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第6話
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あれからあっという間に月日が経ち、僕たちが成人して2ヶ月が経過しました。
王都への出発まで残すところ1月を切ってしまいました。
「ロン、銅の剣を追加で5本打ってくれ!!」
「はい!!」
5時間後
「ガンダルク師匠、追加も含めて銅の剣10本完成しました!確認お願いします!!」
「よしっ!どれどれ…」
ガンダルク師匠はいつものように1本1本丁寧に剣の出来映えを確認していきます。
「ロン!腕を上げたな!!これなら王都でも十分に売れるレベルだ!」
「ありがとうございます!!」
「頃合いだ!そろそろ、ロンの卒業試験をしようと思う。」
「もう卒業試験ですか?まだ1月近く期間がありますが…?」
「他の2人の卒業試験もあるからな!早めにしとかねーと時間が足りなくなるのさっ!!
俺からの試験だ!この素材を使ってこれからお前自身が使う武器を作れ!!」
ガンダルク師匠から1つの素材が渡されました。
「こ、これは!?鋼じゃないですか!!こんな高級な素材を使っていいのですか?」
「あー!これをお前の思う通り加工して、命を吹き込んでやるんだ!!」
「分かりました。やってみます!!」
素材にはそれぞれ特徴があります。
先ほど僕が作っていた銅の剣の素材は名前の通り銅です。戦う為の武器を作るのには最低限の素材といってもよいものです。
銅は切れ味は悪い代わりに重い素材なので、叩きつけることによってダメージを与えやすいという特徴があります。しかし、叩きつけることを目的にするには脆すぎるという弱点もあります。
よく武器に使われる鉄という素材は、柔らかく加工しやすい鉱物で、切れ味も耐久力もそこそこあるのが特徴です。比較的安価で素材が手に入るのも人気の秘密です。
では今回渡された鋼という素材はといいますと、鉄に比べてとても硬い素材で加工が少し難しくなります。薄くすればするほど切れ味は上がりますが、硬いことが災いして欠けやすいという弱点もあります。さらに、鉄に比べると単価が高くなってしまうというのも弱点なのかもしれません。
僕は今、鍛冶台の前で鋼を見つめながら悩んでいます。
そもそも、僕は何の武器を使えばいいのでしょうか…
これだけの鋼があれば剣も作れるし、短剣なら2つは作れるでしょう…
僕は前に話した通り、これまで試したあらゆる武器をどれもそれなりには使いこなせていました。しかし、どれも武器としてこれだっ!と思ったことがありません。
そういえばここ2ヶ月はこのハンマーばかり振るってたな…もうすっかり鍛冶士になった気がするな…
ん?ハンマー…そうか!ハンマーだ!!
僕は迷いが一切無くなり、一心不乱に鋼と会話しました。
「やった!完成したぞ!!」
僕の作業が完了した時、気付けば辺りはもうすっかり真夜中になっていました。
それは片手で持てる鍛冶ハンマーをさらに使いがってのよいように武器化したものです!
通常のハンマーの部分の逆側には、先が徐々に細くなり面ではなく点で衝撃を与えることを目的とした作りとなっており、他にも先端の部分にも同じように点の攻撃として使えるよう2センチほどの小さな槍のようなものを付けてあります。
そのどちらも先端は決して尖らせてはおらず、刺すのではなく、あくまても衝撃を与えることを目的とした作りとなっています。
ガンダルク師匠は作業をしていた僕に気を使ってなのか、まだ店で待っていてくれてました。
「ガンダルク師匠、遅くまで鍛冶場を使わせて頂いてすいませんでした!無事武器が完成しました!」
「そうか!完成したか!!どんなものを作ったのか見せてみろ!」
僕が作ったハンマーを見せるとガンダルクさんは不思議そうな顔をしました。
「これは鍛冶で使うハンマーだよな?ロンはこれで魔物と戦うつもりなのか!?」
「はい!僕には何の武器が合うのかを悩んでいると、この2ヶ月鍛冶でハンマーばかりを使っていたことを思い出したんです!そうしたら僕の右手にはハンマーが一番しっくりくるなと思ったんです!!」
「そうか!ハンマーを武器として使ってる奴は見たことないからな…武器としては何とも言いにくいが、ハンマーとしては中々にいい出来だ!!
本当にたった2ヶ月で腕を上げたな!俺も師匠として鼻が高いぞ!
今日までで俺のところは卒業だ!明日からはハーレーのところに集中しろ!!早くハーレーのところも卒業しないと、カミューの卒業試験もあるからな!!早い分は問題ないが、約束の期日に間に合わなくなったら大変だからな!」
「はい、頑張ります!
ガンダルク師匠、短い間でしたが本当にお世話になりました!!僕はこの2ヶ月間のことを一生忘れません!ガンダルク師匠の弟子として恥じないようこれからも精進していくことを誓います!!!」
僕は深々と頭を下げた。
これまでのことが次々と思い出されて、僕は涙が止まらなくなっていました。
「ロン、泣くんじゃない!別にここを卒業しても村にはまだ1ヶ月もいるんだ!!いつでも会おうと思えば会えるさ!」
「はい…」
そんなことは言われなくても分かっていましたが、それでも涙はなかなか止まってはくれませんでした。
「俺はこういうしんみりとしたのは苦手なんだ!今日は疲れただろう?さっさとこれを持って帰って、寝ろ!!
おつかれさん!」
僕は先ほど卒業試験で作ったハンマーを手渡され、ガンダルク師匠に追い出されるように店の外に出ました。
しばらくこのお世話になった店を外から眺めた後、再び店に向けて深々と一礼し、僕は家路に向かいました。
残り2人の卒業試験も必ず合格してみせます!!
王都への出発まで残すところ1月を切ってしまいました。
「ロン、銅の剣を追加で5本打ってくれ!!」
「はい!!」
5時間後
「ガンダルク師匠、追加も含めて銅の剣10本完成しました!確認お願いします!!」
「よしっ!どれどれ…」
ガンダルク師匠はいつものように1本1本丁寧に剣の出来映えを確認していきます。
「ロン!腕を上げたな!!これなら王都でも十分に売れるレベルだ!」
「ありがとうございます!!」
「頃合いだ!そろそろ、ロンの卒業試験をしようと思う。」
「もう卒業試験ですか?まだ1月近く期間がありますが…?」
「他の2人の卒業試験もあるからな!早めにしとかねーと時間が足りなくなるのさっ!!
俺からの試験だ!この素材を使ってこれからお前自身が使う武器を作れ!!」
ガンダルク師匠から1つの素材が渡されました。
「こ、これは!?鋼じゃないですか!!こんな高級な素材を使っていいのですか?」
「あー!これをお前の思う通り加工して、命を吹き込んでやるんだ!!」
「分かりました。やってみます!!」
素材にはそれぞれ特徴があります。
先ほど僕が作っていた銅の剣の素材は名前の通り銅です。戦う為の武器を作るのには最低限の素材といってもよいものです。
銅は切れ味は悪い代わりに重い素材なので、叩きつけることによってダメージを与えやすいという特徴があります。しかし、叩きつけることを目的にするには脆すぎるという弱点もあります。
よく武器に使われる鉄という素材は、柔らかく加工しやすい鉱物で、切れ味も耐久力もそこそこあるのが特徴です。比較的安価で素材が手に入るのも人気の秘密です。
では今回渡された鋼という素材はといいますと、鉄に比べてとても硬い素材で加工が少し難しくなります。薄くすればするほど切れ味は上がりますが、硬いことが災いして欠けやすいという弱点もあります。さらに、鉄に比べると単価が高くなってしまうというのも弱点なのかもしれません。
僕は今、鍛冶台の前で鋼を見つめながら悩んでいます。
そもそも、僕は何の武器を使えばいいのでしょうか…
これだけの鋼があれば剣も作れるし、短剣なら2つは作れるでしょう…
僕は前に話した通り、これまで試したあらゆる武器をどれもそれなりには使いこなせていました。しかし、どれも武器としてこれだっ!と思ったことがありません。
そういえばここ2ヶ月はこのハンマーばかり振るってたな…もうすっかり鍛冶士になった気がするな…
ん?ハンマー…そうか!ハンマーだ!!
僕は迷いが一切無くなり、一心不乱に鋼と会話しました。
「やった!完成したぞ!!」
僕の作業が完了した時、気付けば辺りはもうすっかり真夜中になっていました。
それは片手で持てる鍛冶ハンマーをさらに使いがってのよいように武器化したものです!
通常のハンマーの部分の逆側には、先が徐々に細くなり面ではなく点で衝撃を与えることを目的とした作りとなっており、他にも先端の部分にも同じように点の攻撃として使えるよう2センチほどの小さな槍のようなものを付けてあります。
そのどちらも先端は決して尖らせてはおらず、刺すのではなく、あくまても衝撃を与えることを目的とした作りとなっています。
ガンダルク師匠は作業をしていた僕に気を使ってなのか、まだ店で待っていてくれてました。
「ガンダルク師匠、遅くまで鍛冶場を使わせて頂いてすいませんでした!無事武器が完成しました!」
「そうか!完成したか!!どんなものを作ったのか見せてみろ!」
僕が作ったハンマーを見せるとガンダルクさんは不思議そうな顔をしました。
「これは鍛冶で使うハンマーだよな?ロンはこれで魔物と戦うつもりなのか!?」
「はい!僕には何の武器が合うのかを悩んでいると、この2ヶ月鍛冶でハンマーばかりを使っていたことを思い出したんです!そうしたら僕の右手にはハンマーが一番しっくりくるなと思ったんです!!」
「そうか!ハンマーを武器として使ってる奴は見たことないからな…武器としては何とも言いにくいが、ハンマーとしては中々にいい出来だ!!
本当にたった2ヶ月で腕を上げたな!俺も師匠として鼻が高いぞ!
今日までで俺のところは卒業だ!明日からはハーレーのところに集中しろ!!早くハーレーのところも卒業しないと、カミューの卒業試験もあるからな!!早い分は問題ないが、約束の期日に間に合わなくなったら大変だからな!」
「はい、頑張ります!
ガンダルク師匠、短い間でしたが本当にお世話になりました!!僕はこの2ヶ月間のことを一生忘れません!ガンダルク師匠の弟子として恥じないようこれからも精進していくことを誓います!!!」
僕は深々と頭を下げた。
これまでのことが次々と思い出されて、僕は涙が止まらなくなっていました。
「ロン、泣くんじゃない!別にここを卒業しても村にはまだ1ヶ月もいるんだ!!いつでも会おうと思えば会えるさ!」
「はい…」
そんなことは言われなくても分かっていましたが、それでも涙はなかなか止まってはくれませんでした。
「俺はこういうしんみりとしたのは苦手なんだ!今日は疲れただろう?さっさとこれを持って帰って、寝ろ!!
おつかれさん!」
僕は先ほど卒業試験で作ったハンマーを手渡され、ガンダルク師匠に追い出されるように店の外に出ました。
しばらくこのお世話になった店を外から眺めた後、再び店に向けて深々と一礼し、僕は家路に向かいました。
残り2人の卒業試験も必ず合格してみせます!!
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