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28 ハイタック王国へ ルーク目線
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フェルナンドが、今のハイタック王国の状況とミツルギの怪我のことを教えてくれた。
助けに行くべきだと思う。僕は助けに行くべきだ。あの国だってみんながみんな、嫌な奴じゃない。
助けを求める人がいて、能力があるのだから助けて当然だ。
僕は助けを求めてフェルナンドに質問した。答えなんてわかりきってる。
フェルナンドは答えてくれた。真摯に答えてくれた。僕の悩みなんて吹き飛ぶ答えだった。
嬉しくて、泣きそうになった。そうだよね。殴ってやればいいんだ。殴って吹っ飛ばして忘れたらいいのだ。
それから、あっと言う間に準備が整って、僕たちは隊列を組んでハイタック王国に向かった。
途中出て来る魔獣が、強くなってると隊長が言っていたので、フェルナンドと相談して僕は全員の矢の攻撃力を上げた。浄化の付与は意識して付与することは出来なかったが、前は自動的に付いていたから期待しておこう。
もともと、実力のあるものが集まっているのか、何度か隊列は止まったが全員無事に、王都に入った。
王城に入って正面玄関の前で馬から降りた。フェルナンドに抱えられて降りたと言うのが正解だ。
待っていた侍従が先ず国王との謁見をするように言った。それを聞いたら、何故か腹が立った。
それで、ミツルギが先だと大声を出してしまった。
やってしまった。これって喧嘩になっちゃうと思ったら、隊長が助け舟を出してくれた。
うまいことに、マイル神官も来て僕はミツルギの部屋へ行った。
ミツルギの傷は酷かった。顔が引き連れていた。そしてその顔は僕ではなくミツルギだった。
何故かそう思った。後から思い出すと作りも色もオオヤナギ・ライトのものだが、表情とか雰囲気はミツルギ・・・元の世界のミツルギだったのだ。
僕は、やつをフェルナンドさんに押さえて貰って、よく考えるとかなり、乱暴に押さえていた・・・かな。それぐらいがなんだ。
押さえられて、必死に横目で僕を睨んでいるミツルギを治療した。
顔は完璧に元に戻った。それを見ても自分とは思えなかった。
腕の機能が戻ってないが、それは今回はやらない。今回、やることは・・・
僕はフェルナンドに改めてミツルギを押さえるよう、頼んだ。
そして、頬を打った。打ってから気がついた。殴るんだったと・・・
でも僕はフェルナンドに向かって言った。威張って言った。だって僕は完全に自分になったんだから。
「殴った!」
するとフェルナンドはミツルギをぽいっと突き飛ばすと僕を抱きしめた。
僕はあ!キスされると思った確かに思ったよ。そしてそれが嫌じゃなかった。だけど、それは想像したこともないもので、苦しく口を開けるとフェルナンドの舌が入って来た。びっくりして押し出そうとするとそれを絡め取られ、フェルナンドの舌が僕の口のなかを動き回った。
最初は拒否しようとしていた僕の舌はいつのまにかフェルナンドの導くままに動き、どちらが僕か。どちらがフェルナンドかわからなくなった。
「お前ら!」
「あなたがた!!」
僕は、はっと気がついた。僕は必死にフェルナンドにすがりつき、足に力がはいらなくなった僕をフェルナンドが抱えていた。
「いい加減しにしろ」「おやめなさい」
マイル神官とミツルギが声を揃えて僕とフェルナンドに話しかけていた。
かーーーーっと血が上った。恥ずかしかった。人前で・・・いやどこであろうとこんなことは・・・
なにも言えなかった。息も切れてるし・・・
「失礼した。それではこれで・・・」とフェルナンドの声がした。
フェルナンドは半分、僕を抱えて部屋を出た。
廊下には親衛隊の一人が待っていた。
僕たちは、その人に案内されて僕たちの部屋へ行った。
助けに行くべきだと思う。僕は助けに行くべきだ。あの国だってみんながみんな、嫌な奴じゃない。
助けを求める人がいて、能力があるのだから助けて当然だ。
僕は助けを求めてフェルナンドに質問した。答えなんてわかりきってる。
フェルナンドは答えてくれた。真摯に答えてくれた。僕の悩みなんて吹き飛ぶ答えだった。
嬉しくて、泣きそうになった。そうだよね。殴ってやればいいんだ。殴って吹っ飛ばして忘れたらいいのだ。
それから、あっと言う間に準備が整って、僕たちは隊列を組んでハイタック王国に向かった。
途中出て来る魔獣が、強くなってると隊長が言っていたので、フェルナンドと相談して僕は全員の矢の攻撃力を上げた。浄化の付与は意識して付与することは出来なかったが、前は自動的に付いていたから期待しておこう。
もともと、実力のあるものが集まっているのか、何度か隊列は止まったが全員無事に、王都に入った。
王城に入って正面玄関の前で馬から降りた。フェルナンドに抱えられて降りたと言うのが正解だ。
待っていた侍従が先ず国王との謁見をするように言った。それを聞いたら、何故か腹が立った。
それで、ミツルギが先だと大声を出してしまった。
やってしまった。これって喧嘩になっちゃうと思ったら、隊長が助け舟を出してくれた。
うまいことに、マイル神官も来て僕はミツルギの部屋へ行った。
ミツルギの傷は酷かった。顔が引き連れていた。そしてその顔は僕ではなくミツルギだった。
何故かそう思った。後から思い出すと作りも色もオオヤナギ・ライトのものだが、表情とか雰囲気はミツルギ・・・元の世界のミツルギだったのだ。
僕は、やつをフェルナンドさんに押さえて貰って、よく考えるとかなり、乱暴に押さえていた・・・かな。それぐらいがなんだ。
押さえられて、必死に横目で僕を睨んでいるミツルギを治療した。
顔は完璧に元に戻った。それを見ても自分とは思えなかった。
腕の機能が戻ってないが、それは今回はやらない。今回、やることは・・・
僕はフェルナンドに改めてミツルギを押さえるよう、頼んだ。
そして、頬を打った。打ってから気がついた。殴るんだったと・・・
でも僕はフェルナンドに向かって言った。威張って言った。だって僕は完全に自分になったんだから。
「殴った!」
するとフェルナンドはミツルギをぽいっと突き飛ばすと僕を抱きしめた。
僕はあ!キスされると思った確かに思ったよ。そしてそれが嫌じゃなかった。だけど、それは想像したこともないもので、苦しく口を開けるとフェルナンドの舌が入って来た。びっくりして押し出そうとするとそれを絡め取られ、フェルナンドの舌が僕の口のなかを動き回った。
最初は拒否しようとしていた僕の舌はいつのまにかフェルナンドの導くままに動き、どちらが僕か。どちらがフェルナンドかわからなくなった。
「お前ら!」
「あなたがた!!」
僕は、はっと気がついた。僕は必死にフェルナンドにすがりつき、足に力がはいらなくなった僕をフェルナンドが抱えていた。
「いい加減しにしろ」「おやめなさい」
マイル神官とミツルギが声を揃えて僕とフェルナンドに話しかけていた。
かーーーーっと血が上った。恥ずかしかった。人前で・・・いやどこであろうとこんなことは・・・
なにも言えなかった。息も切れてるし・・・
「失礼した。それではこれで・・・」とフェルナンドの声がした。
フェルナンドは半分、僕を抱えて部屋を出た。
廊下には親衛隊の一人が待っていた。
僕たちは、その人に案内されて僕たちの部屋へ行った。
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