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第7章 魔境村の日常生活
第163話 ラリサと拓哉ですき焼きを作る!
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しゃぶしゃぶフェアを終えて、しゃぶしゃぶの次の鍋と言ったらすき焼きだろうということで、すき焼きフェアをやることになった。
すき焼きといえば、関東風と関西風があるわけだが、今回は関西風を作ろうと思う。もし、人気なら関東風を作ろうと考えている。
「ラリサと二人だけなのも久しぶりじゃないか?」
「そうですね。最初以来だと思います。今日は、何をお客さんに出すのですか?」
アニカと桜花は、グラデュース率いる竜と共に、背に乗って魔境の奥地の探検に出掛けているのだ。世界最強に守られているし、大丈夫だろうと拓哉は二つ返事で了承したのだ。
「今日は、関西風すき焼きを作ろうと思うんだ。ラリサにも手伝ってもらうからお願いね」
「はい!お父さんからマンツーマンで直接教えて貰える機会なんてないですから楽しみです」
確かに、マンツーマンは、桜花くらいだったなと考える拓哉。それにしても、昔みたいに、拓哉を独り占めにしようと戦うことがなくなったし、やはり村を作って色々な仲間と交流を持てる機会を子供達に与えたのは正解だなと思うのだった。
「白菜をざく切りにして、その間に、俺は長ねぎを切っておくから」
長ねぎを1センチ感覚で斜め切りしていく。ラリサも、ザクザクと白菜を丁寧に切ってくれている。
「春菊を3センチ幅に切って、俺は豆腐を切るから」
焼き豆腐を4等分にする。
「ラリサ、うまく切れているよ。みんなよく食べるから大量に切らないといけないけど頑張ってな」
「はい!久しぶりにお父さんと何かするのが楽しいから全然苦にならないですよ」
笑いながら答えてくれているし、本当に苦ではないのだろうと思う拓哉。
「次は、中火で熱したすき焼き鍋に牛脂をひいて、ミノタウロスのもも薄切り肉を入れてさっと焼いていく。野菜も入れちゃってね。今日は、大量に出るだろうから作り置きしてアイテムボックスの中に入れて置こう」
すき焼きの肉に味が付くまで結構時間がかかるから作り置きをしておくのだ。
「いい感じになったら、大量に砂糖を入れて、馴染んだら料理酒と醤油を入れて煮込んでいく」
醤油と砂糖の甘辛い匂いと料理酒のツンとした香りが鼻孔を刺激してくる。
「ラリサ、野菜の水分が出てきたら、しらたきと豆腐を入れて10分中火で煮込んだら完成だよ。完成したら食べていいからね」
最近は、どんな物を作ってお客さんに提供しているのか知ってもらう為に、味見をしてもらっている。そうすることで、お客さんにもどういう料理か説明もできるし、話題作りにもなるからだ。
「うわぁ~食べていいんですか?凄くいい匂いがしておいしそうです」
そろそろいい匂いとグツグツ煮えてきて野菜もお肉もいい色がついてきた。
「卵を溶いて、この卵に付けて食べてみて絶品だから」
ラリサは、迷わずお肉を取って卵につける。ドロっと卵につけたお肉がなんともいえない食欲をそそる絵面を醸し出している。
「ん~なんですかこれ?おいしすぎるよ~甘辛のお肉にまろやかな卵...もう完璧です。この野菜も甘くておいしいです。すき焼き絶対みんな好きですよ」
すき焼きの虜になったラリサは、手が止まることなく食べ進めていく。
これだけ、食べてくれるならきっとお客さんも満足してくれるだろうと思う拓哉。
そして、営業時間を迎えて、すき焼きフェアという貼り紙を見るお客さん。前回のしゃぶしゃぶがうまかったのか?速攻で注文が入る。ラリサとアニカには、配膳する際に卵を付けて食べてくださいと伝えるように言ってある。果たして生卵は、異世界で受け入れられるのか?
今日、アニカ達を連れて行ってくれた竜達が食べ始める。
「生卵をつけて食べるのか?龍にとって生は当たり前だから嫌悪感は一切ないが、果たして味の方は...うまい...肉々しい味と甘辛の出汁をまろやかにする生卵!これは素晴らしい組み合わせだな。テオフィロもドゥルシッラもどうだ?」
竜達には、一人一鍋与えているのだが、もう半分近く食べている。それを見るだけで気に入っているのだろうが、敢えて尋ねるグラデュース。
「なんじゃこりゃうめぇ~!グラさん、これは、こないだのしゃぶしゃぶよりうまいですよ。野菜にも肉の味と甘辛の出汁の味が~堪らん」
「おいしいですおいしいです!お肉も野菜もこんなにおいしいなんて...本当にもうこの村から出たくありません」
テオフィロは、オスだから分かるが、メスのドゥルシッラですら魅了してしまうすき焼きは流石の料理である。
「ヤミンくんおいしい?」
「すんごくおいしいよぉ~豆腐も味がしっかりしててホロホロでおいしい。卵につけるとよりおいしくなるの不思議だよねぇ。マリマリもおいしい?」
「おいしいわ。凄く濃いのにどんどん食べられるのも不思議よね。ヤミンくん、じっとしてて口にお肉がついてるわ」
親子になったマリーとヤミンは、相変わらず凄く仲良しである。
他のテーブルでも「おいしい」という声が聞こえて、おかわりが何度も入る大盛況っぷりであった。
すき焼きといえば、関東風と関西風があるわけだが、今回は関西風を作ろうと思う。もし、人気なら関東風を作ろうと考えている。
「ラリサと二人だけなのも久しぶりじゃないか?」
「そうですね。最初以来だと思います。今日は、何をお客さんに出すのですか?」
アニカと桜花は、グラデュース率いる竜と共に、背に乗って魔境の奥地の探検に出掛けているのだ。世界最強に守られているし、大丈夫だろうと拓哉は二つ返事で了承したのだ。
「今日は、関西風すき焼きを作ろうと思うんだ。ラリサにも手伝ってもらうからお願いね」
「はい!お父さんからマンツーマンで直接教えて貰える機会なんてないですから楽しみです」
確かに、マンツーマンは、桜花くらいだったなと考える拓哉。それにしても、昔みたいに、拓哉を独り占めにしようと戦うことがなくなったし、やはり村を作って色々な仲間と交流を持てる機会を子供達に与えたのは正解だなと思うのだった。
「白菜をざく切りにして、その間に、俺は長ねぎを切っておくから」
長ねぎを1センチ感覚で斜め切りしていく。ラリサも、ザクザクと白菜を丁寧に切ってくれている。
「春菊を3センチ幅に切って、俺は豆腐を切るから」
焼き豆腐を4等分にする。
「ラリサ、うまく切れているよ。みんなよく食べるから大量に切らないといけないけど頑張ってな」
「はい!久しぶりにお父さんと何かするのが楽しいから全然苦にならないですよ」
笑いながら答えてくれているし、本当に苦ではないのだろうと思う拓哉。
「次は、中火で熱したすき焼き鍋に牛脂をひいて、ミノタウロスのもも薄切り肉を入れてさっと焼いていく。野菜も入れちゃってね。今日は、大量に出るだろうから作り置きしてアイテムボックスの中に入れて置こう」
すき焼きの肉に味が付くまで結構時間がかかるから作り置きをしておくのだ。
「いい感じになったら、大量に砂糖を入れて、馴染んだら料理酒と醤油を入れて煮込んでいく」
醤油と砂糖の甘辛い匂いと料理酒のツンとした香りが鼻孔を刺激してくる。
「ラリサ、野菜の水分が出てきたら、しらたきと豆腐を入れて10分中火で煮込んだら完成だよ。完成したら食べていいからね」
最近は、どんな物を作ってお客さんに提供しているのか知ってもらう為に、味見をしてもらっている。そうすることで、お客さんにもどういう料理か説明もできるし、話題作りにもなるからだ。
「うわぁ~食べていいんですか?凄くいい匂いがしておいしそうです」
そろそろいい匂いとグツグツ煮えてきて野菜もお肉もいい色がついてきた。
「卵を溶いて、この卵に付けて食べてみて絶品だから」
ラリサは、迷わずお肉を取って卵につける。ドロっと卵につけたお肉がなんともいえない食欲をそそる絵面を醸し出している。
「ん~なんですかこれ?おいしすぎるよ~甘辛のお肉にまろやかな卵...もう完璧です。この野菜も甘くておいしいです。すき焼き絶対みんな好きですよ」
すき焼きの虜になったラリサは、手が止まることなく食べ進めていく。
これだけ、食べてくれるならきっとお客さんも満足してくれるだろうと思う拓哉。
そして、営業時間を迎えて、すき焼きフェアという貼り紙を見るお客さん。前回のしゃぶしゃぶがうまかったのか?速攻で注文が入る。ラリサとアニカには、配膳する際に卵を付けて食べてくださいと伝えるように言ってある。果たして生卵は、異世界で受け入れられるのか?
今日、アニカ達を連れて行ってくれた竜達が食べ始める。
「生卵をつけて食べるのか?龍にとって生は当たり前だから嫌悪感は一切ないが、果たして味の方は...うまい...肉々しい味と甘辛の出汁をまろやかにする生卵!これは素晴らしい組み合わせだな。テオフィロもドゥルシッラもどうだ?」
竜達には、一人一鍋与えているのだが、もう半分近く食べている。それを見るだけで気に入っているのだろうが、敢えて尋ねるグラデュース。
「なんじゃこりゃうめぇ~!グラさん、これは、こないだのしゃぶしゃぶよりうまいですよ。野菜にも肉の味と甘辛の出汁の味が~堪らん」
「おいしいですおいしいです!お肉も野菜もこんなにおいしいなんて...本当にもうこの村から出たくありません」
テオフィロは、オスだから分かるが、メスのドゥルシッラですら魅了してしまうすき焼きは流石の料理である。
「ヤミンくんおいしい?」
「すんごくおいしいよぉ~豆腐も味がしっかりしててホロホロでおいしい。卵につけるとよりおいしくなるの不思議だよねぇ。マリマリもおいしい?」
「おいしいわ。凄く濃いのにどんどん食べられるのも不思議よね。ヤミンくん、じっとしてて口にお肉がついてるわ」
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