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日常

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「お疲れ様です!」
と私、愛川優梨は元気に職場である病院を後にする。
今日は骨折で入院していた患者さんが無事に自宅に帰る事が出来てとっても嬉しかった。
私の病院は終末期の患者さんが多く、元気に自宅に帰れるケースは稀だ。
今回は家族も積極的に家に帰る事の望んでいたのでスムーズだった。

忙しい毎日で、必ずしも良い事ばかりある職場ではないが、今日みたいな日は嬉しくて気分も上がる。

そんな時バイブにしていたスマホが震えた。


『来週はお見合いですよ。帰ってきてくださいね。』


実家の母からのメールだった。
テンションの上がっていた私の心は一気に落ちるのを感じた。

私の母は昔の考え方の人だ。
女は結婚こそが幸せだ!と思っている。

しかし私は今の生活をそれなりに気に入っている。
看護師になってやっと3年目!
これからというところだ。

そんな時にお見合いなど考えられない。

そもそもなぜお見合い?

母からのメールには返信をせずに家に帰る。

お湯を沸かしパスタを茹でる。
小さく溜め息が出る。
「折角いい気分だったのになぁ。」

1人呟いてみる。

そりゃ恋愛に興味が全くないのか?
と問われれば、そんな事も無い……と思う。
でも積極的に恋人が欲しいか?と聞かれても……別に。

休みの日は研修に行くか家でまったりしていたい。

世間では干物女と呼ぶらしい……
友人にはよく言われている。

そんな私だから、お見合いなんぞ面倒なだけなのだ。
だって仕事の方がやりがいもあって楽しいから。


大根を下ろしてから大葉を刻んで、茹で上がったパスタに乗せていく。
ツナとなめ茸を乗せて海苔を散らして、醤油を垂らして~完成!

さてご飯タイム!

さっきまで憂鬱だったけれども、食べる事が大好きな私はさっさと気分を切り替えてパスタを食べ始める。

仕事の日は凝ったものは作れないけれど、なるべく手作りを心掛けている。
なんて言ったって身体が資本ですから!

そしてスマホを手に取る。

『お母さんごめんなさい。私まだ結婚とか考えられない。お見合いは行けません。』

送信




自分の意思を素直に送ったら、少しだけ気持ちがスッキリしたよう。

そしてお風呂の湯船に浸かりながら考える。


仕事は好きだし、やりがいも感じてる。
でも何かが足りない……
何かもっと自分に出来る事があるんじゃないかな?

思えば昔から、自分は何かになりたいと思っていた。自分にしかできない何かを成し遂げられないか?って。
でも大人になるにつれて段々自分の限界を感じるんだよね。

今の自分の限界。いち看護師。
でも仕事が終われば誰も私を必要としないただの人。

ぐるぐると考えながら長湯をしてしまったせいか眩暈がする。

このまま倒れても誰も助けてくれない!

必死に着替えて水分補給をする。


「イケメンの彼氏でもいたら変われるのかな?」
などと呟いて、そんな事を思う自分に思わず苦笑する。

うんもう寝よう!

ベッドにダイブする。
ふと思う。

運命の人って本当に居るのかな?

いやいや、眩暈くらいで気弱になったのかな?
こんな事思うなんて……もう24ですよ……私。

現実に出逢いは無いし、引きこもりだし、仕事では明るく元気な私だけど…私生活は干物だし……
あっループする。

もっとイキイキした社会人になっている予定だったんだけどなぁ~……。


そんな事を思いながら…夢のなかへと誘われた私……

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