は天界に戻れず、生まれ変わることもない。それこそ死ねない状態になり、魂だけが暗黒の中で彷徨うことになる。しかも使い手がその結界に呑まれたら、それこそ被害は魔素がある限りとどまる事なくただ拡大していくだけ。国どころか世界が消える。
「最も暗黒結界は人が扱えるサイズの魔法陣だし、リミッターをかけて生命保持魔力まで吸い取らないように構築している最中だ。万人が使えるようになるまでまだまだ調節が必要で、危険度が高いから機密事項になっているんだ」
「なるほど……」
そんな時に、聖魔法を使う少女が空から落ちてきたのだから、ジャックが興味を持つのもわからないでもない。そして、魔力量もジャックを上回るのだとすれば、あれこれ試してみたくもなるだろう。
そしていつの間にか魅了され、全てが狂っていったのか。
「となると、ジャックが彼女に近づくのも危険ですね」
「そういうことになるな。俺も常に状態異常無効化のアクセサリはつけているし、魔法耐性もそれなりにつけているつもりだったが、神聖魔法に抗う方法は無いのかも知れん」
「では、わたくしが参りましょうか?」
「アデル!?」
そこへ驚くべきことに、アデル公爵令嬢が名乗り出た。
「わたくしは魅了魔法を持っていますし、魅了される事はありませんわ。危険なのはもちろん承知ですけれど。ジャック、貴方の魔道具で魔法無効化の手枷などはありませんの?」
「それも考えた。だけどあの女、この尋問室の中から、メリアンの姿を見かけた途端、結界を破るほどの魔法をぶっ放しやがった。それで、俺たちは一度死んだんだ」
「壁ごと外に吹き飛ばされて、瓦礫と共に崩れ去りましたわ」
「……嘘でしょう?」
アデルが唖然とする。
「まあ、ジャックより魔力が多いとなれば当然と言えば、当然か」
「つまり枷はかけられない、ということ?」
「詰んだな」
「聖魔法は人々を癒す魔法だと教えられているし、防ぐ意味がなかったからな。アンデッドや魔獣ならまだしも……吸収できるような代物があれば、大丈夫なんじゃじゃないのか?」
「暗黒結界ですら不発だったってことは、それも難しいな。まさに神の御業というか……創世主の力に抗えるものがあるのか」
まるで羊の群れの中に舞い降りた狼のようなものである。いや、羊とドラゴンくらいの差があるかも知れない。
まるで対策案が出てこない状態にメリアン達は頭を抱えた。
ジャックが頭を掻きむしりながらそう言った。聖魔法と違って神聖魔法など誰もが学ぶ魔法ではない。神殿ならば、知識として聖女たちが覚えるのかもしれないが、魔力量からして普通の人間に使えるものではないからだ。
皆が青い顔をして俯いた。誰もがそう考えたからだろう。そのつもりがなかったとしても国の崩壊に加担したとなれば、ジャックは反逆者になってしまう。
神殿との確執を考えると、ますます魔力は悪とみなされるだろうな、とメリアンも考えつく。「おお、神よ!」と嬉々として言う教皇が目に浮かぶようだ。まあ、その前にみんな死んでるかも知れないが。初回では神殿が力を無くし、教皇がその地位から退いたのは胸のすく思いではあったが、そこで勤める聖女や神官たちまで連座させるのは心苦しい。
自分が死んだ後どうなったのか見たわけではないが、あれだけ大きな魔法陣だったのだから、無事で済むわけはないだろうし、何より女神自身が『やり直せ』とメリアンを甦らせたのだ。
つまり、あの地点で少なくともこの国は終わったと言うことで。
でも待てよ、とメリアンは首を傾げる。
それほど教皇が神に近しい存在だったのなら、なぜ教皇を不死にして甦らせなかったのか。自称神の僕《しもべ》を公に言って歩いているのだから、神様だってあの男を有意義に使ってやればいいのだ。
だけど神様は、教皇に不死の命を与えなかった。ティアレアを聖女にした教皇に対して怒りを覚えているのか、それともやはり、色々黒い事をやらかしてる教皇は女神と全く繋がっていないのか。大いにありうる。どちらかといえば、悪魔と交信していると言った方が頷けるくらいだ。
やっぱり神殿は信用ならない。
一度目の生の時に神殿、特に教皇への信用は遥か地中に埋めたから、元々信頼も信用もしていないが、女神の存在はメリアンの中で疑う余地のないものになっていた。何度も死に戻りを繰り返しているのだから、何かしら人智を超えた存在に翻弄されているのだ。それが『神』であろうと『魔』であろうと。
「ねえ、つまり、ジャックは神聖魔法である神々の雷の魔法陣の構築方法を知っているということ?」
「ああ。魔法陣自体は知識としてある。使えるかどうかは別にしてな」
「へえ。すごいのね」
「……知ってるだけで使えないがな」
「あんな複雑な魔法陣を理解できるだけすごいと思うわ。わたくし自身、魔石に妨害されて使える魔力にムラがあったから、どこまで行けるのか試したりして魔力枯渇でよく倒れたりしていたの。だからちょっと大きな魔法陣は怖くて使えなかったし、基本を理解するだけでいっぱいいっぱいだったわ。ジャックの書いた論文や魔法哲学書、研究百科をこっそり読み漁ってね。自分の魔力さえ安定していれば試すのに、と何度羨んだかわからなかったわ。それでも到底あなたの領域には達せなかったみたい。悔しいわ」
普通の人間では魔力が圧倒的に足りないため、誰も使える者がいないというわけだ。たとえ魔族ですら世紀末など望まないだろう。それこそ全てを諦めた神ぐらいが使える代物だ。
意外と脳筋タイプなんだなと王太子が呟くが、メリアンは気にしない。ジャックは視線を泳がせ、「ど、どうも」とボソボソと礼を言った。赤くなった顔が可愛いとメリアンは微笑ましく思って、にっこり微笑んだ。
すっかり二人の世界を作っているジャックとメリアンを、生温い目で皆が見守っているのを二人は気づいていない。
魔導士宮の中で、団長と副団長はジャックの両親であるものの、実質の長はジャックなのだそうだ。何せ国一番の魔力の持ち主で、魔道具の作成も魔法陣の製作や取り組みもジャックがやっているらしい。
ただ、ジャックはまだ(ぎりぎり)10代で魔法バカなせいで社交にも慣れていない。王宮魔導士団長ともなれば社交界にも顔を出さなければならず、他の魔導士や神殿から揚げ足を取られないよう、ジャックの両親が代理として携わっているのだそうだ。目下の目標は婚約者を立てる、ということなのだがジャックは興味がなくその話も暗礁に乗り上げている状態。最も神殿と相反する立場にあるということで、なかなか後ろ盾になるような人物(貴族)が見つからないということもあるのだが。
例の暗黒結界も現在研究中なのだとか。ただし、魔力量は個人差があるため、ジャックが扱う魔法陣が全ての人間に安全に扱えるわけでもなく、新しい魔法はなかなか遅々として進まないのが現状だ。
それは、構築された魔法陣を魔力ごと飲み込んでしまう闇結界なのだが、そこに居合わせた人の魔力も全て吸引し飲み込んでしまう為、下手をすれば神々の雷同様に恐ろしい魔法だった。下手すれば、ゾンビ王国の出来上がりである。
魔力を全て抜き取られた後に残るのは、乾涸びたミイラだけ。しかしその体も飲み込まれてしまった場合、魂ごと暗黒の中で迷子になる。つまり魂は天界に戻れず、生まれ変わることもない。それこそ死ねない状態になり、魂だけが暗黒の中で彷徨うことになる。しかも使い手がその結界に呑まれたら、それこそ被害は魔素がある限りとどまる事なくただ拡大していくだけ。国どころか世界が消える。
「最も暗黒結界は人が扱えるサイズの魔法陣だし、リミッターをかけて生命保持魔力まで吸い取らないように構築している最中だ。万人が使えるようになるまでまだまだ調節が必要で、危険度が高いから機密事項になっているんだ」
「なるほど……」
そんな時に、聖魔法を使う少女が空から落ちてきたのだから、ジャックが興味を持つのもわからないでもない。そして、魔力量もジャックを上回るのだとすれば、あれこれ試してみたくもなるだろう。
そしていつの間にか魅了され、全てが狂っていったのか。
「となると、ジャックが彼女に近づくのも危険ですね」
「そういうことになるな。俺も常に状態異常無効化のアクセサリはつけているし、魔法耐性もそれなりにつけているつもりだったが、神聖魔法に抗う方法は無いのかも知れん」
「では、わたくしが参りましょうか?」
「アデル!?」
そこへ驚くべきことに、アデル公爵令嬢が名乗り出た。
「わたくしは魅了魔法を持っていますし、魅了される事はありませんわ。危険なのはもちろん承知ですけれど。ジャック、貴方の魔道具で魔法無効化の手枷などはありませんの?」
「それも考えた。だけどあの女、この尋問室の中から、メリアンの姿を見かけた途端、結界を破るほどの魔法をぶっ放しやがった。それで、俺たちは一度死んだんだ」
「壁ごと外に吹き飛ばされて、瓦礫と共に崩れ去りましたわ」
「……嘘でしょう?」
アデルが唖然とする。
「まあ、ジャックより魔力が多いとなれば当然と言えば、当然か」
「つまり枷はかけられない、ということ?」
「詰んだな」
「聖魔法は人々を癒す魔法だと教えられているし、防ぐ意味がなかったからな。アンデッドや魔獣ならまだしも……吸収できるような代物があれば、大丈夫なんじゃじゃないのか?」
「暗黒結界ですら不発だったってことは、それも難しいな。まさに神の御業というか……創世主の力に抗えるものがあるのか」
まるで羊の群れの中に舞い降りた狼のようなものである。いや、羊とドラゴンくらいの差があるかも知れない。
まるで対策案が出てこない状態にメリアン達は頭を抱えた。
0
あなたにおすすめの小説
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
竜帝に捨てられ病気で死んで転生したのに、生まれ変わっても竜帝に気に入られそうです
みゅー
恋愛
シーディは前世の記憶を持っていた。前世では奉公に出された家で竜帝に気に入られ寵姫となるが、竜帝は豪族と婚約すると噂され同時にシーディの部屋へ通うことが減っていった。そんな時に病気になり、シーディは後宮を出ると一人寂しく息を引き取った。
時は流れ、シーディはある村外れの貧しいながらも優しい両親の元に生まれ変わっていた。そんなある日村に竜帝が訪れ、竜帝に見つかるがシーディの生まれ変わりだと気づかれずにすむ。
数日後、運命の乙女を探すためにの同じ年、同じ日に生まれた数人の乙女たちが後宮に召集され、シーディも後宮に呼ばれてしまう。
自分が運命の乙女ではないとわかっているシーディは、とにかく何事もなく村へ帰ることだけを目標に過ごすが……。
はたして本当にシーディは運命の乙女ではないのか、今度の人生で幸せをつかむことができるのか。
短編:竜帝の花嫁 誰にも愛されずに死んだと思ってたのに、生まれ変わったら溺愛されてました
を長編にしたものです。
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
死に戻りの元王妃なので婚約破棄して穏やかな生活を――って、なぜか帝国の第二王子に求愛されています!?
神崎 ルナ
恋愛
アレクシアはこの一国の王妃である。だが伴侶であるはずの王には執務を全て押し付けられ、王妃としてのパーティ参加もほとんど側妃のオリビアに任されていた。
(私って一体何なの)
朝から食事を摂っていないアレクシアが厨房へ向かおうとした昼下がり、その日の内に起きた革命に巻き込まれ、『王政を傾けた怠け者の王妃』として処刑されてしまう。
そして――
「ここにいたのか」
目の前には記憶より若い伴侶の姿。
(……もしかして巻き戻った?)
今度こそ間違えません!! 私は王妃にはなりませんからっ!!
だが二度目の生では不可思議なことばかりが起きる。
学生時代に戻ったが、そこにはまだ会うはずのないオリビアが生徒として在籍していた。
そして居るはずのない人物がもう一人。
……帝国の第二王子殿下?
彼とは外交で数回顔を会わせたくらいなのになぜか親し気に話しかけて来る。
一体何が起こっているの!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる