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番外編新たな道 2
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「おかえりなさい。アル。」
仕事を終えて帰ってきたアルフレッドを出迎えると、
「ただいま。今日も忙しい一日だったかい?」
と笑顔を向けられた。
きっとこの世界の貴族社会では、私みたいに仕事をする女性は珍しい…と言うかあまり受け入れられていないようだけれど、アルは嫌な顔一つせずに今の私を受け入れてくれている。
アルの両親も同じように受け入れてくれていて、本当に助かっている。
「アル、ちょっと相談があるんだけど…聞いてくれるかな?」
さっそく夫婦の部屋に入るとともに声をかける。
「相談?なんだろう?何か面白いことでもあったかな?」
アルはちょっと興味津々な表情を私に向けてきた。
「今日の昼間の話なんですが、私もちょっと驚くことがあったんです。
…アルもお仕事後でお疲れでしょうから座ってお話ししましょう。」
そして二人でソファに座ったところで、マリーがお茶のセットを運んできてくれた。
「もう夜ですし、リラックスのティーにしましょう。」
そう言って、ジャーマンカモミールとレモングラス入りのハーブティーを淹れていく。
「いい香りだね。さて、ユーリの驚いた話を聞こうか。」
にっこり笑って聞いてくれるアルは相も変わらず素敵です。
そうして私は今日の出来事を話しました。
「それでユーリはどうしたいと思っているの?」
まず私の話を聞き終わっての第一声は私の気持ちの確認でした。
「私ですか?正直に言って驚いております。世間の皆様方が私に関心があるなんて思っていなかったので…。」
だって取材に来る位知名度があるって事だもんね?
「ユーリは自己評価が低いな。君はなかなかなポジションにいると思うけど?」
アルが私の顔を覗き込む。
「それはアルの知名度が高いからだよ。」
と言いいながら、「そうだった。」と思う。
スタンリー家伯爵夫人が事業をやっているのは確かに目立つかもしれないと漸く納得するに至った。
「それで取材はどうするの?」
アルに聞かれる。
「えっと、スタンリー家に不利益にならないなら、受けてみたいと思っております。私に関心を持ってもらうと言うよりは、私が販売している精油やハーブの事を皆さんに知っていただきたいって思ったから…。」
「もちろん不利益になんてならないよ。実際君は国にとっても必要な人なんだから。」
アルが真面目な顔で話す。
「それはいい過ぎよ。…でもありがとう。アルがそう言ってくれると、なんだか頑張れそうだわ。」
そう言った途端、身体がふわっと抱きしめられた。
「君の1番の理解者は僕だよ。でも頑張りすぎないで。ユーリ最近無理してるんじゃない?あんまり心配させないでくれよ?」
耳元で話すアルの声が心地よいのよね。
アルの手を握る。
「ありがとう。この話を受けたら現場の仕事を調整するわ。」
「そうしてくれ。僕との時間も確保してくれよ?」
アルは笑いながら言う。
「いつもごめんなさい。軌道に乗ったらもう少し家に居れるようにするから。」
ちょっと申し訳ない気持ちになりながら、謝るとアルにまた抱きしめられた。
仕事を終えて帰ってきたアルフレッドを出迎えると、
「ただいま。今日も忙しい一日だったかい?」
と笑顔を向けられた。
きっとこの世界の貴族社会では、私みたいに仕事をする女性は珍しい…と言うかあまり受け入れられていないようだけれど、アルは嫌な顔一つせずに今の私を受け入れてくれている。
アルの両親も同じように受け入れてくれていて、本当に助かっている。
「アル、ちょっと相談があるんだけど…聞いてくれるかな?」
さっそく夫婦の部屋に入るとともに声をかける。
「相談?なんだろう?何か面白いことでもあったかな?」
アルはちょっと興味津々な表情を私に向けてきた。
「今日の昼間の話なんですが、私もちょっと驚くことがあったんです。
…アルもお仕事後でお疲れでしょうから座ってお話ししましょう。」
そして二人でソファに座ったところで、マリーがお茶のセットを運んできてくれた。
「もう夜ですし、リラックスのティーにしましょう。」
そう言って、ジャーマンカモミールとレモングラス入りのハーブティーを淹れていく。
「いい香りだね。さて、ユーリの驚いた話を聞こうか。」
にっこり笑って聞いてくれるアルは相も変わらず素敵です。
そうして私は今日の出来事を話しました。
「それでユーリはどうしたいと思っているの?」
まず私の話を聞き終わっての第一声は私の気持ちの確認でした。
「私ですか?正直に言って驚いております。世間の皆様方が私に関心があるなんて思っていなかったので…。」
だって取材に来る位知名度があるって事だもんね?
「ユーリは自己評価が低いな。君はなかなかなポジションにいると思うけど?」
アルが私の顔を覗き込む。
「それはアルの知名度が高いからだよ。」
と言いいながら、「そうだった。」と思う。
スタンリー家伯爵夫人が事業をやっているのは確かに目立つかもしれないと漸く納得するに至った。
「それで取材はどうするの?」
アルに聞かれる。
「えっと、スタンリー家に不利益にならないなら、受けてみたいと思っております。私に関心を持ってもらうと言うよりは、私が販売している精油やハーブの事を皆さんに知っていただきたいって思ったから…。」
「もちろん不利益になんてならないよ。実際君は国にとっても必要な人なんだから。」
アルが真面目な顔で話す。
「それはいい過ぎよ。…でもありがとう。アルがそう言ってくれると、なんだか頑張れそうだわ。」
そう言った途端、身体がふわっと抱きしめられた。
「君の1番の理解者は僕だよ。でも頑張りすぎないで。ユーリ最近無理してるんじゃない?あんまり心配させないでくれよ?」
耳元で話すアルの声が心地よいのよね。
アルの手を握る。
「ありがとう。この話を受けたら現場の仕事を調整するわ。」
「そうしてくれ。僕との時間も確保してくれよ?」
アルは笑いながら言う。
「いつもごめんなさい。軌道に乗ったらもう少し家に居れるようにするから。」
ちょっと申し訳ない気持ちになりながら、謝るとアルにまた抱きしめられた。
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