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第五章 恋情編
求婚☆
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ファーリアは自室に戻っていた。
警護はファーリアだけではない。先だっての一件で、警備の宦官も増やされていた。余程のことがない限りは、後宮で陛下の身が危険に晒されることはないだろう。
(今夜は、陛下はサラ=マナ様と過ごされるのかもしれない)
そう思ったファーリアは、寝台に寝転がって天井を見た。
(わたし、どうしてここにいるのだろう……姫君たちを差し置いて、毎晩陛下と過ごしているけれど……)
ひとりで寝る寝台は、ひんやりと冷たい。
(……本当にこれでいいのだろうか)
目を閉じると、マルスの声が蘇る。ファーリア、と囁く声も、ファーリアの中で達した時の小さな喘ぎも、記憶に刷り込まれて頭の中で繰り返される。マルスの愛撫が肌を這い、触れてもいない内奥がじんわりと痺れる。
ファーリアはたまらず身を捩った。毎夜毎夜、躰に刻み込まれた官能が、熱っぽく疼きだす。
「……マルスさま……」
すきとか、きらいとか、そういうじげんのはなしじゃない――
そう言った。確かにそう思っていた。だけど。
「……あいたい……マルスさま……」
さっきまでそばにいたのに。昨日も一昨日もその前も、毎晩飽きるほど抱き合って過ごしているのに。
思考より先に躰がマルスを求める。そして躰に感情が支配されていく。
「ふ……っ、ふぅっ……」
涙が溢れ、頬を伝う。感情の制御がきかない。胸を絞られるような感覚に、遣る瀬なく身を捩る。
(本当にこれで、いいのだろうか?)
一晩逢えないだけで、こんなにも身を千切られる思いに翻弄される。
(何故わたしはこんなにも弱くなってしまったのだろう――)
その時だった。
トントン、と微かな音がした。
はっと顔を上げると、また、ごく小さくトントンと扉を叩く音がする。
「だれ……?」
ファーリアが恐る恐る扉をうすく開けると、そこにはマルスが立っていた。
「陛――!」
「早く入れろ」
マルスは小声で言った。ファーリアは慌てて扉を開いて招き入れた。
「陛下、ここは陛下がいらっしゃるような場所では――んっ」
言い終わる前に唇を奪われる。暗い部屋に銀色の髪が鈍く光る。
「――警備をまいてきた」
マルスはそれだけ言って、再び唇を重ねる。二人は夢中で舌を絡ませながら服を脱いだ。そして立ったまま、マルスはファーリアの片脚を高く持ち上げて、挿入した。
「あ」
声を上げかけたファーリアの口を、マルスの手が塞いだ。ファーリアの部屋の両隣は使用人や警備の宦官の部屋が並んでいる。
「声を出すな。聞こえてしまう」
小声でそう囁くと、ファーリアの背中を壁に押し付けて、マルスは激しく突き上げた。
「ん……!んん、んんんっ……!」
先刻マルスとの逢瀬を思い出していたファーリアの躰は、最初からたっぷりの蜜で潤っていた。
「触れてもいないのに、なぜこんなに濡れている。ひとりで慰めてでもいたのか?」
マルスが意地悪く囁くので、ファーリアは首を振る。
「ちが……っ……」
「欲しかったのか?これが!」
「ちが……んはぁっ!」
巨大にそそり勃った陰茎に感じやすい場所を抉られて、ファーリアは突き抜ける快感に喘いだ。
マルスはファーリアの痴態に恍惚とした。この欲望を満たせるのは、もはや彼女しかいないように思えた。
「よく感じるようになったな、ファーリア。最初はあんなに硬かったのに」
声も出せずに、立ったまま貫かれて、逃げ場のない快感に悶えているファーリアは、ぞくりとするほど淫らだった。
「もうこんなにも、快楽の虜になっている――可愛い奴だ」
「んんん―――…………っ……」
マルスはそのままファーリアの中に放ち、ゆっくりと抜く。力が抜けてずるずると床に座り込んでしまったファーリアを抱き上げ、狭い寝台に寝かせる。
余韻に痙攣するファーリアに跨り、溢れ出てくる精を押し戻すように、再びマルスは挿入した。
ファーリアの細い喉が、ひく、と動いて、声もなく喘ぐ。頬が上気し、大きな瞳を潤ませたその顔を眺めているだけで、マルスは陰茎が一層硬くなるのを自覚する。
愛しさにたまらなくなって、奥深く繋がったままマルスはファーリアを抱き締めた。ファーリアも、広い背中にしがみつくように抱き返してくる。
「そなた、私の子を産まぬか」
欲しい。欲しい。お前の全部。
その未来さえも。
「近衛兵をやめ、後宮に入り、私の妃にならぬか」
警護はファーリアだけではない。先だっての一件で、警備の宦官も増やされていた。余程のことがない限りは、後宮で陛下の身が危険に晒されることはないだろう。
(今夜は、陛下はサラ=マナ様と過ごされるのかもしれない)
そう思ったファーリアは、寝台に寝転がって天井を見た。
(わたし、どうしてここにいるのだろう……姫君たちを差し置いて、毎晩陛下と過ごしているけれど……)
ひとりで寝る寝台は、ひんやりと冷たい。
(……本当にこれでいいのだろうか)
目を閉じると、マルスの声が蘇る。ファーリア、と囁く声も、ファーリアの中で達した時の小さな喘ぎも、記憶に刷り込まれて頭の中で繰り返される。マルスの愛撫が肌を這い、触れてもいない内奥がじんわりと痺れる。
ファーリアはたまらず身を捩った。毎夜毎夜、躰に刻み込まれた官能が、熱っぽく疼きだす。
「……マルスさま……」
すきとか、きらいとか、そういうじげんのはなしじゃない――
そう言った。確かにそう思っていた。だけど。
「……あいたい……マルスさま……」
さっきまでそばにいたのに。昨日も一昨日もその前も、毎晩飽きるほど抱き合って過ごしているのに。
思考より先に躰がマルスを求める。そして躰に感情が支配されていく。
「ふ……っ、ふぅっ……」
涙が溢れ、頬を伝う。感情の制御がきかない。胸を絞られるような感覚に、遣る瀬なく身を捩る。
(本当にこれで、いいのだろうか?)
一晩逢えないだけで、こんなにも身を千切られる思いに翻弄される。
(何故わたしはこんなにも弱くなってしまったのだろう――)
その時だった。
トントン、と微かな音がした。
はっと顔を上げると、また、ごく小さくトントンと扉を叩く音がする。
「だれ……?」
ファーリアが恐る恐る扉をうすく開けると、そこにはマルスが立っていた。
「陛――!」
「早く入れろ」
マルスは小声で言った。ファーリアは慌てて扉を開いて招き入れた。
「陛下、ここは陛下がいらっしゃるような場所では――んっ」
言い終わる前に唇を奪われる。暗い部屋に銀色の髪が鈍く光る。
「――警備をまいてきた」
マルスはそれだけ言って、再び唇を重ねる。二人は夢中で舌を絡ませながら服を脱いだ。そして立ったまま、マルスはファーリアの片脚を高く持ち上げて、挿入した。
「あ」
声を上げかけたファーリアの口を、マルスの手が塞いだ。ファーリアの部屋の両隣は使用人や警備の宦官の部屋が並んでいる。
「声を出すな。聞こえてしまう」
小声でそう囁くと、ファーリアの背中を壁に押し付けて、マルスは激しく突き上げた。
「ん……!んん、んんんっ……!」
先刻マルスとの逢瀬を思い出していたファーリアの躰は、最初からたっぷりの蜜で潤っていた。
「触れてもいないのに、なぜこんなに濡れている。ひとりで慰めてでもいたのか?」
マルスが意地悪く囁くので、ファーリアは首を振る。
「ちが……っ……」
「欲しかったのか?これが!」
「ちが……んはぁっ!」
巨大にそそり勃った陰茎に感じやすい場所を抉られて、ファーリアは突き抜ける快感に喘いだ。
マルスはファーリアの痴態に恍惚とした。この欲望を満たせるのは、もはや彼女しかいないように思えた。
「よく感じるようになったな、ファーリア。最初はあんなに硬かったのに」
声も出せずに、立ったまま貫かれて、逃げ場のない快感に悶えているファーリアは、ぞくりとするほど淫らだった。
「もうこんなにも、快楽の虜になっている――可愛い奴だ」
「んんん―――…………っ……」
マルスはそのままファーリアの中に放ち、ゆっくりと抜く。力が抜けてずるずると床に座り込んでしまったファーリアを抱き上げ、狭い寝台に寝かせる。
余韻に痙攣するファーリアに跨り、溢れ出てくる精を押し戻すように、再びマルスは挿入した。
ファーリアの細い喉が、ひく、と動いて、声もなく喘ぐ。頬が上気し、大きな瞳を潤ませたその顔を眺めているだけで、マルスは陰茎が一層硬くなるのを自覚する。
愛しさにたまらなくなって、奥深く繋がったままマルスはファーリアを抱き締めた。ファーリアも、広い背中にしがみつくように抱き返してくる。
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