僕の宿命の人は黒耳のもふもふ尻尾の狛犬でした!【完結】

カシューナッツ

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桜色の傷痕〖第25話〗*──①

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    風呂場に入ると、海綿を使って風呂椅子に座り空は身体を洗っていた。まだ力が入らない感じだった。胸までバスタオルを巻き、長い髪は、独自の結わえ方があるのだろう、上手に結ばれている。

「洗ってあげるから、海綿を」

「うん」

    背中、腰、肩。みんな華奢だ。そして、青白い。

「タオル、とるのは嫌か?」

「………構わないよ。平気。でもあんまり見ないで。傷だらけ、だから。あ、あの、腕が少し痛いから、まだ擦らないでほしい………」

    桜色の傷痕。指で丁寧に洗う。痛々しい。空の横に片膝を立て、空の腕を膝に乗せる。傷つけた相手に、洗われるのは、複雑なはずだ。

「ごめんな。俺に触られて、嫌じゃないか?」

「嫌な感じはしないけど……むずむずする、身体が変な感じ。だめ、そうにいちゃん、これ以上触らないで、お願い……」

   潤んだ大きなこの目には、どうしても逆らえないが、試してみたいことがあった。泡のついた腕を湯で流し、舌を這わせた。

「や、やぁっ!そうにいちゃん!やめてよ!」

   半泣きで言われても、やめなかった。顔を背け、空は口を押さえる。洩れでる、声にならない喘ぐような声が蒼をたまらなくさせる。

もっと声が聞きたい。

空の息づかいを感じたい。

こんな気持ちは初めてだ。早く抱きたい。腕の中で淫らに悶える空が見たい。蒼は舌を飴を舐めるときのように執拗に傷痕に這わせ続けた。

「やだぁ……そうにいちゃぁんっ!やめて、こんな、やだぁああっ!」

    身体を震わせて、全身で快感を享受して、空は痙攣する。

 泣きながら達した空の白を桶で流すと、空は大きな涙目で蒼を睨んだ。

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