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第三十話
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部屋の中には赤絨毯が敷かれていて、その先に王座が有った。
間違い無く謁見の間だった。
エルカノート城の物と比べると半分程度の狭さだったが、カラーガラスを通った日光のおかげで荘厳な雰囲気になっていた。
「あれを」
レイが指差す王座に肉の塊が乗っていた。解体途中の鹿かイノシシみたいな雰囲気で、直視すると見たくない臓物とかが見えてしまいそうだ。
「恐らく、アレがリビラーナ王ですね。潜在能力が見えます」
指の輪を覗くテルラ。脈打つ肉塊の上に『王の威厳』と言う潜在能力を表す文字が見える。不死の魔物に見える物と同じだが、他の王も持っている能力なので、この潜在能力自体は特別な物ではない。だが、肉塊になっても生きている王がリビラーナ王以外に居るとは思えない。
「とうとうここまで来ました。恐らくリビラーナ王だと思われるアレを調べれば、不死の魔物の全てを知る手掛かりを得られるかも知れません」
「――! 待て!」
調べようと王座に近付いたら、グレイが二丁の拳銃を抜きながら振り向いた。
オレンジ髪のルーメンが王女のドレスを翻し、足音も無く廊下を走って来た。そして、謁見の間の前で立ち止まる。
「貴方達ならここまで来るのではと思って警戒していました。貴方達の目的は存じておりますが、王城の不法侵入は許しませんわ。ルーメン・カサーラ・リビラーナの名において、王を御守りします」
軽く息を切らせているルーメンは、グレイが向けている銃口には全く怯まず、堂々と謁見の間に歩を進めた。
間違い無く謁見の間だった。
エルカノート城の物と比べると半分程度の狭さだったが、カラーガラスを通った日光のおかげで荘厳な雰囲気になっていた。
「あれを」
レイが指差す王座に肉の塊が乗っていた。解体途中の鹿かイノシシみたいな雰囲気で、直視すると見たくない臓物とかが見えてしまいそうだ。
「恐らく、アレがリビラーナ王ですね。潜在能力が見えます」
指の輪を覗くテルラ。脈打つ肉塊の上に『王の威厳』と言う潜在能力を表す文字が見える。不死の魔物に見える物と同じだが、他の王も持っている能力なので、この潜在能力自体は特別な物ではない。だが、肉塊になっても生きている王がリビラーナ王以外に居るとは思えない。
「とうとうここまで来ました。恐らくリビラーナ王だと思われるアレを調べれば、不死の魔物の全てを知る手掛かりを得られるかも知れません」
「――! 待て!」
調べようと王座に近付いたら、グレイが二丁の拳銃を抜きながら振り向いた。
オレンジ髪のルーメンが王女のドレスを翻し、足音も無く廊下を走って来た。そして、謁見の間の前で立ち止まる。
「貴方達ならここまで来るのではと思って警戒していました。貴方達の目的は存じておりますが、王城の不法侵入は許しませんわ。ルーメン・カサーラ・リビラーナの名において、王を御守りします」
軽く息を切らせているルーメンは、グレイが向けている銃口には全く怯まず、堂々と謁見の間に歩を進めた。
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