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プロポーズと招待と(2)
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「スヴェンに聞いた。また、治癒に時間がかかるんだって?」
「はい。これでは初めに戻ったも同じだ、と言われてしまいました」
「そうか……」
ヴィルマーは椅子をベッドの近くに運んでどっかりと座る。ミリアは読んでいた書物を閉じて、サイドテーブルに置いた。
「なので、今からまた4か月、ここでお世話になることになりそうです。町長にはまだ話をしていないのですが……」
「ああ、この家のことか。大丈夫だろう。町長は、むしろここに永住して欲しいぐらいのことを言っていたぞ」
「まあ」
「とはいえ、あれだ。俺の父がひとまず5人をここに派遣をしてくれたわけなんだが」
そう言われればそうだった。5人を連れて来たとヴィルマーは言ったが、そもそも5人程度で何が出来るんだろうか。そうちらりと思ったことをミリアは思い出す。
「来月になれば、追加でまた5人が来る。だが、警備隊には引き続きこの町の警備を任せたいんだ」
「それは……どういうことでしょうか?」
どうやら、サーレック辺境伯が派遣をしてくれた兵士たちも、そう熟練の者ではないのだと言う。なので、彼らと「協力をして」いくことになるという話だった。
「わかりました。それは、来月追加される5人も……」
「そうだな。それでも、これで俺の父がヤーナックを無視しているわけではないとはわかってもらえるといいんだが、ちょっと逆効果になるかな……ああ、でも、魔獣討伐はしたことがある連中なので、それに関しては警備隊のメンバーよりは経験がある。なので、その辺りは、彼らから警備隊に教えることになるだろう」
「それは助かります。ギスタークに対しての備えも我々には足りなかったので……」
そうか、とヴィルマーは少しほっとした表情になった。その話については、明日警備隊の訓練に5人を連れて合流するとヴィルマーは説明をした。
「それから、君に、俺の父から手紙を預かっている。魔法を使ってのやりとりなので、昨日のギスターク退治が終わった後にやりとりをしてな」
「魔法を使って? サーレック辺境伯から?」
驚きの表情を見せるミリア。確かに魔法を使った手紙のやり取りというものがあるとは知っていたが、それを出来るのは王族ぐらいだと思っていたからだ。それぐらい、その魔法を使える者は限られている。そして、そんな人材は王城方面に行ってしまうとも思っていた。
ヴィルマーは「俺たちは広い領地を回り続けているのでな。それなりに、リアルタイムで報告を出来ないと困ることも多いので、逆に王城方面から派遣をしてもらっているんだ」と告げた。なるほど、国王がそれなりに「サーレック辺境伯領を放置してしまっている」ことを理解しているということか。
「で、だな。これを渡す前に、君に正式にプロポーズをしたいんだが……」
「プロポーズ!?」
突然の言葉にミリアの声が裏返り、頬が紅潮する。その様子を見て、今度はヴィルマーの方が「おかしいことを俺は言ったのか!?」と声が裏返る。
「……いえ……その……」
「昨日、言っただろう。正式なプロポーズはまた後でって……」
「は……はい」
ミリアは突如不安げにヴィルマーを見て、それから目を逸らす。
「わたし、で、いいのですか」
「おいおい、昨日の君はどこにいってしまったんだ……?」
そう言ってヴィルマーは笑い出す。それから、手を伸ばしてそっとミリアの手に触れた。
「失礼」
「あ……」
「君が、いい」
そう言って、彼はミリアの手の甲を持ち上げ、そこにキスを落とした。それから、静かにその手を自分の両手で上下に挟んで、彼女を見つめる。
「君がいいんだ。俺は。だが、まあそれは俺の話で、君が俺では足りないというなら、そう言ってくれ」
「そんな……そんな、ことは」
ミリアは驚いて、それから口ごもる。が、ヴィルマーはいつもならば、そう強く追及をしないだろうに、今日ははっきりと言葉を重ねた。
「昨日の言葉は、ただの勢いだったのか? もし、そうなら、そうだと言ってくれ」
「そうではないんです。ヴィルマーさん。そうではないんです。その……」
「うん」
「わたし、が、足りないのではないかと……突然不安になって。昨日は、あなたに助けてもらって、心が浮き立ってしまっていたし」
「何故? 何も足りなくない。君は、そのままで何一つ足りないことはないぞ」
そう言って、ヴィルマーは両手で挟んだ彼女の手を、ぎゅっと握りしめる。彼の手のひらの熱が伝わり、ミリアは目を伏せながら、頬をわずかに紅潮させる。
「わたしはあなたに何度も言ったように、甘えることが苦手です。いえ、そうではなくて……甘えていても、うまく、そうだと伝えることが出来ない、要するに……可愛げがない女ですから……」
「君も馬鹿だな」
そのヴィルマーの声音は優しい。ミリアは、恐る恐る彼を見た。
「いや。わかってる。悪いのは俺の方だ。先日の話で俺は自分が馬鹿だってよくわかったんだ」
「えっ?」
「君が、俺に甘えてくれていることに、うまく気づいていなかった。だが、それは、君が常に礼節を重んじた態度でいてくれたからだ。それに、俺は勝手に騙されてしまっていた。それを、まず詫びよう。あれから考えたら、その……君が、俺に甘えてくれていたということが理解出来たというか……」
そう言いつつ、ヴィルマーは「こんなことを当人の前で口に出すのは傲慢かもしれないが」と苦々しい表情を見せた。
彼の言葉に驚いて、軽く目を瞬くミリア。何も言わないミリアを見つつ、彼は照れくさそうに「俺も色々考えたんだ、これでも」と笑った。
「それに、だ。第一、本当に可愛げがない女性は、そんなことは言わない。申し訳ない話だが……君が、そうやって自信がなさそうな姿は、とても、その……可愛げがあるように俺には見えるんだが」
「はい。これでは初めに戻ったも同じだ、と言われてしまいました」
「そうか……」
ヴィルマーは椅子をベッドの近くに運んでどっかりと座る。ミリアは読んでいた書物を閉じて、サイドテーブルに置いた。
「なので、今からまた4か月、ここでお世話になることになりそうです。町長にはまだ話をしていないのですが……」
「ああ、この家のことか。大丈夫だろう。町長は、むしろここに永住して欲しいぐらいのことを言っていたぞ」
「まあ」
「とはいえ、あれだ。俺の父がひとまず5人をここに派遣をしてくれたわけなんだが」
そう言われればそうだった。5人を連れて来たとヴィルマーは言ったが、そもそも5人程度で何が出来るんだろうか。そうちらりと思ったことをミリアは思い出す。
「来月になれば、追加でまた5人が来る。だが、警備隊には引き続きこの町の警備を任せたいんだ」
「それは……どういうことでしょうか?」
どうやら、サーレック辺境伯が派遣をしてくれた兵士たちも、そう熟練の者ではないのだと言う。なので、彼らと「協力をして」いくことになるという話だった。
「わかりました。それは、来月追加される5人も……」
「そうだな。それでも、これで俺の父がヤーナックを無視しているわけではないとはわかってもらえるといいんだが、ちょっと逆効果になるかな……ああ、でも、魔獣討伐はしたことがある連中なので、それに関しては警備隊のメンバーよりは経験がある。なので、その辺りは、彼らから警備隊に教えることになるだろう」
「それは助かります。ギスタークに対しての備えも我々には足りなかったので……」
そうか、とヴィルマーは少しほっとした表情になった。その話については、明日警備隊の訓練に5人を連れて合流するとヴィルマーは説明をした。
「それから、君に、俺の父から手紙を預かっている。魔法を使ってのやりとりなので、昨日のギスターク退治が終わった後にやりとりをしてな」
「魔法を使って? サーレック辺境伯から?」
驚きの表情を見せるミリア。確かに魔法を使った手紙のやり取りというものがあるとは知っていたが、それを出来るのは王族ぐらいだと思っていたからだ。それぐらい、その魔法を使える者は限られている。そして、そんな人材は王城方面に行ってしまうとも思っていた。
ヴィルマーは「俺たちは広い領地を回り続けているのでな。それなりに、リアルタイムで報告を出来ないと困ることも多いので、逆に王城方面から派遣をしてもらっているんだ」と告げた。なるほど、国王がそれなりに「サーレック辺境伯領を放置してしまっている」ことを理解しているということか。
「で、だな。これを渡す前に、君に正式にプロポーズをしたいんだが……」
「プロポーズ!?」
突然の言葉にミリアの声が裏返り、頬が紅潮する。その様子を見て、今度はヴィルマーの方が「おかしいことを俺は言ったのか!?」と声が裏返る。
「……いえ……その……」
「昨日、言っただろう。正式なプロポーズはまた後でって……」
「は……はい」
ミリアは突如不安げにヴィルマーを見て、それから目を逸らす。
「わたし、で、いいのですか」
「おいおい、昨日の君はどこにいってしまったんだ……?」
そう言ってヴィルマーは笑い出す。それから、手を伸ばしてそっとミリアの手に触れた。
「失礼」
「あ……」
「君が、いい」
そう言って、彼はミリアの手の甲を持ち上げ、そこにキスを落とした。それから、静かにその手を自分の両手で上下に挟んで、彼女を見つめる。
「君がいいんだ。俺は。だが、まあそれは俺の話で、君が俺では足りないというなら、そう言ってくれ」
「そんな……そんな、ことは」
ミリアは驚いて、それから口ごもる。が、ヴィルマーはいつもならば、そう強く追及をしないだろうに、今日ははっきりと言葉を重ねた。
「昨日の言葉は、ただの勢いだったのか? もし、そうなら、そうだと言ってくれ」
「そうではないんです。ヴィルマーさん。そうではないんです。その……」
「うん」
「わたし、が、足りないのではないかと……突然不安になって。昨日は、あなたに助けてもらって、心が浮き立ってしまっていたし」
「何故? 何も足りなくない。君は、そのままで何一つ足りないことはないぞ」
そう言って、ヴィルマーは両手で挟んだ彼女の手を、ぎゅっと握りしめる。彼の手のひらの熱が伝わり、ミリアは目を伏せながら、頬をわずかに紅潮させる。
「わたしはあなたに何度も言ったように、甘えることが苦手です。いえ、そうではなくて……甘えていても、うまく、そうだと伝えることが出来ない、要するに……可愛げがない女ですから……」
「君も馬鹿だな」
そのヴィルマーの声音は優しい。ミリアは、恐る恐る彼を見た。
「いや。わかってる。悪いのは俺の方だ。先日の話で俺は自分が馬鹿だってよくわかったんだ」
「えっ?」
「君が、俺に甘えてくれていることに、うまく気づいていなかった。だが、それは、君が常に礼節を重んじた態度でいてくれたからだ。それに、俺は勝手に騙されてしまっていた。それを、まず詫びよう。あれから考えたら、その……君が、俺に甘えてくれていたということが理解出来たというか……」
そう言いつつ、ヴィルマーは「こんなことを当人の前で口に出すのは傲慢かもしれないが」と苦々しい表情を見せた。
彼の言葉に驚いて、軽く目を瞬くミリア。何も言わないミリアを見つつ、彼は照れくさそうに「俺も色々考えたんだ、これでも」と笑った。
「それに、だ。第一、本当に可愛げがない女性は、そんなことは言わない。申し訳ない話だが……君が、そうやって自信がなさそうな姿は、とても、その……可愛げがあるように俺には見えるんだが」
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