僕の宿命の人は黒耳のもふもふ尻尾の狛犬でした!【完結】

カシューナッツ

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金色の赤子〖第58話〗──①

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「そうにいちゃんの色は綺麗だよ!」
    
 強い口調で空は言う。

「他意はない。ただ、この子が俺のことでいじめられたりしないか心配なんだ。俺は……そうだったから」

    語尾が小さくなり、俯く蒼の頬に空は触れた。

「星影から、聴いたよ。勝手にごめんね。この子がいじめられたら、慰めて、僕の所っていう泣き場所を作ってあげたい。ひどくいじめられたりなんかしたら『神降り』しないか心配だよ」

「賢く、他者の痛みが解る子になって欲しいな」

    すやすや眠る金色の耳と尻尾を持つ小さな子。暫く休んだ後、見計らったように軽食を運んできた大叔母が、赤子に良く似た狗の背守りを刺繍した産着を赤子に着せてくれた。

「これは、私がこの子が生まれる前に縫ってあげたの。夢見に、蒼を見てね。狛井家にとって姿写しの狗は第二の自分の姿。まあ、昔はね。今は迎える子のために狗の形を映し刺繍した『魔除けのおまじない』くらいかしらね」

    と言っていた。空は生まれたばかりの赤子に、

「お父さんが守ってくれる。お父さんはこの世で一番強くて、格好良いんだよ」

    そう言い、柔らかな赤子の頬を撫でる。

「そんな、恥ずかしいな」

    蒼が照れ臭そうなことが、空は嬉しかった。

「な、名前はどうする?」

「『光』と書いて『こう』ていうのはどうかな?毛色もそうだし、この子の歩む人生も明るくあって欲しい」

「それがいい。この子は、光か……」

    頬に触れる。今思えばあらためて触るのは初めてだ。小さくて触るのが少しどきどきする。頬は柔らかく温く、湿っていた。

「光、蒼父さんだよ。お前に会えて嬉しいよ。お前は奇跡の子だ。空と俺のかけがえのない子だ。……まだ、解らないか」

「解るみたい。笑ってる」

「本当だ、嬉しそうだ」 

 
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