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第三章 ある破局

04 破局

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エドワードは急いで家に戻った。

家は散らかり酒臭かった。夕べの酒の残りがソファのまわりと寝室にあり、食堂のテーブルにはマギーが食べたと思われる朝食の残りが残っていた。

客間からはマギーの荷物がなくなり、二人の寝室が荒らされていた。いつもきちんと片付いているエリサの鏡台が散らかっていた。

ざっと片付けて家をでようとしたら隣からダリル夫人が出てきて

「エドワードさん念の為に聞くけどあの女は実の血のつながった妹ですか」

「そうだが・・・」自分の声が夫人の目に吸い込まれるような気がした。

「こんなことが起こるとはね」

「酔っ払って寝ただけだ」

「あの女がどれくらいエリサを苦しめていたか・・・・・あの時間にひとりで外に出すなんて・・・・」

なかなか開放してもらえないエドワードは話し半ばで逃げ出した。


団長からエリサに起きたことを聞いたエドワードはすぐにエリサの元に行こうとしたが止められた。

「おまえは許可がでるまでエリサと会ってはいけない。しばらくここで謹慎だ。仕事もでなくて良い。おまえの姿を見られるのはまずい」

「反省はしてますが、エリサに会わせて下さい」

「どこまで覚えている?エリサをひとりで買い物に行かせたな。危険を予知できなかったのか?」

「危険だとは・・・すぐそこまで」

「そうか、エリサが怪我をして歩けないからわたしが家まで送って行った。おまえは妹とベッドに入っていた。服は着ていたから・・・・たんに酔っ払っただけだろう。だがな・・・・騎士団の妻が無防備に襲われたことは大きな問題だ。おまけにいままでのお前と妹のやっていたことが・・・評判が悪すぎる」

「評判とは?」

「妹は確かマジーと言ったか?」

「マギーです」

「そうかマギーは近所中から嫌われていただろ。そのうえおまえがいない間友達を呼び寄せエリサに負担をかけって・・・こき使い・・・おれはそれを聞いておまえを呼び戻したんだ。そして帰ってくるとエリサに連絡したんだ。急に帰るとマギーと友達もばつが悪いだろうと思って・・・・おまえは友達と顔を合わせなかったな・・・・自覚があったんだろうな。おまえが戻ると聞いて帰ったようだから、だがマギーは残った・・・・おまえ、帰るように言わなかったのか?親はどう言っていた?」

「ちゃんと言ってました。エリサが怒っているから帰れって・・・」

「エリサが怒っているからか・・・おまえはマギーがいても平気だったってことだな・・・」

「いえ・・・いやでしたが・・・」

「そうか、エリサさんはおまえの顔を見たくないそうだ。今ホテルに泊まっているが、とにかくお前を見たくないそうだ。騎士団は全力でエリサさんを守る」

「そんな、ぼくが手伝います。エリサを愛しています。僕が世話をします。マギーがいなければうまく行きます」

「わかっていてもマギーを家にいさせた。マギーの言いなりになってエリサに惨めな思い、悲しい思いをさせた。おれとしてもおまえとエリサを合わせるわけにはいかない」

エドワードは焦点の合っていない目を見開いてじっと立っていた。
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