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番外編
9 体を鍛えよう4
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「うぎゃーーー!」
「頑張って!ダグラス様!」
「ひぃーーー!」
ワシはへっぴり腰ながらも必死で必死で剣を振り回し、1階のボスを倒した。物凄く巨大なスライムじゃった。ワシだっておんぶにだっこだけではなく一人で戦えるもん!的な所を見せてやりたかったんじゃ!すぐさまそんなことしなきゃよかったって後悔したわけじゃがな。
「ひぃひぃ……もう無理、もう無理……!」
スライムの巨大な核に剣を突き立て、パーン!と爆発四散、更には何かドロップアイテムが出た事を確認して、ワシは汚いダンジョンの床に大の字にひっくり返った。
「あはは!大旦那様!頑張りましたね!偉いですよ!」
「うふふ、ぬるぬるに……あんなにされちゃって……ダグラス様、可愛い……エロい……」
うう……!もう何を言われようが指一本動かん!なんでリドリーや殿下はこんなモンスターを一振りで倒せるんじゃ!信じられん!!ワシは……ワシはペンより重いものなどもたなくて良い!
「あ、やっぱり大旦那様が倒すとドロップアイテム良いのでますねぇ。1階のボスなんて何も出ない事で有名なのに」
リドリーが緑の小瓶と何かの塊を持って戻って来る。しらん、そんなもん知らん!!
「さあ、可愛い人」
「うええ……」
ニコニコと腕を伸ばしてくれる殿下に素直にしがみ付く。もう帰りたい!
「さあ、今日も頑張りましょうね」
「帰りたい~~」
「頑張るって、殿下にしがみついてるだけじゃないですか」
しっかりアイテムを鞄にしまい込みつつリドリーはぼやく。ならもう帰ろう!
「リドリーは特別手当、私はダグラス様の可愛い所を堪能、ダグラス様はレベルアップ。しかも秘薬のおまけ付きで何が不満なんだ?」
「一欠片もありません!!」
「良し!ならば今日も周回だ!!」
「うう……もう帰りたい……」
「おおおおお願いです!!そろそろ!そろそろ書類を!書類をおおおーーー!」
侍従殿に泣きつかれるまで、ワシは二人に連れ回された。もう最後の方は「無」じゃった、「無」。もうどうにでも好きにして欲しい。
「あーーーーー!執務室!紙の匂い!手にはペン!最高じゃ!最高じゃあああ!!!」
天井近くまで積み上がった書類も、9階ボスに比べればなんと可愛いものよ!!
「落ち着く!最高に落ち着くぅーーーー!」
ワシは安堵のあまり、過去最速の書類処理時間を叩き出した。侍従殿や事務方の役人が涙と鼻水を垂らしながら心から喜んでくれておる。うんうん、やはりこうでなくとはのう!
「しかし、手はいつもより早く動くし、肩も凝らんのう??」
「それはレベルが上がったからでしょう?今おいくつくらいで?」
はて?そういえば……?
「1206レベル……殿下にしがみついていただけですのに……」
「素晴らしいですね!特訓前の10倍なんて!」
「はあ……」
まるで実感はない。だって本当にしがみついていただけなんじゃから……。まあしかし、肩が凝らぬのは良いのう、心なしか眼精疲労も軽減されておる気がするし、長時間椅子に座っておっても腰が痛くならんとは、レベルアップ様様じゃ。
「これで前の10倍は出来ますね!30回かあ!今夜が楽しみです!」
「わ、ワシを殺す気ですか?!?!」
「まさか!心ゆくまで愛し合いましょう!」
何を考えておるんじゃ!そんなにやれる訳なかろう!意味が分からん!
「本当に勘弁してくだされぇ……」
ワシは書類の山から下山する事を心の底から拒む事にした。もう一生書類整理で良い!!
「嫌ですーー!そんなの嫌ですーーー!」
ワシャ知らん!!
体を鍛えよう【終】
「頑張って!ダグラス様!」
「ひぃーーー!」
ワシはへっぴり腰ながらも必死で必死で剣を振り回し、1階のボスを倒した。物凄く巨大なスライムじゃった。ワシだっておんぶにだっこだけではなく一人で戦えるもん!的な所を見せてやりたかったんじゃ!すぐさまそんなことしなきゃよかったって後悔したわけじゃがな。
「ひぃひぃ……もう無理、もう無理……!」
スライムの巨大な核に剣を突き立て、パーン!と爆発四散、更には何かドロップアイテムが出た事を確認して、ワシは汚いダンジョンの床に大の字にひっくり返った。
「あはは!大旦那様!頑張りましたね!偉いですよ!」
「うふふ、ぬるぬるに……あんなにされちゃって……ダグラス様、可愛い……エロい……」
うう……!もう何を言われようが指一本動かん!なんでリドリーや殿下はこんなモンスターを一振りで倒せるんじゃ!信じられん!!ワシは……ワシはペンより重いものなどもたなくて良い!
「あ、やっぱり大旦那様が倒すとドロップアイテム良いのでますねぇ。1階のボスなんて何も出ない事で有名なのに」
リドリーが緑の小瓶と何かの塊を持って戻って来る。しらん、そんなもん知らん!!
「さあ、可愛い人」
「うええ……」
ニコニコと腕を伸ばしてくれる殿下に素直にしがみ付く。もう帰りたい!
「さあ、今日も頑張りましょうね」
「帰りたい~~」
「頑張るって、殿下にしがみついてるだけじゃないですか」
しっかりアイテムを鞄にしまい込みつつリドリーはぼやく。ならもう帰ろう!
「リドリーは特別手当、私はダグラス様の可愛い所を堪能、ダグラス様はレベルアップ。しかも秘薬のおまけ付きで何が不満なんだ?」
「一欠片もありません!!」
「良し!ならば今日も周回だ!!」
「うう……もう帰りたい……」
「おおおおお願いです!!そろそろ!そろそろ書類を!書類をおおおーーー!」
侍従殿に泣きつかれるまで、ワシは二人に連れ回された。もう最後の方は「無」じゃった、「無」。もうどうにでも好きにして欲しい。
「あーーーーー!執務室!紙の匂い!手にはペン!最高じゃ!最高じゃあああ!!!」
天井近くまで積み上がった書類も、9階ボスに比べればなんと可愛いものよ!!
「落ち着く!最高に落ち着くぅーーーー!」
ワシは安堵のあまり、過去最速の書類処理時間を叩き出した。侍従殿や事務方の役人が涙と鼻水を垂らしながら心から喜んでくれておる。うんうん、やはりこうでなくとはのう!
「しかし、手はいつもより早く動くし、肩も凝らんのう??」
「それはレベルが上がったからでしょう?今おいくつくらいで?」
はて?そういえば……?
「1206レベル……殿下にしがみついていただけですのに……」
「素晴らしいですね!特訓前の10倍なんて!」
「はあ……」
まるで実感はない。だって本当にしがみついていただけなんじゃから……。まあしかし、肩が凝らぬのは良いのう、心なしか眼精疲労も軽減されておる気がするし、長時間椅子に座っておっても腰が痛くならんとは、レベルアップ様様じゃ。
「これで前の10倍は出来ますね!30回かあ!今夜が楽しみです!」
「わ、ワシを殺す気ですか?!?!」
「まさか!心ゆくまで愛し合いましょう!」
何を考えておるんじゃ!そんなにやれる訳なかろう!意味が分からん!
「本当に勘弁してくだされぇ……」
ワシは書類の山から下山する事を心の底から拒む事にした。もう一生書類整理で良い!!
「嫌ですーー!そんなの嫌ですーーー!」
ワシャ知らん!!
体を鍛えよう【終】
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