60 / 118
隣国ヘーラクレール編
43 可愛いシロ様
しおりを挟む
「ジイ!(シロだよ!)」
ちょこんと立ち上がり、挨拶をするシロ様。凄く……可愛らしい!
「か、かわっ……!」
両手で口を押えたのに、間に合わずルミナス様から声が上がった。分かります……シロ様はとてもお可愛らしい。
「お、おおおおお! なんとお可愛らしく、神々しいお姿! 初めて拝謁致します! おおおおお!」
ブルブル震えながら床に膝をつき、祈り始めたレイ公爵。
「な、なんと……お噂通りの涼やかなるお姿!感動のあまり前が見えませぬ!!」
滝のように涙を流しながら、ファンミル侯爵もレイ公爵の隣で祈り始める……ちょっと大袈裟かな?とは思うけれど、お二人はシロ様に感銘を受けているようだし、シロ様も悪い気分ではないらしい。胸を張って嬉しそうだ。
「ジイ!」
「わっ」
突然羽ばたいたかと思うと、シロ様は飛び上がり、クロード様の頭の上に乗っかった。頭の上に乗せるには少し大きいシロ様だけれど、バランスよくクロード様の上に着地した。
「シ、シロ様!?」
「はは、クロード殿はシロ様に気に入られたようですね」
アーサーやカールさんの頭の上にもよく乗るシロ様。クロード様もその一員に加えることにしたのだろう。
「ジージー! (まーがれった! このひとへーらくれーるおじちゃんとにてるにおいがするよ)」
「まあ、そうだったんですね」
「えっと、あの……光栄ですが、シロ様はなんとおっしゃったのでしょうか?」
頭の上にいるシロ様がご機嫌ということは伝わったが、話した内容は分からなかったクロード様が助けを求めて来たので、私は快く助け舟を出す。
「クロード様はヘーラクレール様と似ているそうです。ですからシロ様がお気に召したのですね」
「な、なんと……光栄の極みであります!!」
「ジイッ! (わっ)」
感激したクロード様が勢いよく頭を下げたせいで、シロ様がぽん、と空中に投げ出される。
「あっ危ない!」
それにいち早く反応してくださったのはルミナス様で、細い腕を伸ばしてシロ様を空中で捕まえてくれた。
「ジイッ! (ありがと、おねえちゃん)」
「大丈夫ですか? シロ様。クロード! あなたなにをやっているのかしら!? シロ様がお怪我でもしたらどうするおつもり!!」
「あっ! も、申し訳、申し訳ございませんっシロ様!」
「ジィ~(へいきだよ~ぼく、とべるもんね~~)」
「飛べるから平気とおっしゃってますよ」
「シロ様は寛大でもいらっしゃるのね……ふかふか……」
「ジイッ! (ぼく、やさしいよ。おなかもふわふわだよ)」
「もふもふ……ふわふわ……か、可愛い……可愛らしすぎる……ああ、シロ様~」
「ジジジッ(えへへ、もっとなでて~~)」
「もふもふ……もふもふ……ふふ、可愛いよう」
先ほどまで完璧な淑女の装いだったルミナス様の表情が緩んで、シロ様を撫で続けている……ルミナス様は相当な動物好きなのかしら……?
「こ、これ! ルミナスっシロ様に何というご無礼を!」
「大丈夫ですよ、ファンミル侯爵。御覧の通りシロ様はとても喜んでいらっしゃいます、シロ様は撫でて貰うのが大好きなんです」
「そ、そうでございますか、マーガレッタ様……マーガレッタ様がそうおっしゃるならその通り……確かにシロ様もお喜びのようだ。ルミナスのモコモコした物好きがシロ様のお役に立てるようで何より……」
ルミナス様の行動に驚いたファンミル侯爵が立ち上がって諫めようとしたけれど、私はそれを止めさせてもらった。シロ様もとても嬉しそうだし、ルミナス様もとても楽しそうだった。
ちょこんと立ち上がり、挨拶をするシロ様。凄く……可愛らしい!
「か、かわっ……!」
両手で口を押えたのに、間に合わずルミナス様から声が上がった。分かります……シロ様はとてもお可愛らしい。
「お、おおおおお! なんとお可愛らしく、神々しいお姿! 初めて拝謁致します! おおおおお!」
ブルブル震えながら床に膝をつき、祈り始めたレイ公爵。
「な、なんと……お噂通りの涼やかなるお姿!感動のあまり前が見えませぬ!!」
滝のように涙を流しながら、ファンミル侯爵もレイ公爵の隣で祈り始める……ちょっと大袈裟かな?とは思うけれど、お二人はシロ様に感銘を受けているようだし、シロ様も悪い気分ではないらしい。胸を張って嬉しそうだ。
「ジイ!」
「わっ」
突然羽ばたいたかと思うと、シロ様は飛び上がり、クロード様の頭の上に乗っかった。頭の上に乗せるには少し大きいシロ様だけれど、バランスよくクロード様の上に着地した。
「シ、シロ様!?」
「はは、クロード殿はシロ様に気に入られたようですね」
アーサーやカールさんの頭の上にもよく乗るシロ様。クロード様もその一員に加えることにしたのだろう。
「ジージー! (まーがれった! このひとへーらくれーるおじちゃんとにてるにおいがするよ)」
「まあ、そうだったんですね」
「えっと、あの……光栄ですが、シロ様はなんとおっしゃったのでしょうか?」
頭の上にいるシロ様がご機嫌ということは伝わったが、話した内容は分からなかったクロード様が助けを求めて来たので、私は快く助け舟を出す。
「クロード様はヘーラクレール様と似ているそうです。ですからシロ様がお気に召したのですね」
「な、なんと……光栄の極みであります!!」
「ジイッ! (わっ)」
感激したクロード様が勢いよく頭を下げたせいで、シロ様がぽん、と空中に投げ出される。
「あっ危ない!」
それにいち早く反応してくださったのはルミナス様で、細い腕を伸ばしてシロ様を空中で捕まえてくれた。
「ジイッ! (ありがと、おねえちゃん)」
「大丈夫ですか? シロ様。クロード! あなたなにをやっているのかしら!? シロ様がお怪我でもしたらどうするおつもり!!」
「あっ! も、申し訳、申し訳ございませんっシロ様!」
「ジィ~(へいきだよ~ぼく、とべるもんね~~)」
「飛べるから平気とおっしゃってますよ」
「シロ様は寛大でもいらっしゃるのね……ふかふか……」
「ジイッ! (ぼく、やさしいよ。おなかもふわふわだよ)」
「もふもふ……ふわふわ……か、可愛い……可愛らしすぎる……ああ、シロ様~」
「ジジジッ(えへへ、もっとなでて~~)」
「もふもふ……もふもふ……ふふ、可愛いよう」
先ほどまで完璧な淑女の装いだったルミナス様の表情が緩んで、シロ様を撫で続けている……ルミナス様は相当な動物好きなのかしら……?
「こ、これ! ルミナスっシロ様に何というご無礼を!」
「大丈夫ですよ、ファンミル侯爵。御覧の通りシロ様はとても喜んでいらっしゃいます、シロ様は撫でて貰うのが大好きなんです」
「そ、そうでございますか、マーガレッタ様……マーガレッタ様がそうおっしゃるならその通り……確かにシロ様もお喜びのようだ。ルミナスのモコモコした物好きがシロ様のお役に立てるようで何より……」
ルミナス様の行動に驚いたファンミル侯爵が立ち上がって諫めようとしたけれど、私はそれを止めさせてもらった。シロ様もとても嬉しそうだし、ルミナス様もとても楽しそうだった。
応援ありがとうございます!
37
お気に入りに追加
10,980
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。