15 / 16
初恋の味はチョコレート・クッキー
番外編〖第3話〗
しおりを挟む『こっちきて。サボろ?自転車ニケツしよ。風きれるよ。こんな田舎お巡りさんもいないから』
『サボるって、いいの?』
『毎日じゃなければいいんじゃない?』
二人で下った坂道。お腹に回された手が以外にもヒヤッとつめたい。生きている人か疑うほど。こんな儚い、切ない女の子だと今更気づいた。知らなかった。俺って見る目無かったんだな。多少可愛くて寝れれば良かったんだ。
『あー、腹減った。げ、財布ねぇ!ロッカーに置いてきた!』
沙羅が、うふふと笑って鞄を開ける。
『はらぺこの君にこれをあげましょう。チョコレート・クッキー。半分コ』
沙羅はクッキーを割る。不恰好に二つに割れたクッキー。沙羅は迷わず大きい半分を俺に差し出した。
『いいよ。沙羅が食えよ』
『あんた図体でかいんだからこんくらいおやつにもならないでしょ。いいから、食べて。坂道、気持ち良かった。対向車来たとき死ぬかと思ったけど』
『あれは怖かったな』
あの瞬間、生きることを諦めても良いと思った。恋の始まりは人を狂わせるのかな、なんて思ったりした。今は嫌だ。死んでも良いなんて絶対に思わない。だって、そうだろ?未来が、待っているのに。
『俺さ、あのまま──』
『はい。言わない。何となく想像はつくよ。私もさ、ユミくんにしがみついて、天国行きなら、それもそうで仕方ないなって、ずっと好きだったから。ユミくんのこと。久しぶりに頬っぺたが風で冷たかった。ありがとう。最高の一日だった』
『終わり、なのか?沙羅』
少しの沈黙が怖い。沙羅の顔が悲しそうに変わっていく。沙羅は無理をして笑っているように見えた。何がいけない?俺、何か間違ったのか?最高の一日だった。財布忘れるポカはしたけど、お陰で、チョコレート・クッキーを沙羅と半分できた。
『だって、ユミくん彼女いるじゃない。本田さん』
20
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
白椿の咲く日~ひそかな恋、遠い日の思いは
紫さゆり
恋愛
結婚を控えた真由子は、久しぶりに異母姉の稚子(わかこ)と会う。
真由子の母の雪江は、大学教授であり著名な歌人の水上実之(みなかみさねゆき)の後添いとして水上家に嫁いだ。
婚約者の諒人(りょうと)のことなど、真由子は稚子と色々語り合ううち、庭の白椿の木は真由子がなついていた異母兄、靖之が植えたものだと知る。
白椿の木をめぐっての、ひそかな大人の恋物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる