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第18話 混迷する戦場

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いまや、「舞踏会場」は混乱の極みだった。

応援に出撃した銀級パーティ『黒霧』からは、
「小型の蜘蛛の、魔物が多数。前進できまない。」
という連絡が、あった。しばらくして今度は
「初心者どもを、下がらせろ!足でまといだ!」
という連絡がはいったあと、連絡不通になった。

そのころは、各通路に突入した銀級に満たないパーティも続々と帰還し始めた。
魔石やアイテムを収穫して意気揚々と帰ってきたものは少なく、大半が負傷してやっとの思いで逃げ帰ってきたのだ。

戦果をあげたパーティも負傷している者の方が、多かったので、バルゴール伯爵がデモンストレーション的な意味合いで設置した治療院は大活躍していた。

怪我人たちのうめき声、治療術式の白い光の明滅。

毒が回る!切断だ。
再生はヴァルゴ神殿に回せ!

ち、ちょっと待ってくれ。腕1本元通りに動かせるようになるのに何ヶ月かかると思ってんだ。なんとか解毒してくれよ。

バカを言え、死ぬ、ぞ。

ああ、死体になって、アコハーレ神殿で蘇生が希望か。ではお望み通りに・・・
「待ってくれ!言う通りにする!」

そう、未だに死者はゼロを保っていた。
冒険者たちは、チームワークよく、負傷者を見捨てることなく撤退に成功していたのだ。
そして。バルゴールがたっぷり金をかけた治癒士たちもまた腕利き揃いであったのだ。
それにしても。

簡易な治療のみで、即、戦闘に復帰できるものは。ほとんどいなかった。

つまり、魔王宮後略のために今日用意された百人を超える冒険者たちはすみやかに消耗しつつあった。

クリュークは、伝言虫たちから報告をうけてはさらに二つの銀級パーティを応援に向かわせた。
元八極会幹部たちは、クリュークからの指示をうけ、さらに追加のパーティを編成させるよう伝令を飛ばしたが、今日のこの急場に間に合うはずもなく。

そんななか、王は、大声をあげて料理と酒を追加し、近習たちは配膳に走り回った。
それがグランダ王にとっては苛立ちと怒りの表現だったのだろう。
確かに殺気だった雰囲気と、走り回る近習たちのてんてこ舞いぶりだけは、なんとなく場の空気には合っていた。

王は、王たちはそれでなんとなく仕事をしたつもりになっていた。
自分が、不快であることを示す。
周りはそれを、解消するために走り回る。
そうするとことで問題は解決し、すべてが上手くいく。

呆れたことに、パーティの一員であるエルマート王子も父を見習ったのかまったく同じ態度だった。

もっとも、彼の命令は父親よりもさらに具体的で、ある意味的確であり、それはどうもクリュークが指示を出すさまを彼なりに真似たようだった。

言うまでもなく、エルマートがするべきことは、まず飲み食いをやめ、食事を快適にするために外した防具を身につけ、帯剣することだったのだが。

「クローディア閣下はいかが思われます?」

クリュークはここに至っても優雅とさえ言える態度をくずさない。
対するクローディアは、不快を腹の底に押し殺す。

「どのこと、です?」

「ああ、これは失礼! 今回の事象でもっとも興味深いもの。魔法をつかう蜘蛛のことです。
魔物はそれぞれが固有の能力をもっていて、それがまさに魔法としか表現出来ないものも、数多い。
しかし、銀級のパーティがわざわざ魔法を使う、と表現したからには」
クリュークは、心底この状況を楽しんでいるようだった。
「その魔物は複数の魔法的な能力を使い分けていると、考えられます。
つまり、そのような魔物は知能をもっている。さらに別種の魔法を習得し、さらに賢く、さらに強大になっていく可能性を秘めている。」

「わたしとしてはそうなる前に、掃討せねば、としか申し上げられません。」

「なるほど、我々の意見は完全に一致したということですね!」
クリュークはうれしそうに手を打った。
「さらにわたしは、その蜘蛛の希少性から判断して、生捕りを推奨いたします。
残念ながら、銀級程度の冒険者では、うっかり殺してしまう危険性があります。閣下ご自身のパーティで捕獲に向かわれますか?」

「クリューク殿、我が『白狼』は、もともと迷宮攻略のためのパーティではない。
先程は屍人の大量出現のため、やむなく刃を振るいましたが、役目は両殿下の戦いぶりを見定めるのが役目。冒険者の先頭にたって戦うつもりはない。」

「ごもっとも、ごもっとも! 閣下のような方と意見が、ことごとく一致するのは大変光栄であります。
では、恐れながらわたしくとリヨンがかの蜘蛛の捕獲に向かいましょう。
おそらくは、ジャイアントスパイダーの変異体。かのものこそが、ここの真の階層主。

これを捕獲、無力化してしまえば自動的に、第一層の攻略は終了いたします。」

「パーティリーダーのエルマート殿下はなんとされる。」

エルマートはとてもいい顔で、注がれたワインの温度についての講釈をたれているところだった。
言っていることは正しく、感情に任せるのではなく、理論だてて、従者を問い詰めていく論法は見事だったが、いま、ここでする話ではなかった。

また一組、血まみれになったパーティが戻ってきている。ひとりは、肩に担がれまったく意識がなさそうだった。

「引き続きここで指揮を取っていただければ。
この程度の相手なら、エルマートさまの聖剣なくとも、私とリヨンで事足ります。」

公爵は、広間を見渡した。

踏破級以上の冒険者は、あと3組。
やや構成にムラがあり、相手を選ぶ「雷光流剣技会」と、戦闘よりも探索・調査向きの「緑の指」。
「彷徨えるフェンリル」は国外の冒険者で、実力のほどは分からない。

それ以下の冒険者は、いったんはほとんど、迷宮へ出陣し、半分くらいは戻ってきているものの無傷または軽傷で、再び戦闘ができるものは十人に一人もいないだろう。

魔物の素材を持ち帰ったものもいて、買い取りカウンターには行列が出来ている。

怪我のひどいものは治療士たちが、軽いものはポーションや簡単な回復魔法を掛け合って傷を癒す。
破損した防具の修復を試みるもの、携行食を口にして一息いれるものもいる。

いずれもここが安全地帯だと信じて疑わない。

扉の一つが開いて、10人ばかりの冒険者を吐き出した。

「『楼蘭』と応援に行った『ギガンテス』だ。」
誰かが呆然と呟いた。
「うちのギルドのトップだぞ。ボロボロじゃねえか。」

「クリューク殿、たぶん我々が本命だ!」
「楼蘭」のリーダーが叫んだ。
プレートアーマーが大きく切り裂かれ、素肌に血の滲んだ包帯が巻かれていた。

一応、出血は止まっているようだったが…女性ながら王都でも最高の剣士のひとりに数えられるミア=イアの顔色は大量の血を失ったためか青白い。

「おそらくは、ジャイアントスパイダーの変異体だ。動きが恐ろしく早く、金属の外皮は斬撃も魔法も通じない!」
「眷属どもも同様です。体は一回り小さいが恐ろしく硬い。」
風魔法を得意とするゼウ=ラが、可愛らしい顔を歪めて訴えた。こちらは外傷は見当たらなかった。
苦痛はおそらく魔力の枯渇によるものだろう。魔力増幅用の杖にすがって、かろうじて立っている。

「ゼウ=ラの魔力を借りて、通路ごと氷漬けにした。だが、時間稼ぎにしかならんだろう。」
「ギガンテス」唯一の老魔道士ビキュルスがセウ=ラに魔力回復用のポーションを手渡しながら言う。
「火も風も雷も目立った効果はない。
一時、撤退がおすすめじゃ。あるいはボルテック老師の空間魔法ならなんとかなるかもしれん。」

「通路を自由に歩き回るタイプの階層主は、『魔王宮』では確認されていない。」

クリュークは、ややそっけなく言った。

「なら、法則が変わったんじゃろ。」
ビキュルスは、言い返したが相手が、クリュークであることに、気づき言い直した。
「なにしろ人が足を踏み入れないままで五十年。階層主が固定されているという法則もかわるかもしれん。」

「そのような事例は知られる限りの迷宮で、1度も存在しておりません。」

クリュークはそう言って背を向けた。

「となると」

小さな声だったが、はっきりと聞こえた。

クローディアはその声の主を見た。
王もエルマートも振り向いた。
クリュークの笑みが深くなった。
バルゴールが「ほう」と言った。
フィオリナが「あっ」とつぶやいた。

「それは階層主ではないんでしょうね。」

「きみは?」
「名もなき冒険者見習いです、グランドマスター。」

「なるほど、名もなき冒険者たるきみも、もう一匹の魔法を使うジャイアントスパイダーが、階層主だと思うかね。」

「なぜ、そう思うか、お聞かせいただけますか? グランドマスター。」

「なぜ・・・・」
クリュークは首をかしげた。
「より強力な・・・より希少な魔物のほうが、階層主である可能性が高いから・・・では?」

「なるほど。では魔法を使うジャイアントスパイダーより強力な魔物がこの層にはいない、とお考えになった理由はなんでしょう? グランドマスター。」

クリュークの視線が、王を、エルマートを、クローディア公爵を、そのパーティにいる面貌を下ろしたままの女騎士(それがフィオリナであることはリヨンから報告を受けていた)の間を忙しく動いた。

「名もなき冒険者見習いが、私にとっていい態度と質問ではないと思うが、それはまあ、よいでしょう。
ならば、きみが、魔法を使うジャイアントスパイダーより強力な魔物がこの層に存在すると、考えた理由をきかせてもらえるかな。」

心して答えるようおすすめするよ。

と付け加えてクリュークは、笑った。

「ち、ちょっと、ヤバイよ、ヤバいってば、ヤバくね?」
同じ冒険者見習いと思しき、胸の大きな少女が後ろから抱きつき、パーティに引き戻そうとする。

「現在、観測された三体のジャイアントスパイダーに大きな差がないからです。」

ルトは、人差し指を立てた。

「『ザザードラ海賊団』よって討伐されたジャイアントスパイダーは、外皮が強化されていました。爪の先からも毒が分泌されるように進化しています。」
中指をたてる。

「『楼蘭』と『ギガンテス』を敗北させたジャイアントスパイダーは、外皮が金属であり、対斬撃、対魔法性能を高めています。最初のジャイアントスパイダーが防御強化の方向に進化したタイプと思われます。」

薬指をたてた。

「グランドマスターお気に入りの魔法を使うジャイアントスパイダーですが、これは知能を進化させたタイプと思われます。
珍しい・・・希少性は確かにありますが、前のふたつのタイプからはそれほどかけ離れてはいません。
階層主とは、踏み込んだ冒険者が半刻もしないうちに遭遇するモンスターとは各の違う存在のはずです。」

「ほう・・・・・」
クリュークは目を細めた。
「ほう、さすがに・・・・・」

「理屈は通っている。」
クローディア公爵が言った。
「つまり、本当の階層主は、もっと、はるかに強大な存在であり、まだ我々はそこにたどり着いていないとみるべきだ、というのだね。」

「クローディア公爵・・・・」
クリュークはなにか言いたげに、公爵の顔を見たが結局、言うのを諦めた。

「少年よ、ならば、きみに今後我々のとるべき道をきこう。」
クローディア公爵はどこか、ハルトと似た雰囲気のある少年に微笑んだ。
「なにか案はあるかね?」

「そうですね。」

少年はちょっと首をかしげた。そんな仕草もハルトを思わせ、公爵は彼のことを否応なしに気に入ってきていることを自覚した。
「我々は、迷宮にいいようにされましたし、今もやられっぱなしです。
でも、このまま好きにさせておくわけにはいきません。」
例えば・・・『楼蘭』が敗退した金属外皮をもつ蜘蛛には、まだ、音、光、闇の魔法は試していません。また、リーダーはじめ、武器は斬撃系のものばかりでした。衝撃を与えるハンマーや貫通力の高い槍はどうでしょう?

魔法を使う蜘蛛はたしかにちょっとやっかいですが、一定の空間に誘い込んでそこに、対魔力結界をはってしまえば、大幅に戦力を落とせるはずです。

それから、両方とも蜘蛛の魔物ならば、蜘蛛に効く毒物を試してみる価値は十分あると思います。
迷宮の先に風魔法で、揮発化させた毒を送り込めば、多少なりとも弱らせることができるのでは?」

「すばらしい! よい案ではないか!」

王は喝采をさけんだ。

「その案を採用しようではないか! 少年の言う通り、階層主が別にいるとしてもいずれにせよ、その2体のジャイアントスパイダーは排除する必要があるわけだからな。
クリュークよ。
さっそく各ギルドと魔法院に命じ、準備をすすめるのだ。」

「王まで・・・・いったいこれは。」

クリュークは、ルトの顔を眺めながら、ぶつぶつと口の中でなにかをつぶやいた。

「わからない・・・認識阻害・・しかし、こんな効果はきいたこともない・・」

「まずはいったん撤退しましょう。回復魔術の使い手以外の非戦闘と怪我人は先に迷宮の外へ。
戦える者は、ここを確保しつつ、通路に入った冒険者が戻るのを待ちます。

魔法型蜘蛛と遭遇し、交戦中のパーティには救援を。
これは、グランドマスターご自身が適任かと思われます。」

もうやめなよぉ

と、連れの少女が袖をひくが、少年は構わず続けた。

「ご不満ですか? しかし、つい先程、ご自身で蜘蛛の捕獲に向かうとおっしゃっていたようですが。
「我々は『栄光の盾』だ。エルマートさまが撤退するなら、行動をともにする義務がある。」
「非戦闘員は撤退してもらうよう申し上げましたが、ご自分のパーティが非戦闘員だと明言されるとは驚きです。
公爵閣下は、このことをぜひとも記録願います。」

エルマートも、王も、感心した様子は変わらない。多分、自分が非難されたことにすら気が付かないのだろう。

「わたしは、迷宮再攻略のための準備を整える任務を王命により、承っている。」
「その任務は、別の方、たとえばクローディア公爵閣下でも出来そうですね。」


クローディア公爵は笑った。
「残念ながら、きみの基準に従うと、わしと『白狼』は『戦える者』なのだ。
ここを確保し、冒険者たちの撤退に微力を尽くすとしよう。」
公爵は少年に手を差し伸べた。
「勇敢で賢明な少年よ。名前を聞かせてくれるかな?」


そのとき

ギリギリギリ

嫌な音だった。
耳の奥を、掻き毟るような音だった。
音の方向をみた全員が総毛立った。

迷宮の唯一の出口。階段とこの大広間を隔てる青銅の門が。
閉まっていく。
門は当初から開け放たれ、蝶番も錆びて全く動かなかった門が。

近くにいた冒険者たちが飛びついたが、力自慢の前衛たちが全力を振り絞っても止めることは出来なかった。
ゆっくりと、しかし着実に扉は動き、外界への唯一の出口が…

ガシャ

という門の閉じる音が聞こえたような気がした。

実際には、その直前、わずかの隙間に指をかけたものがいる。
手甲に包まれてはいるもの華奢な細い指。わずか指先が門扉に引っ掛かるのみ。そして、その主は力む様子すらなく、つまらなそうな顔で立っていた。

そして、その動作で、門の動きは止まったのだ。

「フィオリナ先輩っ」

叫んだのエルマート王子だった。

「指が」
「魔法仕掛けの扉、その動きは“意思の”と“魔力”で制御される。」

面貌をあげて、顔をさらしたフィオリナはぶつぶつと呟きながら、両開きの扉のもう片方の手をかける。

「魔力の量はすごいな…そして意思も単純ながら明確だ。なにしろ、扉だから『開く』か『閉まる』しかないのだからな。

それならこんなのはどうだろう。

『魔王宮の扉よ。おまえはもう扉ではない。』」

ビシっと音が走り、蝶番がはずれた。
扉は、いや、その存在を否定された扉はただのレリーフを施された青銅の板となって、地面に転がった。

「な、なにをやらかしたんだ、姫は」
ゾアが呆れたように言った。

「扉が扉であることを否定したのです。」
相変わらず、ニコニコと営業スマイルをはりつけた魔道士のコッペリオの頬には冷や汗が浮かんでいる。
「モノを惑乱させるとは…わたしもこのパーティにいる間は二つ名は返上しないとまずいですね。」

「今のうちに、外へ。ちょっと急いだ方がよい、かもね。」

フィオリナは扉を蹴飛ばした。

うつむいてあや取りに精を出していたヨウィスが顔をあげた。
無表情ではあるが、なんとなく浮かない顔なのは、親しい者ならわかる。

「親父殿?」

「どうした? ヨウィス。」
「糸が切られた。来る。」
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