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番外編
1 進撃の双子
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「ディエスがいたから、貴方達は貴方達でいられたのよ」
お母様が何度も何度も言うその言葉の意味が最初は分からなかった。
「イーライ様!ウィルフィルド様!」
「でぃえちゅ!」「でぃー!」
お母様の住んでいる王妃宮になんの咎めもなく自由に出入りできる男の人は少ない。その中でも特別なのがディエス様だった。
すんごくきれいですんごく良い匂いがするんだけど、侍女達と違って僕達をいっぺんに抱っこしてくれる。
「わあ!お二人とも随分と大きくなりましたねぇ!んーでもまだ行けるな!体鍛えようかな??」
いっぺんに抱っこするのに体を鍛える?それを聞いてイーライが青い顔になって行く。何を考えたかわかるよ、だって一瞬マキシマの顔が浮かんだもん。
「鍛える駄目!でぃえちゅがクマになる!」
「くまぁ?」
「まきしま、みたいにならないでぇ」
ふえ~ん、イーライが泣いた、ううん、あれはウソ泣き。ああすれば絶対ディエス様は言う事聞いてくれるもん。
「あーー!多少鍛えてもマキシマにはなりませんよー!鍛えません、鍛えませんから」
「良かったぁ」
キラキラスマイル。あれもよく効く。イーライは本当に使い分けが上手。流石僕の片割れだよ。
「よかたぁよー!うぃるもーくまさんになってほしくないよー」
「あはは、大丈夫ですって」
すごく良い匂いのするディエス様の首筋にすりすりする。はー良い匂い!お話にあるつがいとか言う伝説がこの世界にもあったら、絶対僕達のつがいはディエス様なのに!
そのディエス様の良い匂いに混じる不快な匂い。自分達に似ていてそれでいて違う匂い……父親ラムシェーブルの匂いだ。
はっきり言えばムカつく。凄く、ムカつく。でもまだ3歳の僕達では父親に勝てる要素が一つもない。
「でぃえす、ちゅー!」
「はは、何ですか?今日は甘えたい気分ですか?」
「ぼくもー」
「く、くすぐったい、あはは、あははは!」
白い首筋につけられた赤い跡の上から吸い付いてやった。くそっ!僕達は性急に力をつける必要がある。父親ラムシェーブル皇帝以上の権力を得なければディエス様を僕達の隣に据えることなんて出来ないんだ。
生まれた時から高い壁が聳え立っていたけれど、僕達はそれが出来る力を持っていると確信していた。
「ラムシェーブルを超える皇帝に絶対なってやる」
それが僕達の野望だった。
「……」
「どうしてラムは子供達に会いに行かないんだ??」
「何故か知らないがあの二人は私を物凄い目で睨んで来るのだよ」
ディエスはこてん、と首を傾げて全くわからんと言う顔をした。
「はあ?まだ3歳だぞ?なんで父親を睨んで来るんだ?ははーん?抱っこしてやらないから拗ねてるんだよ」
「あれは拗ねる、と言う顔ではない。本気で私を排除しようとしている」
「まっさかー!あの可愛い双子がそんな怖い事考えてるわけないだろ!」
真実は双子の中に。
お母様が何度も何度も言うその言葉の意味が最初は分からなかった。
「イーライ様!ウィルフィルド様!」
「でぃえちゅ!」「でぃー!」
お母様の住んでいる王妃宮になんの咎めもなく自由に出入りできる男の人は少ない。その中でも特別なのがディエス様だった。
すんごくきれいですんごく良い匂いがするんだけど、侍女達と違って僕達をいっぺんに抱っこしてくれる。
「わあ!お二人とも随分と大きくなりましたねぇ!んーでもまだ行けるな!体鍛えようかな??」
いっぺんに抱っこするのに体を鍛える?それを聞いてイーライが青い顔になって行く。何を考えたかわかるよ、だって一瞬マキシマの顔が浮かんだもん。
「鍛える駄目!でぃえちゅがクマになる!」
「くまぁ?」
「まきしま、みたいにならないでぇ」
ふえ~ん、イーライが泣いた、ううん、あれはウソ泣き。ああすれば絶対ディエス様は言う事聞いてくれるもん。
「あーー!多少鍛えてもマキシマにはなりませんよー!鍛えません、鍛えませんから」
「良かったぁ」
キラキラスマイル。あれもよく効く。イーライは本当に使い分けが上手。流石僕の片割れだよ。
「よかたぁよー!うぃるもーくまさんになってほしくないよー」
「あはは、大丈夫ですって」
すごく良い匂いのするディエス様の首筋にすりすりする。はー良い匂い!お話にあるつがいとか言う伝説がこの世界にもあったら、絶対僕達のつがいはディエス様なのに!
そのディエス様の良い匂いに混じる不快な匂い。自分達に似ていてそれでいて違う匂い……父親ラムシェーブルの匂いだ。
はっきり言えばムカつく。凄く、ムカつく。でもまだ3歳の僕達では父親に勝てる要素が一つもない。
「でぃえす、ちゅー!」
「はは、何ですか?今日は甘えたい気分ですか?」
「ぼくもー」
「く、くすぐったい、あはは、あははは!」
白い首筋につけられた赤い跡の上から吸い付いてやった。くそっ!僕達は性急に力をつける必要がある。父親ラムシェーブル皇帝以上の権力を得なければディエス様を僕達の隣に据えることなんて出来ないんだ。
生まれた時から高い壁が聳え立っていたけれど、僕達はそれが出来る力を持っていると確信していた。
「ラムシェーブルを超える皇帝に絶対なってやる」
それが僕達の野望だった。
「……」
「どうしてラムは子供達に会いに行かないんだ??」
「何故か知らないがあの二人は私を物凄い目で睨んで来るのだよ」
ディエスはこてん、と首を傾げて全くわからんと言う顔をした。
「はあ?まだ3歳だぞ?なんで父親を睨んで来るんだ?ははーん?抱っこしてやらないから拗ねてるんだよ」
「あれは拗ねる、と言う顔ではない。本気で私を排除しようとしている」
「まっさかー!あの可愛い双子がそんな怖い事考えてるわけないだろ!」
真実は双子の中に。
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