25 / 25
決着
しおりを挟む
エース公爵が殺されたという知らせは王宮を揺るがせたが、ついにこうなったかと思った者は多かった。
国王夫妻と王妃の実家の態度があからさま過ぎたのだ。国王がリチャードを、王妃がテリウスをそれぞれ次の王にしたいと言う態度が。それにともない次男のジョージの力量をそれぞれが認めジョージの補佐があっての王位だと皆が思っていたのだ。
従って外野の勇み足は、時期についてはともなく、誰もが予想していたのだ。
従って、ハービー侯爵が公爵の馬車を襲ったのを誰も驚かなかった。
公爵家の護衛は精鋭揃いだったが、襲撃者のなかに凄腕の魔法使いがいたのだ。その魔法使いは巧みに火の玉を打ち護衛は徐々に馬車から離されてしまった。そこへ第二陣の襲撃者が現れた。護衛は戻ろうとしたが結界に阻まれて馬車に近づけなかった。
それで、公爵は殺された。それから結界がなくなり、襲撃者は公爵家の護衛によって全滅した。いつのまにかいなくなっていた魔法使いを除いて。
国王は激怒した。無理やり証言をとり、ハービー侯爵の派閥はすべて代替わりをさせられ、領地も貧しい領地に追いやられた。
取り上げた領地はすべて王領となり、ジョージが管理部門の責任者となった。
ハービー侯爵は拘留中に自殺した。一族は私闘で公爵を害したと見なされ、罪の連座で爵位を取り上げられ平民に落とされた。
テリウスの助けとなる貴族はこれでいなくなった。
国王は早めに王太子を決めなかったのが王妃たちの野心に火をつけたと思い、リチャードを王太子につけようとしたが、家臣たちはジョージを押した。
いつのまにか家臣はジョージの元にひとつになっていた。
国王は驚いたが、ジョージとリチャードでは力量に差がありすぎる、だからこその補佐。
だが、国王もこの流れを止められなかった。
立太子の式典を来週に控えたある日、ラムとフレデリックは王宮に来ていた。
「二人には世話になった。望んだ結果だがそんなにうれしくない」
「俺たちはジョージがこの国で王でいてくれると、この国も隣国も、まわりの荒れないと思うからすごく嬉しい」
「そうだな、まぁ余分な勢力がいなくなってやりやすくなっているし・・・・国のためにはよかったのかもな」
「そうですよ。王領の管理も見事だし・・・早めに全権受け継いで下さいね」
「気楽に言ってくれるな。二人はこの国を出て好きな事をするのに・・・・」
「気楽な三男、優秀な兄がいますから」
「責任のない平民」
「フレデリックの『魔力なし』って得だよな。教会とか・・・・伯爵家も・・・・」
「わかりません。最初から『魔力なし』扱いだったから・・・・まぁもう関係ないし・・・・立太子の式典には出席ですよね。伯爵家も」
「そうだな・・・・意地悪してやるかな・・・暇になったし野営訓練の事もあるし・・・証拠はないけど」
「なにをやるんだい」とジョージが聞けば
「ずっと継続して嫌がらせはやっているんだ。夫人は多分すごく老けてデブになっている。エドワルドも老けてるっていうかしなびているはず。伯爵はまぁ頭がね」
それを聞いたジョージとラムは顔を見合わせた。
「思ったより怖い」
「それで公の場とか」
「俺、楽しみ」と笑うフレデリックをラムは愛しげに、ジョージは羨ましそうに、少し妬ましげに見た。
国王夫妻と王妃の実家の態度があからさま過ぎたのだ。国王がリチャードを、王妃がテリウスをそれぞれ次の王にしたいと言う態度が。それにともない次男のジョージの力量をそれぞれが認めジョージの補佐があっての王位だと皆が思っていたのだ。
従って外野の勇み足は、時期についてはともなく、誰もが予想していたのだ。
従って、ハービー侯爵が公爵の馬車を襲ったのを誰も驚かなかった。
公爵家の護衛は精鋭揃いだったが、襲撃者のなかに凄腕の魔法使いがいたのだ。その魔法使いは巧みに火の玉を打ち護衛は徐々に馬車から離されてしまった。そこへ第二陣の襲撃者が現れた。護衛は戻ろうとしたが結界に阻まれて馬車に近づけなかった。
それで、公爵は殺された。それから結界がなくなり、襲撃者は公爵家の護衛によって全滅した。いつのまにかいなくなっていた魔法使いを除いて。
国王は激怒した。無理やり証言をとり、ハービー侯爵の派閥はすべて代替わりをさせられ、領地も貧しい領地に追いやられた。
取り上げた領地はすべて王領となり、ジョージが管理部門の責任者となった。
ハービー侯爵は拘留中に自殺した。一族は私闘で公爵を害したと見なされ、罪の連座で爵位を取り上げられ平民に落とされた。
テリウスの助けとなる貴族はこれでいなくなった。
国王は早めに王太子を決めなかったのが王妃たちの野心に火をつけたと思い、リチャードを王太子につけようとしたが、家臣たちはジョージを押した。
いつのまにか家臣はジョージの元にひとつになっていた。
国王は驚いたが、ジョージとリチャードでは力量に差がありすぎる、だからこその補佐。
だが、国王もこの流れを止められなかった。
立太子の式典を来週に控えたある日、ラムとフレデリックは王宮に来ていた。
「二人には世話になった。望んだ結果だがそんなにうれしくない」
「俺たちはジョージがこの国で王でいてくれると、この国も隣国も、まわりの荒れないと思うからすごく嬉しい」
「そうだな、まぁ余分な勢力がいなくなってやりやすくなっているし・・・・国のためにはよかったのかもな」
「そうですよ。王領の管理も見事だし・・・早めに全権受け継いで下さいね」
「気楽に言ってくれるな。二人はこの国を出て好きな事をするのに・・・・」
「気楽な三男、優秀な兄がいますから」
「責任のない平民」
「フレデリックの『魔力なし』って得だよな。教会とか・・・・伯爵家も・・・・」
「わかりません。最初から『魔力なし』扱いだったから・・・・まぁもう関係ないし・・・・立太子の式典には出席ですよね。伯爵家も」
「そうだな・・・・意地悪してやるかな・・・暇になったし野営訓練の事もあるし・・・証拠はないけど」
「なにをやるんだい」とジョージが聞けば
「ずっと継続して嫌がらせはやっているんだ。夫人は多分すごく老けてデブになっている。エドワルドも老けてるっていうかしなびているはず。伯爵はまぁ頭がね」
それを聞いたジョージとラムは顔を見合わせた。
「思ったより怖い」
「それで公の場とか」
「俺、楽しみ」と笑うフレデリックをラムは愛しげに、ジョージは羨ましそうに、少し妬ましげに見た。
応援ありがとうございます!
7
お気に入りに追加
67
この作品の感想を投稿する
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる