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王妃の失脚 2

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そのお茶会からしばらくして、ジョージが毒を盛られたと言う知らせが、ラムとフレデリックにもたらされ、二人は急いで王宮にやって来た。

王宮の医務室でジョージは医務官に付き添われ一人で休んでいた。

幸い、すぐにおかしいと気づき処置が早かった為、命に別状はなかったし、もう意識を取り戻していて二人を見ると

「ここって怖い場所だったんだ」と力なく二人に言った。そして医務官に外して貰った。



「どうだった?」とラムが聞くと

「毒消しを飲んでいたし、口に含んですぐに吐き出したが、口の中がまだ痛いよ」

「無理してしゃべるな。まぁ読みがあたって良かったよ」

「それにしても、すごい効き目の薬だな、医務官たちが驚いていたよ。あのリーベルって毒は後遺症が怖い毒らしいが、見事に消されていて・・・・・」

「だが、毒も凄いが計画が見事だったな。母上がこんな手に引っかかるとは・・・裏があるかと怖いよ・・・・そんな母親の王子は即位しても苦労するだろうに・・・・・誰が毒を盛ったんだ」

「あの侍女だよ。ポケットから小瓶が見つかった」

「馬鹿すぎだね」

「ポットに毒をいれたと話している。ローブを被った男に指示されて、小瓶もそいつにもらったそうだ。そしてそいつからもらったメモに一枚前のメモの内容がうっすら残っていて、計画の概要らしき物と名前が読めた」

「なるほど、そういうやり方が・・・・名前はアンダーソン」

「オリバーが確か」

「そうだが、それだけでは・・・・もう一発なにかやってもらわないといけないね」

「次の尊い犠牲は国王で良いだろう」とラムが言えばジョージは

「そんな所かな」と答えた。

「それではお大事に、明日テリウスを連れてお見舞いに来るからそれまで、ここにいてね」


病室を出ると王妃の使いが待っていた。二人は王妃の使いだとわかるとあからさまに嫌な顔をしてみせたがおとなしく黙ってついて行った。この使いと二人は顔見知りで歩きながら話をする関係だったが、彼になにも話しかけなかった。


王妃は二人を待ちかねていて、二人をみると

「わたくしはなにもしてないのよ。あの侍女があんなことをしたなんて・・・・わたくしでも信じられない・・・ジョージが倒れるなんて・・・あの子がいないとテリウスだって悲しむわ」

「王妃殿下、私共も信じられません。兄弟ですのに・・・・」

「信じてわたくしはなにも・・・・」

「まぁ座ってゆっくり話しましょう」とラムが言うと、王妃は力なく腰を下ろした。

「ジョージとも話したのですが、リチャードはいつも通りだったそうです。ただ、あの侍女は最近移動したそうで様子が変だったのでジョージはちょっと気になって、先にお茶を飲んだって言ってました・・・・・ジョージ自分でよかったって言うんですよ」

ラムは声が割れて先が続けられなかった。

「必ず犯人を見つけたら」とフレデリックは拳を握った。

「そうよ、わたくしもそう思うわ。わたしの子を狙うなんて許せないわ。ほんとにそうよ」

王妃を見ていたラムの目が優しくなって

「そうですよね。許せません。明日も様子を見に行きますがテリウスを誘っていいですか?」

「そうしてもらえると・・・・なんだか状況が・・・・だけどテリウスがお見舞いに行けば皆もわかってくれるはず」

「そうですね・・・・とラムは相槌を打ったが

「あの侍女の私室はどうなってますか?」

「調べが終わったとしか」

「念の為、見ておきたいのですが・・・」

「案内させるわ」




侍女の部屋は徹底的に調べられたのだろう。いろいろな物が床に散らばっていた。ラムとフレデリックはそれらをベッドの上に乗せて行った。そしてあの白紙のメモ用紙の束をそのなかに紛れ込ませた。

これはほんのいたずら心、どう解釈されるかわからない。見つからないかも知れないけど。


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