福来博士の憂鬱
福来博士は福来友吉博士をモデルにして。かってにSF的に展開しています。
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天文学の権威、田所平八郎は、電波望遠鏡で存在を知るM78星群のα星が、35億年前に、爆発しており、その爆発の衝撃波、隕石が地球に飛来することを計算により時期を導き出す。隕石の落下は、地球上に大津波を起こし、各地に地震を誘発させる。やがて、隕石の熱は北極の氷を溶かし、水位を上昇させていくことが予測された。
田所の研究は学術会議の場で公表され、世界の科学者は騒然となる。その隕石衝突の計算の正当性をめぐって、意見は分かれた。衝突を取るか、取らないかは、各国政府の対応により割れた。
日本政府は田所の意見を元に、1億1千万人を収容する地下シェルターを建造し、避難する方法を提案した。津波による水没に耐えられる施設である。機密性、耐久性、強度を高める研究がなされた。そして、人類存続のため、施設建造に向け、国民は一丸となる。
隕石衝突の危機がやがて訪れる。田所の助言により、隕石の規模など、正確な発表は10年間遅らされていた。日本政府は秘密裏に巨大宇宙船の建造を、宇宙空間に10年前から進めていた。
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