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第19話 変異種
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天井の照明が明滅した。
1度。
2度。
3回目に灯がついた時、中央の扉が開いた。
通路の薄暗がりの中に広がる目、目、目、目、目
蜘蛛だ!!
多いぞ!
「迎撃せよ!冒険者たち!」
不意をうたれたときこそ、積極的に行動すべき。
だとはクローディアは決して思わない。じっと守りに入り、まずは相手の規模、行動を見定めるべきなのだろう。
ただ。
それが許されないから、攻勢に打って出るしかない。
踏破級パーティ「雷光流剣技会」が押し寄せる蜘蛛の群れに突進した。
無謀かに見えた突撃だったが、すれ違いざまに蜘蛛が切り裂かれる。
人間の血液とは明らかに違う黄色っぽい粘液が飛び散り、あるものは首を刎ねられ、あるものは頭を両断され、斃れていく蜘蛛の群れ。
さらに蜘蛛が密集したところを狙って誰かが火球を放った。
何匹かの蜘蛛は爆散したが、これは良くなかった。
尻に火がついた蜘蛛は、これまでの倍の速度で、広場中を転げ回り、走り回り、とばっちりを受けた救護班から悲鳴と怒号が上がった。
「陛下を外へ。」
クローディアは、健在な踏破級パーティ「緑の指」に指示をした。
『陛下と殿下』と言わなかったのは、エルマート「殿下」が『栄光の盾』のリーダーでもあり、あまりにも早く「逃げた」ことを公言してしまうのは後日差し障りがあることを案じたからだった。
ゾアの剣が、ジャンプして頭上から遅いかかった蜘蛛を一刀両断した。
「でかい犬くらいはあるな・・・・変異体はいるか?」
「どこかにいると思う。わたしの糸が糸で切断された。」
「鋼糸使いの蜘蛛かよっ!」
「楼蘭」のミア=イアの剣が、次々と蜘蛛の頭部を切断する。
ゼウ=ラの起こした風の渦に巻き込まれた二十体ほどの蜘蛛が、バラバラに千切れる。
万全な体調ではないにしろ、戦いに加わった冒険者は、それでも40名はいただろうか。
このサイズの蜘蛛、そして本来この階層の階層主であったはずの、四頭立ての馬車ほどもあるジャイアントスパイダーならば、彼らにとっても条件次第では十分戦える相手なのだ。
現に、通路から次々と湧いて出る蜘蛛たちを冒険者たちは圧倒しつつあった。
中でも特筆すべきは「雷光流剣技会」であった。
全員が、同流を極めた剣の達人である彼らは、少なくとも剣の通じる相手ならば、めったなことでは遅れをとらない。
空から、前後左右から。
次々に襲いくる蜘蛛の攻撃を、躱す。躱すと同時に切っている。切ると同時に次の的に向かう。
まるで、剣の技ではなく、舞にも見えた。
自ら切られるために、蜘蛛たちは間合いに飛び込んで来るかのようであった。
「いける!これならいけるな!クリューク!」
エルマートは父王と一緒に、出口に向かわず、かといって、剣をとるわけでもな。く、クリュークの隣で、戦いを見物していた。
そう、「見物」なのだが、本人は自分も戦っているつもりなのであろう。
戦いの高揚感に酔ったかのように、目を輝かせ、両手を握りしめている。
クリュークは、エルマートと、あの冒険者見習いの少年を交互に見た。
少年は、あの止めにはいった少女や「彷徨えるフェンリル」とともにやや後方にさがり、戦況を見ていた。
こちらは紛れもなく「見ていた」。
剣ももたず、魔術増幅、コントロールのための護符ももたない。
見たところ、なにひとつ攻撃の手段をもたぬように思える。が、そこに怯えはない。
「リヨン・・・殿下を頼みます。」
クリュークは、なおも数を増す蜘蛛の中に、銀色の外皮を持つものを見定めた。
「やめといたら? 素のままのだんちょじゃ、怪我するかも?
わたしが行こうか?」
リヨンは、ジャケットを脱いでシャツのボタンに手をかけていた。
彼女の獣を模した戦闘スタイルでは確かに裸体のほうが、戦い安いのだろう。
「少しは、やれるところを見せないと・・・あの坊やにいいところを持っていかれたままです。」
「ねえ。」
リヨンは唇を尖らせた。
「あの坊やって・・・・よね。なんで王様もエルマートも元婚約者もわかんないの?
絵姿のまんまだよ。ちょこっと髪型いじってるだけで、なんで?」
「おそらく、認識阻害魔法の一種です・・・わたしも知らない・・・恐ろしく高度な。」
手袋をはめた両拳を打ち合わせる。
バチバチと火花が飛んだ。
「少し遊んできます。」
銀の外皮を持つ蜘蛛たちは、雷光流の剣戟をものともせず、彼らに襲いかかっていた。
雷光流はしぶとい。
だてに剣技一本で踏破級に至ったわけではない。
斬撃の効かぬ相手には、防御と回避を重視しつつ、撤退や応援を視野に入れて戦う。
最初からそれをわかっていた点であるいは「楼蘭」よりも彼らのほうが冒険者として上なのかもしれなかった。
乱入したクリュークの拳が、銀の外皮にめり込んだ。ちょうど拳の形に頭部を陥没させ・・・蜘蛛は仰向けになって痙攣という名の死へのダンスを踊る。
「グランドマスター殿」
雷光流の師範の名をもつリーダーは、次々襲いくる銀の外皮を持つ蜘蛛の攻撃をさばきつつ、クリュークに一礼した。
「後退してください。この変異体はあなた方では分が悪い。」
「恩にきます。グランドマスター。」
正確に関節部分を狙った斬撃で、蜘蛛の足を切り飛ばしつつ、雷光流の面々は後退していく。
「斬撃には耐性がかなり高いようですが打撃にはそうでもない。」
次々と蜘蛛を殴りとばしながら、クリュークは苦笑を浮かべる。
「坊やの予想通り、というわけですね。」
戦い続ける冒険者たちの一角で、突然、血しぶきと悲鳴があがった。
「くそっ、何だ!見えねえ。」
「こいつは鋼糸だ。魔物がこんなもんまで使うのか」
「ちくしょう、腕をやられた。得物が持てねえ。やられる!」
「さがれ!わたしがやる!」
ミア=イアの一閃が、襲いくる糸を両断した。
彼女ほどの達人なら、それも可能だ。
割られた甲冑は脱ぎ捨てている。
素肌に巻いた包帯から、再び傷口が開いたのだろう、血が滴る。
苦痛に顔を歪め、飛びそうになる意識をつなぎとめながらも糸を躱し、切る。
少なくとも、下級の冒険者を逃がすまではこれを続けなければ・・・鋼糸技はやっかいだ。
どこから糸を操っている?
わずかな空気のゆらぎ。風切音。そして、すでに冒険者の血を吸った糸はわずかに朱線となって目に映る。
それを頼りに、躱す。切る。切る。躱す。
いつの間にか足元に張られた鋼糸に気づかず、転倒したミア=イアは、天井を見上げ・・・・もっとも見たくないものを発見した。
ついさっき彼女たちを敗退に追い込んだジャイアントスパイダーが天井に張り付いている姿を。
目の数は7つ。それぞれに違った色に輝く複眼が、彼女をあざけるように輝いた。
1度。
2度。
3回目に灯がついた時、中央の扉が開いた。
通路の薄暗がりの中に広がる目、目、目、目、目
蜘蛛だ!!
多いぞ!
「迎撃せよ!冒険者たち!」
不意をうたれたときこそ、積極的に行動すべき。
だとはクローディアは決して思わない。じっと守りに入り、まずは相手の規模、行動を見定めるべきなのだろう。
ただ。
それが許されないから、攻勢に打って出るしかない。
踏破級パーティ「雷光流剣技会」が押し寄せる蜘蛛の群れに突進した。
無謀かに見えた突撃だったが、すれ違いざまに蜘蛛が切り裂かれる。
人間の血液とは明らかに違う黄色っぽい粘液が飛び散り、あるものは首を刎ねられ、あるものは頭を両断され、斃れていく蜘蛛の群れ。
さらに蜘蛛が密集したところを狙って誰かが火球を放った。
何匹かの蜘蛛は爆散したが、これは良くなかった。
尻に火がついた蜘蛛は、これまでの倍の速度で、広場中を転げ回り、走り回り、とばっちりを受けた救護班から悲鳴と怒号が上がった。
「陛下を外へ。」
クローディアは、健在な踏破級パーティ「緑の指」に指示をした。
『陛下と殿下』と言わなかったのは、エルマート「殿下」が『栄光の盾』のリーダーでもあり、あまりにも早く「逃げた」ことを公言してしまうのは後日差し障りがあることを案じたからだった。
ゾアの剣が、ジャンプして頭上から遅いかかった蜘蛛を一刀両断した。
「でかい犬くらいはあるな・・・・変異体はいるか?」
「どこかにいると思う。わたしの糸が糸で切断された。」
「鋼糸使いの蜘蛛かよっ!」
「楼蘭」のミア=イアの剣が、次々と蜘蛛の頭部を切断する。
ゼウ=ラの起こした風の渦に巻き込まれた二十体ほどの蜘蛛が、バラバラに千切れる。
万全な体調ではないにしろ、戦いに加わった冒険者は、それでも40名はいただろうか。
このサイズの蜘蛛、そして本来この階層の階層主であったはずの、四頭立ての馬車ほどもあるジャイアントスパイダーならば、彼らにとっても条件次第では十分戦える相手なのだ。
現に、通路から次々と湧いて出る蜘蛛たちを冒険者たちは圧倒しつつあった。
中でも特筆すべきは「雷光流剣技会」であった。
全員が、同流を極めた剣の達人である彼らは、少なくとも剣の通じる相手ならば、めったなことでは遅れをとらない。
空から、前後左右から。
次々に襲いくる蜘蛛の攻撃を、躱す。躱すと同時に切っている。切ると同時に次の的に向かう。
まるで、剣の技ではなく、舞にも見えた。
自ら切られるために、蜘蛛たちは間合いに飛び込んで来るかのようであった。
「いける!これならいけるな!クリューク!」
エルマートは父王と一緒に、出口に向かわず、かといって、剣をとるわけでもな。く、クリュークの隣で、戦いを見物していた。
そう、「見物」なのだが、本人は自分も戦っているつもりなのであろう。
戦いの高揚感に酔ったかのように、目を輝かせ、両手を握りしめている。
クリュークは、エルマートと、あの冒険者見習いの少年を交互に見た。
少年は、あの止めにはいった少女や「彷徨えるフェンリル」とともにやや後方にさがり、戦況を見ていた。
こちらは紛れもなく「見ていた」。
剣ももたず、魔術増幅、コントロールのための護符ももたない。
見たところ、なにひとつ攻撃の手段をもたぬように思える。が、そこに怯えはない。
「リヨン・・・殿下を頼みます。」
クリュークは、なおも数を増す蜘蛛の中に、銀色の外皮を持つものを見定めた。
「やめといたら? 素のままのだんちょじゃ、怪我するかも?
わたしが行こうか?」
リヨンは、ジャケットを脱いでシャツのボタンに手をかけていた。
彼女の獣を模した戦闘スタイルでは確かに裸体のほうが、戦い安いのだろう。
「少しは、やれるところを見せないと・・・あの坊やにいいところを持っていかれたままです。」
「ねえ。」
リヨンは唇を尖らせた。
「あの坊やって・・・・よね。なんで王様もエルマートも元婚約者もわかんないの?
絵姿のまんまだよ。ちょこっと髪型いじってるだけで、なんで?」
「おそらく、認識阻害魔法の一種です・・・わたしも知らない・・・恐ろしく高度な。」
手袋をはめた両拳を打ち合わせる。
バチバチと火花が飛んだ。
「少し遊んできます。」
銀の外皮を持つ蜘蛛たちは、雷光流の剣戟をものともせず、彼らに襲いかかっていた。
雷光流はしぶとい。
だてに剣技一本で踏破級に至ったわけではない。
斬撃の効かぬ相手には、防御と回避を重視しつつ、撤退や応援を視野に入れて戦う。
最初からそれをわかっていた点であるいは「楼蘭」よりも彼らのほうが冒険者として上なのかもしれなかった。
乱入したクリュークの拳が、銀の外皮にめり込んだ。ちょうど拳の形に頭部を陥没させ・・・蜘蛛は仰向けになって痙攣という名の死へのダンスを踊る。
「グランドマスター殿」
雷光流の師範の名をもつリーダーは、次々襲いくる銀の外皮を持つ蜘蛛の攻撃をさばきつつ、クリュークに一礼した。
「後退してください。この変異体はあなた方では分が悪い。」
「恩にきます。グランドマスター。」
正確に関節部分を狙った斬撃で、蜘蛛の足を切り飛ばしつつ、雷光流の面々は後退していく。
「斬撃には耐性がかなり高いようですが打撃にはそうでもない。」
次々と蜘蛛を殴りとばしながら、クリュークは苦笑を浮かべる。
「坊やの予想通り、というわけですね。」
戦い続ける冒険者たちの一角で、突然、血しぶきと悲鳴があがった。
「くそっ、何だ!見えねえ。」
「こいつは鋼糸だ。魔物がこんなもんまで使うのか」
「ちくしょう、腕をやられた。得物が持てねえ。やられる!」
「さがれ!わたしがやる!」
ミア=イアの一閃が、襲いくる糸を両断した。
彼女ほどの達人なら、それも可能だ。
割られた甲冑は脱ぎ捨てている。
素肌に巻いた包帯から、再び傷口が開いたのだろう、血が滴る。
苦痛に顔を歪め、飛びそうになる意識をつなぎとめながらも糸を躱し、切る。
少なくとも、下級の冒険者を逃がすまではこれを続けなければ・・・鋼糸技はやっかいだ。
どこから糸を操っている?
わずかな空気のゆらぎ。風切音。そして、すでに冒険者の血を吸った糸はわずかに朱線となって目に映る。
それを頼りに、躱す。切る。切る。躱す。
いつの間にか足元に張られた鋼糸に気づかず、転倒したミア=イアは、天井を見上げ・・・・もっとも見たくないものを発見した。
ついさっき彼女たちを敗退に追い込んだジャイアントスパイダーが天井に張り付いている姿を。
目の数は7つ。それぞれに違った色に輝く複眼が、彼女をあざけるように輝いた。
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