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第三十話
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カゲロウが案内した隠し通路は物置みたいな部屋に繋がっていた。
王族用ではなく大臣や貴族用だろうとレイが言う。そこそこ偉い人を通す部屋なので荷物が少なく変な臭いも無かったが、埃や蜘蛛の巣で少々汚かった。
「あからさまに手入れがされている何も無い部屋は怪しいので、敢えて掃除をしていないのですわ。この汚れ方ですと、完全放置も不自然なので季節の代わり目の大掃除の時に流れで掃除する、くらいですわね」
廊下に出ながら銀髪やラベンダー色のスカートに付いた埃を払ったレイは、周囲を確かめてからテルラ達を手招きした。
仲間達も廊下に出て埃を払う。
やはり城内には人の気配が無い。
「頻度は不明ですが、多少なりとも掃除されていると言う事は人が居ると言う事。ルーメンがどこかに居るかも知れないので慎重に進みましょう」
隠し通路の外側付近に荷物を隠して身軽になっているテルラの指示でいつもの隊列になる一行。
王城の造りはどこも似た感じだろうと二階中央を目指すと、思った通りの位置に大きなドアが有った。
「雰囲気的に謁見の間ですわね。しかし、変なテープで封がされていますわ」
花瓶や調度品みたいな物が無いので、普通の声で喋っても広い廊下に声が響く。そうなる空気感を肌で知っているレイが小声で言った。
「張り紙が有るっスね。リビラーナ語、っスかね。読めないっス」
しんがりのプリシゥアが小声で指差す。ドア横の壁に色紙が厳重に貼り付けられていた。罠の有り無しを慎重に確かめながらその前に立つグレイ。
「一ヵ国語しか書かれていないな。うーん、カゲロウを連れて来た方が良かったか」
「お待ちになって。王女としての教育の一環で、他国語を習っています。リビラーナ文字は正直自信が有りませんが、少しなら読めるかも知れません」
色紙とにらめっこを始めた後ろで、大事な本入りの小さなリュックを背負っているカレンが首を傾げた。カレンのリュックもテルラのリュックと一緒に隠し通路の入り口付近に隠した。カゲロウに荷物の番を頼んではいるが、隠し通路はそもそもとして人目に付かない場所に有るので、一日くらい放置しても多分大丈夫だろう。
「そう言えば、文字は国で違うのに、言葉はどこでも同じなのはなんで?」
「それは過去に大陸が統一されたからでしょう。文字も一応は共通文字が有りますが、文化の保持目的でその国の文字が残されていますね。王家はあえて古い文字を使います」
説明しているテルラの前で独り言をつぶやくレイ。
「前半は分かりませんが、最後は良くない、ダメ、みたいな事が書いて有りますわ」
グレイも色紙を覗き込んだので、レイは読める部分を指でなぞる。
「ここが何とか、ダメ、ですわ」
「状況から推理すると、進入禁止、だろうな。扉がテープで開けられない様にしてあるんだから。前半は封印の理由が書かれてあるんだろう」
「なるほど。わたくしはその理由を知らないため、うろ覚えの文字では読めないんですね。恐らく正解でしょう」
「だがまぁ、正解だったとしても従う意味も義理も無いな。そうだろう? テルラ」
「グレイの言う通りです。王城に侵入までしているのですから、思い切って開けましょう。みなさん、最大警戒です」
隊列を整えた一行は、お互いに見合ってから頷いた。
先頭のレイがテープを剥がし、剣の柄に手を掛けながらドアを蹴り開けた。
王族用ではなく大臣や貴族用だろうとレイが言う。そこそこ偉い人を通す部屋なので荷物が少なく変な臭いも無かったが、埃や蜘蛛の巣で少々汚かった。
「あからさまに手入れがされている何も無い部屋は怪しいので、敢えて掃除をしていないのですわ。この汚れ方ですと、完全放置も不自然なので季節の代わり目の大掃除の時に流れで掃除する、くらいですわね」
廊下に出ながら銀髪やラベンダー色のスカートに付いた埃を払ったレイは、周囲を確かめてからテルラ達を手招きした。
仲間達も廊下に出て埃を払う。
やはり城内には人の気配が無い。
「頻度は不明ですが、多少なりとも掃除されていると言う事は人が居ると言う事。ルーメンがどこかに居るかも知れないので慎重に進みましょう」
隠し通路の外側付近に荷物を隠して身軽になっているテルラの指示でいつもの隊列になる一行。
王城の造りはどこも似た感じだろうと二階中央を目指すと、思った通りの位置に大きなドアが有った。
「雰囲気的に謁見の間ですわね。しかし、変なテープで封がされていますわ」
花瓶や調度品みたいな物が無いので、普通の声で喋っても広い廊下に声が響く。そうなる空気感を肌で知っているレイが小声で言った。
「張り紙が有るっスね。リビラーナ語、っスかね。読めないっス」
しんがりのプリシゥアが小声で指差す。ドア横の壁に色紙が厳重に貼り付けられていた。罠の有り無しを慎重に確かめながらその前に立つグレイ。
「一ヵ国語しか書かれていないな。うーん、カゲロウを連れて来た方が良かったか」
「お待ちになって。王女としての教育の一環で、他国語を習っています。リビラーナ文字は正直自信が有りませんが、少しなら読めるかも知れません」
色紙とにらめっこを始めた後ろで、大事な本入りの小さなリュックを背負っているカレンが首を傾げた。カレンのリュックもテルラのリュックと一緒に隠し通路の入り口付近に隠した。カゲロウに荷物の番を頼んではいるが、隠し通路はそもそもとして人目に付かない場所に有るので、一日くらい放置しても多分大丈夫だろう。
「そう言えば、文字は国で違うのに、言葉はどこでも同じなのはなんで?」
「それは過去に大陸が統一されたからでしょう。文字も一応は共通文字が有りますが、文化の保持目的でその国の文字が残されていますね。王家はあえて古い文字を使います」
説明しているテルラの前で独り言をつぶやくレイ。
「前半は分かりませんが、最後は良くない、ダメ、みたいな事が書いて有りますわ」
グレイも色紙を覗き込んだので、レイは読める部分を指でなぞる。
「ここが何とか、ダメ、ですわ」
「状況から推理すると、進入禁止、だろうな。扉がテープで開けられない様にしてあるんだから。前半は封印の理由が書かれてあるんだろう」
「なるほど。わたくしはその理由を知らないため、うろ覚えの文字では読めないんですね。恐らく正解でしょう」
「だがまぁ、正解だったとしても従う意味も義理も無いな。そうだろう? テルラ」
「グレイの言う通りです。王城に侵入までしているのですから、思い切って開けましょう。みなさん、最大警戒です」
隊列を整えた一行は、お互いに見合ってから頷いた。
先頭のレイがテープを剥がし、剣の柄に手を掛けながらドアを蹴り開けた。
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