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07 オリビアとその父親
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診療台に座った子供の足首ははれあがっていた。
「痛そうですよ、カミーユ。なんとかしてあげて?」とレイモンドが言うと
「でもね、レイ、わたしは・・・・」
「でもカミーユこの前平民の治療は」と言いかけたレイモンドの言葉を聞いた男は
「おまえは枯れ聖女だな、なんでお前しかいないんだ。役立たずが・・・・」
「枯れていても痛みくらいは取れるだろ。なんとかしろ」と抱えて来た男はどなった。
「カミーユ、痛そうだよ」とレイモンドが言えば
カミーユは痛みをこらえている子供の汗と涙を拭くと手の平をかざした。
ふわっと魔力があふれると銀色の光が子供の足首を包んだ。
光が消えると子供はびっくりした顔でカミーユを見た。そしてレイモンドが子供の手を握ると
「どうだい、歩けるだろ」と引っ張った。
「坊ちゃま」と侍従があわてたが
「うん、すごい。平気だ」と子供二人は飛び跳ねだした。
「やめなさい、二人共」とカミーユの厳しい声がした。
「あっいえ、おやめください。まだ治したばかりです。無理は」とカミーユが言うと
「大丈夫だよ。カミーユ。僕平気だよ。治ってる。カミーユはすごい」と子供はレイモンドの手をしっかり握ったまま答え、
「だろ、言ったとおりだろ」と子供二人は、手を取り合ってはしゃいだ。
子供の従者たちは、ほっとした顔で
「ありがとうございます・・・その失礼な物言いを・・・」
「かまいません、治せてよかったですわ」と返事した。
翌日の診療をオリビアは休んだ。ロザリーが得意顔で治療に当たった。
カミーユはオリビアの私室に呼びつけられた。そこにはオリビアの父親の伯爵が来ていた。
「枯れ聖女」と呼びかけた伯爵は態度も声のカミーユへの侮蔑を表していた。
「オリビアが不調なようだ。今日はオリビアを肩と腕を揉め。心を込めて丁寧にするんだ」と言った。
カミーユは言われた通り、オリビアの肩を腕を揉んだが、
「痛いわ・・・気をつけて」とオリビアが言うと
「オリビアは大事な体だ。気をつけろ」と伯爵がわめいた。
「伯爵様、僕が伯爵様を揉んでいいですか?」レイモンドが言った。
「レイ、失礼ですよ・・・あなたが触れていい方ではありません」とカミーユが叱った。
「はい・・・お足でも思ったのですが・・・あれ?お足?えーーとおみ足?」とレイが言うと
「お父様、卑しい従者に足でも揉ませたらいいのでは?」とオリビアが言うと
「そうだな・・・」と言うとブーツを脱ごうとした。そこにオリビアが浄化をかけた。
「あっ戻って来ましたね。やはりお疲れだったのですよ」とエメが言うと、他の侍女も我先に
「やはり、腕が疲れて」「いっそおみ足も」とか言い始めた。
揉んでいるうちにオリビアはうとうとして来たが、エメが
「ほら、終わりじゃないわよ。おみ足も・・・全部揉んで・・・丁寧にね」と尊大に言った。
伯爵はレイが揉み始めるとすぐにいびきをかき出して、いびき以外は静かだった。
日が傾く頃、開放されたカミーユはレイモンドと手を繋いで家に戻った。
「カミーユ疲れましたでしょ。あの女ども」とレイモンドが言うと
「レイこそ疲れたでしょ。疲れを取るから待ってね」とカミーユが言うとふわっと銀色の光がレイモンドを包んだ。
カミーユは首をかしげたが、自分にも手をかざした。銀色の光はカミーユも包んだ。
その後二人はいつものように具たくさんのスープとパンと言う質素な夕食を済ましたが、
「ねぇレイ、聞いて。わたしね。魔力が戻り始めてるの」
「枯れたって言われてたよね」とレイが答えたがすぐに
「失礼だよね」と続けた。
「最初は悲しかったけど・・・今は枯れてよかったと」と言うとレイは驚いて目を見張った。
「神殿のいやな所も見たし、聖女もね・・・それに婚約も・・・終わったけど」とカミーユが言うと
「婚約者! 婚約者がいるの!」とレイが言うと
「驚かしたわね。いたのよ。終わったのよ・・・ちょっとそれが悲しくて」と答えた。
「婚約者を守らない婚約者は婚約者じゃない」とレイが言うとカミーユはちょっと笑った。
「もう、婚約者じゃないの。だから、もういいの」
「婚約をやめるなんてどうして!」となおも言い募るレイに
「そうよね。レイはまだわからないかもだけど・・・好きとかってことじゃなくて聖女を王室にって婚約だったから、枯れた聖女はいらないってことね」と説明すると
「それでも婚約者だ。それは不誠実だ」とレイが拳を握って言うのを見て、
「終わったの、それで良かったの。不誠実よ。だから終わって良かったの」とカミーユは愉快そうに笑った。
カミーユの笑いをじっと見ていたレイは、
「良かったの?ほんとに?」
カミーユは
「ほんとよ。それでね、魔力が戻ってない振りをするから、レイもそのつもりでいてね」
「わかった。カミーユは僕が守るから、安心して」とレイが拳を握って言うと
「お願いね」とカミーユは答えると頭を撫でた。
「痛そうですよ、カミーユ。なんとかしてあげて?」とレイモンドが言うと
「でもね、レイ、わたしは・・・・」
「でもカミーユこの前平民の治療は」と言いかけたレイモンドの言葉を聞いた男は
「おまえは枯れ聖女だな、なんでお前しかいないんだ。役立たずが・・・・」
「枯れていても痛みくらいは取れるだろ。なんとかしろ」と抱えて来た男はどなった。
「カミーユ、痛そうだよ」とレイモンドが言えば
カミーユは痛みをこらえている子供の汗と涙を拭くと手の平をかざした。
ふわっと魔力があふれると銀色の光が子供の足首を包んだ。
光が消えると子供はびっくりした顔でカミーユを見た。そしてレイモンドが子供の手を握ると
「どうだい、歩けるだろ」と引っ張った。
「坊ちゃま」と侍従があわてたが
「うん、すごい。平気だ」と子供二人は飛び跳ねだした。
「やめなさい、二人共」とカミーユの厳しい声がした。
「あっいえ、おやめください。まだ治したばかりです。無理は」とカミーユが言うと
「大丈夫だよ。カミーユ。僕平気だよ。治ってる。カミーユはすごい」と子供はレイモンドの手をしっかり握ったまま答え、
「だろ、言ったとおりだろ」と子供二人は、手を取り合ってはしゃいだ。
子供の従者たちは、ほっとした顔で
「ありがとうございます・・・その失礼な物言いを・・・」
「かまいません、治せてよかったですわ」と返事した。
翌日の診療をオリビアは休んだ。ロザリーが得意顔で治療に当たった。
カミーユはオリビアの私室に呼びつけられた。そこにはオリビアの父親の伯爵が来ていた。
「枯れ聖女」と呼びかけた伯爵は態度も声のカミーユへの侮蔑を表していた。
「オリビアが不調なようだ。今日はオリビアを肩と腕を揉め。心を込めて丁寧にするんだ」と言った。
カミーユは言われた通り、オリビアの肩を腕を揉んだが、
「痛いわ・・・気をつけて」とオリビアが言うと
「オリビアは大事な体だ。気をつけろ」と伯爵がわめいた。
「伯爵様、僕が伯爵様を揉んでいいですか?」レイモンドが言った。
「レイ、失礼ですよ・・・あなたが触れていい方ではありません」とカミーユが叱った。
「はい・・・お足でも思ったのですが・・・あれ?お足?えーーとおみ足?」とレイが言うと
「お父様、卑しい従者に足でも揉ませたらいいのでは?」とオリビアが言うと
「そうだな・・・」と言うとブーツを脱ごうとした。そこにオリビアが浄化をかけた。
「あっ戻って来ましたね。やはりお疲れだったのですよ」とエメが言うと、他の侍女も我先に
「やはり、腕が疲れて」「いっそおみ足も」とか言い始めた。
揉んでいるうちにオリビアはうとうとして来たが、エメが
「ほら、終わりじゃないわよ。おみ足も・・・全部揉んで・・・丁寧にね」と尊大に言った。
伯爵はレイが揉み始めるとすぐにいびきをかき出して、いびき以外は静かだった。
日が傾く頃、開放されたカミーユはレイモンドと手を繋いで家に戻った。
「カミーユ疲れましたでしょ。あの女ども」とレイモンドが言うと
「レイこそ疲れたでしょ。疲れを取るから待ってね」とカミーユが言うとふわっと銀色の光がレイモンドを包んだ。
カミーユは首をかしげたが、自分にも手をかざした。銀色の光はカミーユも包んだ。
その後二人はいつものように具たくさんのスープとパンと言う質素な夕食を済ましたが、
「ねぇレイ、聞いて。わたしね。魔力が戻り始めてるの」
「枯れたって言われてたよね」とレイが答えたがすぐに
「失礼だよね」と続けた。
「最初は悲しかったけど・・・今は枯れてよかったと」と言うとレイは驚いて目を見張った。
「神殿のいやな所も見たし、聖女もね・・・それに婚約も・・・終わったけど」とカミーユが言うと
「婚約者! 婚約者がいるの!」とレイが言うと
「驚かしたわね。いたのよ。終わったのよ・・・ちょっとそれが悲しくて」と答えた。
「婚約者を守らない婚約者は婚約者じゃない」とレイが言うとカミーユはちょっと笑った。
「もう、婚約者じゃないの。だから、もういいの」
「婚約をやめるなんてどうして!」となおも言い募るレイに
「そうよね。レイはまだわからないかもだけど・・・好きとかってことじゃなくて聖女を王室にって婚約だったから、枯れた聖女はいらないってことね」と説明すると
「それでも婚約者だ。それは不誠実だ」とレイが拳を握って言うのを見て、
「終わったの、それで良かったの。不誠実よ。だから終わって良かったの」とカミーユは愉快そうに笑った。
カミーユの笑いをじっと見ていたレイは、
「良かったの?ほんとに?」
カミーユは
「ほんとよ。それでね、魔力が戻ってない振りをするから、レイもそのつもりでいてね」
「わかった。カミーユは僕が守るから、安心して」とレイが拳を握って言うと
「お願いね」とカミーユは答えると頭を撫でた。
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